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SUPER GT第4戦 富士予選、GT500は「リアライズコーポレーション ADVAN Z」が今度こそポール獲得、GT300は「初音ミク AMG」が6年ぶりのポール獲得 横浜ゴム装着車が両クラスを制す

2023年8月5日~6日 開催

SUPER GT第4戦富士でポールポジションを獲得した24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)

 SUPER GT 第4戦となる「2023 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT 450km RACE」が8月5日~6日に静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで開催されている。8月5日には予選が行なわれ、明日の決勝レースに向けたスターティンググリッドが決定した。

 GT500のポールポジションは、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)が、前戦第3戦では予選後の車検で車両規定違反となって失ったポールポジションをゲットした。2位は16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)、3位は8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹/木村偉織組、BS)。

 GT300のポールポジションは4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)で、2017年以来となる6年ぶりのポールポジション獲得となった。2位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)、3位は31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)。

前戦のポールが幻となってしまった「24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z」がポールを獲得

SUPER GT第4戦富士でポールポジションを獲得した24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)

 真夏の富士スピードウェイのレースは「灼熱のレース」などと称されることが多く、猛暑の中の環境で行なわれるレースになっている。今日の富士スピードウェイの気温は29~30℃前後で、特に日なたにいると非常に暑いと感じられる環境だ。路面温度は40℃台後半と、比較的高い路面温度での環境での予選となった。

 GT500の予選1回目(Q1)はシーズン4戦目なので、ポイントを獲っているシリーズ上位チームはサクセスウェイト(ハンデとなる重り)が増えているので、その影響が大きくなっている。そうした環境を反映して、Q1で上位にきたのは、シリーズ下位に沈んでいる車両となった。

GT500クラス2位の16号車 ARTA MUGEN NSX-GT

 予選1回目でトップに立ったのは16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)、2位は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)、3位は8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹/木村偉織組、BS)とホンダ勢が1-2-3。ほかにも100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が4位、64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進組、DL)が7位、17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)が8位と5台全部がQ2へと進んだ。

 それとは対照的にトヨタ勢は38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)が5位でQ2に進んだだけで、ポイントリーダーの36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組、BS)を含めて他のトヨタ車両はすべてQ1で敗退となった。

 なお、前回の第3戦鈴鹿で大クラッシュしてしまった23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)は、事故で怪我を負った松田次生選手が入院治療から復帰して初めてのレースウィークエンドになったが、13位でQ1落ちとなった。なお、23号車はモノコックを交換することになったため、明日のレースでは5秒のピットストップのペナルティを科されることになる。

GT500クラス3位の8号車 ARTA MUGEN NSX-GT

 GT500の予選2回目(Q2)では、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zが1分27秒763というトップタイムをマークし、ドライブしていた佐々木選手は自身2度目のポールポジションを獲得。前回の第3戦で24号車はポールとなったが予選後の再車検で車両に違反が見つかりポールを失っていたので、その悔しさをはね返すポールポジションの獲得となった。2位はポールポジションの大本命と考えられていた16号車 ARTA MUGEN NSX-GT、トップにわずか0.05秒差で2位となった。3位は8号車 ARTA MUGEN NSX-GT。

 4位は3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)、5位は17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)、6位は100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)となった。なお、トヨタ勢の最上位は今シーズン限りで引退を表明した立川祐路選手がドライブした38号車 ZENT CERUMO GR Supraの7位となった。

GT500クラス予選結果(暫定)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
124リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH61分27秒9351分27秒763
216ARTA MUGEN NSX-GT福住仁嶺/大津弘樹BS101分27秒8581分27秒813
38ARTA MUGEN NSX-GT野尻智紀/大湯都史樹/木村偉織BS221分28秒0251分27秒852
43Niterra MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI581分28秒4481分28秒114
517Astemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS341分28秒5321分28秒226
6100STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS441分28秒2511分28秒295
738ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS141分28秒2731分28秒326
864Modulo NSX-GT伊沢拓也/太田格之進DL21分28秒4781分28秒667
919WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH441分28秒608
1039DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/中山雄一BS121分28秒708
1114ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS421分28秒764
1237Deloitte TOM'S GR Supra笹原右京/ジュリアーノ・アレジBS101分28秒802
1323MOTUL AUTECH Z松田次生/ロニー・クインタレッリMI501分28秒842
141MARELLI IMPUL Z平峰一貴/ベルトラン・バゲットBS361分29秒238
1536au TOM'S GR Supra坪井翔/宮田莉朋BS721分29秒436

