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ケータハム、新型EVクーペコンセプト「プロジェクトV」世界初公開 目標最低価格8万ポンド未満

2023年7月12日(現地時間)発表

 英ケータハムは7月12日(現地時間)、新型EV(電気自動車)クーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表、7月13日にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開する。プロジェクトVは、2025年後半〜2026年前半に投入予定とし、英国市場での目標最低価格は8万ポンド未満としている。

 最初から電気自動車として設計されたプロジェクトVは、チーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリによる創作で、ジャナレリ氏のビジョンは、世界的に著名なイタリアのエンジニアリング会社、イタルデザインによって実現された。

 プロジェクトVは、リアアクスルに搭載された200kW (272PS)のシングルモーターを動力源とするバッテリ電気パワートレーンを採用。先進的な熱マネジメントを備えた55kWhのUSOCリチウムイオンバッテリパックが組み合わされ、150kWのDC急速充電器を使えば、15分間で20〜80%の充電が可能という。

 プロジェクトVの100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速は230km/h、WLTP航続距離は400kmとしている。

 ミニマリストのデザイン哲学は、セブンと同様にプロジェクトVが軽量でシンプルであることを意味し、カーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーを採用することで車両重量1190kg(2+1シートレイアウト)を目標とした。

 プロジェクトV のショーカーは、2+1 のシートレイアウト (オプションで 2+2)を採用しており、乗降性を最適化し、後席乗員の快適性を高めるとともに、将来のオーナーの使い方の柔軟性を高めた。インテリアの中心には、スマートフォンのミラーリング機能を備えた、シンプルでドライバーにフォーカスしたインフォテインメント・システムが用意され、デジタル・インストルメント・クラスターが主要な情報を表示。ドライバーは、さまざまな環境に合わせて加速と操作性をインテリジェントに調整するドライビング・モードを「ノーマル」「スポーツ」「スプリント」から選択可能。

 また、フルアジャスタブル・ジオメトリーのダブルウィッシュボーン式フロント/リア・サスペンション、 電動アシストパワーステアリング、ミシュランのパイロットスポーツ4S タイヤ (フロント 19インチ、リア20インチ)、高性能キャリパー付きディスクブレーキなどを装備する。

 ケータハム・カーズのCEO兼、 新たに設立された「ケータハムEVo」のCOO、ボブ・レイシュリー氏は「プロジェクトVは単なるコンセプトやデザインスタディではなく、開発段階を通じてエンジニアリングと生産の実現可能性を検討してきました。どのような形やサイズであれ、EVケータハムは、われわれのDNAである、軽量でシンプル、比類のないドライビング体験を提供するという、 私たちを他の誰とも違う存在にしているものに忠実でなければなりません。プロジェクトVは、会社を持続的に成長させ、同時に電動化を探求するという私たちの野心を満たすものです。次の段階の開発と技術能力次第ですが、プロジェクトVは2025年後半から2026年前半に市場に投入する計画であり、価格帯は最低小売価格8万ポンド未満からを目標にしています」とコメント。

 プロジェクトVのチーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリ氏は「ケータハム・セブンのデザインはシンプルかつミニマリストであり、軽量で運転が楽しいという本来の機能のためにデザインされています。プロジェクトVでは、この哲学をスポーツ・クーペのアーキテクチャーに適用し、魅惑的で時代を超越したシルエットを創り上げています。軽さを維持し、ドライバーのエンゲージメントを最適化するためには、重量の観点からすべての機能が本当に必要かどうか正当化されなければなりません」とコメントしている。

 また、イタルデザインのビジネス・ディベロプメント・マネージャー、アンドレア・ポルタ氏は「ケータハムとアンソニー・ジャナレリのパートナーとなり、プロジェクトV を実現できたことを嬉しく思います。あらゆるステップで、将来の生産バージョンを滞りなく市場に投入できるように、商業的に実行可能なコンセプトカー やプロトタイプ車を生産してきた私たちの経験を活用しました」と述べている。

 プロジェクトVの位置付けについて、レイシュリー氏は「プロジェクトVはセブンの代わりではなく、セブンを補完するものであり、ケータハムのコアバリューを維持することで、既存の顧客層にアピールし、同時に新しいファンをブランドに引きつけることができると信じています。より実用的なクーペのボディスタイルを採用し、EVのパッケージングの利点を生かすことで、このクルマは日曜日の朝のスプリントだけでなく、買い物や通学にも使用できます」と述べた。

 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、新型EVクーペコンセプト「プロジェクトV」とともに、バッテリEVのコンセプトカー「EVセブン」が公開される。

 ケータハムの親会社であるVTホールディングス社長兼 CEOの高橋一穂氏は「本日、このグッドウッドの地において、われわれから2つの新型車両を発表することができることを大変光栄に思います。ケータハムの決して変えてはならない物、時代の要求に応えて変化すべき物、この一見相反する2つの要求を妥協することなく、融合させた結果が、この2つの新型車になります。このプロジェクトに関わったすべての方々、ケータハムのこれまでの50 年間を支えていただいたすべての方々に、深く感謝申し上げます」とコメントしている。

プロジェクトVコンセプト 仕様

車両:ケータハム・プロジェクトV
パワートレーン:BEV, RWD with single rear-mounted permanent synchronous nominal 400V e-motor
バッテリー:Li-ion, 55 kWh USOC with advanced thermal management
ディメンション:4255×1893×1226mm(全長×全幅×全高)
ホイールベース:2581mm
最高出力:200kW/268bhp/272PS
0-62m/h (100km/h):4.5秒未満
最高速度:143m/h(230km/h)
目標重量:1190kg未満 DIN質量(2+1シートレイアウト)
目標航続距離 (WLTP):249miles(400km)
目標充電時間:15分間で20-80%充電 (150kW DC 充電器)
コンストラクションタイプ:革新的なカーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーと複合ボディワーク
サスペンション:ダブルウィッシュボーン(フロント・リア)
タイヤ:235/35R19 (フロント) 285/30/R20 (リア)