2017年以来となる「4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG」がポールポジションを獲得

GT300クラスポールポジションを獲得した4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)

 GT300の予選は、予選1回目(Q1)が通例通りA組、B組の2回にわけられて行なわれた。A組にはポイントランキングで奇数の1位、3位、5位……の車両が含まれ、シリーズリーダーの56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平組、YH)、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)などが登場した。

 A組でトップタイムをマークしたのは11号車 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介組、DL)で、2位は新しいEvo車両を投入した87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月組、YH)、3位には50号車 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫組、YH)となった。ランキング上位勢では56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが7位、65号車 LEON PYRAMID AMGが8位でQ1を通過したが、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTは11位でQ1敗退となった。

GT300クラス2位の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

 B組には、シリーズ2位の2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規組、BS)、4位の7号車 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝組、MI)、7位(実質的には6位)の18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻組、YH)が登場。

 B組でトップタイムをマークしたのは4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)で、最後のストレートで前車のスリップストリームを上手に使うという片岡選手がベテランの技を魅せてトップタイムをマークした。2位は最後の最後に61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が2位に入り、3位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組、DL)。シリーズ上位の2号車 muta Racing GR86 GTは12位、7号車 Studie BMW M4は9位、18号車 UPGARAGE NSX GT3は11位でQ1で敗退した。

予選3位に繰り上がった11号車 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介組、DL)

 GT300の予選2回目(Q2)では、Q1の好調さを維持した4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGが1度目のアタックでベストタイムをマークして、その翌周にもベストタイムをマークして、2017年以来の久々となるポールポジションを獲得。2位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTで、3位には31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)が入った。4位は11号車 GAINER TANAX GT-R、5位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)、6位は6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也組、YH)となった。

 しかし、予選終了後に予選3位の31号車 apr LC500h GTは、指定燃料以外を利用したことが判明し、予選タイム抹消となり決勝レースは最後尾からスタートすることになった。

31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)は、予選で3番手のタイムをマークしたが、指定燃料以外を利用したことが判明し、予選タイムが抹消された

GT300クラス予選結果(暫定)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
14グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH61分36秒8961分36秒395
261SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL181分37秒1851分36秒705
311GAINER TANAX GT-R富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介DL181分36秒9031分36秒854
488JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH151分37秒8611分36秒882
56DOBOT Audi R8 LMS片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也YH121分37秒7671分36秒982
620シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎/山田真之亮DL31分37秒6821分36秒983
710PONOS GAINER GT-R安田裕信/大草りきDL271分37秒7101分37秒037
850ANEST IWATA Racing RC F GT3イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫YH1分37秒5961分37秒070
987Bamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH121分37秒1931分37秒078
1056リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平YH901分37秒8691分37秒342
1125HOPPY Schatz GR Supra GT菅波冬悟/野中誠太YH31分38秒0241分37秒475
1296K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL61分37秒3001分37秒525
1365LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS721分37秒8881分37秒577
1460Syntium LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL211分37秒7861分37秒655
15360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤/大滝拓也YH1分37秒9881分37秒907
167Studie BMW M4荒聖治/柳田真孝MI751分38秒035
17244HACHI-ICHI GR Supra GT佐藤公哉/三宅淳詞YH331分37秒926
185マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号冨林勇佑/松井孝允YH1分38秒058
1930apr GR86 GT永井宏明/織戸学/小河諒YH61分37秒984
2018UPGARAGE NSX GT3小林崇志/小出峻YH601分38秒067
2152埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS841分38秒273
222muta Racing GR86 GT堤優威/平良響/加藤寛規BS901分38秒198
239PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG阪口良平/リアン・ジャトン/川端伸太朗YH1分38秒390
2448植毛ケーズフロンティア GT-R井田太陽/眞田拓海YH1分38秒366
2527Yogibo NSX GT3岩澤優吾/伊東黎明YH241分38秒754
2622アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹/加納政樹YH1分39秒866
2731apr LC500h GT*1嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生BS9

*1 予選後に指定燃料以外の使用が発覚したため予選タイム抹消


 明日のレースは13時45分にスタートする予定で、レースは450km/100周で行なわれる。レースでは2回のピットストップで給油などの作業が義務づけられている。明日の天気予報ではレース中に降雨となることが予想されており、そうした天候という読めないファクターを含めてどのような展開になるのか、明日のレースが楽しみだ。

 また、ライブ中継に関しては、BS放送のJ SPORTS4ないしはストリーミングのJ SPORTSオンデマンドで13時15分から放送される予定。詳しくはJ SPORTSのWebサイトをご参照いただきたい。