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SUPER GT第3戦 鈴鹿予選、波乱のGT500はトムス「GRスープラ」が繰り上がりポール獲得、GT300はスバル「BRZ」が復活のポールポジション
2023年6月3日 17:17
- 2023年6月3日~4日 開催
SUPER GT 第3戦「2023 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 450km RACE」が、6月3日~6月4日に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにて開催されている。6月3日には予選が行なわれ、明日の決勝レースに向けたグリッド順位が決定した。
GT500クラスのポールポジションは24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)、3位にも同じ横浜ゴムの19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)で、横浜ゴムの1-3となった。2位はランキング3位で40kgという重たいサクセスウェイトを搭載している36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組、BS)。
しかし予選終了後、再車検においてポールを獲得した24号車に「ガスパック容量違反」が見つかり、予選タイム削除となった。それにより2位以下が繰り上がり、36号車 au TOM'S GR Supraがポール、2位は19号車 WedsSport ADVAN GR Supra、3位は100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)となった。
GT300クラスのポールポジションは2位に0.320の差をつけた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。2位は11号車 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介組、DL)、3位は60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)でダンロップ勢が上位を独占した。
好調の24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zに再車検で違反が発覚
台風の直撃こそ避けられたものの、線状降水帯と呼ばれる発展した梅雨前線の影響でこの時期にはあまりないような降水量となった前日とは大きく変わり、鈴鹿の天気は快晴と言ってよい天気になっており、スタンドにも多くの観客を集めて開催された。
鈴鹿サーキットのレーシングシアターには、来年からホンダのGT500参戦車両となる「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」も展示されるなどしており、実際に来場した観客はその勇姿を眺めることが可能になっている。
#SUPERGT
— 鈴鹿サーキット Suzuka Circuit (@suzuka_event)June 2, 2023
2024年からスーパーGTへ参戦予定の「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」
パーク内の “レーシングシアター” にて展示中✨
6/3~4は、観戦券についてくるパークパスポートでご覧いただけます!https://t.co/LFTk7kxPSc#鈴鹿サーキットパークpic.twitter.com/lCDTce18pa
天気予報によれば鈴鹿サーキットの明日の天気は、晴れ時々くもりで、摂氏27度まで温度があがる見通しになっており、今日の予選も、そして明日のレースもよい天気の中で楽しむことができそうだ。
予選はサポートレースのFIA-F4が延長して行なわれたため、20分ほど遅れて開始。GT500クラスのQ1では、ブリヂストン勢の多くがセッション始まってすぐにコースインしていったが、横浜ゴム勢、ミシュラン勢はピットで待機を続けて、残り6分ぐらいからコースイン。
その中でトップタイムをマークしたのは、1分44秒366のタイムを出した19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)。2位は午前中の練習走行でトップタイムをマークした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)で、横浜ゴムの装着車が1-2となった。3位はAstemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)。
ランキング上位勢ではランキング3位の36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組、BS)が6位で通過したのに対して、ランキングトップのMOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)は9位、3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)は13位でQ1脱落となった。
Q2でも横浜ゴム勢の快進撃は続いた。ブリヂストン勢はセッションが始まって直ぐにでていったのに対して、横浜ゴム勢は残り5分を切ってから出て行くという状況。横浜ゴム勢はタイヤの温まりに自信があるのか、かなりゆっくりとしたスタートになった。そうした中、最後にアタックした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zが1分44秒320をマークしてポールポジションを獲得した。もう1台の横浜ゴム勢となる19号車 WedsSport ADVAN GR Supraは3位。
2位はランキング3位でサクセスウェイトが重いはずの36号車 au TOM'S GR Supra。他のランキング上位勢が下位に沈んだことを考えると、ランキングトップに浮上するチャンスが巡ってきたと言える。
4位は100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)、5位は1号車 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)、6位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)となった。
しかし、予選終了後に、ポールポジションを獲得した24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zの再車検にて「ガスパック容量違反」が見つかり、予選タイムが削除となり最下位に転落。このため、2位以下が繰り上がり、36号車 au TOM'S GR Supraがポールポジションを獲得、2位は19号車 WedsSport ADVAN GR Supra、3位は100号車 STANLEY NSX-GT、4位は1号車 MARELLI IMPUL Z、5位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、6位は16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)となった。また、11位だった38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)も走路外走行で当該タイムが抹消になり、予選14位となった
GT500クラス予選結果
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | SW |
---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | au TOM'S GR Supra | 坪井翔/宮田莉朋 | BS | 40 |
2 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/阪口晴南 | YH | 4 |
3 | 100 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | BS | 32 |
4 | 1 | MARELLI IMPUL Z | 平峰一貴/ベルトラン・バゲット | BS | 14 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口雄飛/中山雄一 | BS | 12 |
6 | 16 | ARTA MUGEN NSX-GT | 福住仁嶺/大津弘樹 | BS | 2 |
7 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/松下信治 | BS | 30 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH Z | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 50 |
9 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/太田格之進 | DL | 2 |
10 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 32 |
11 | 8 | ARTA MUGEN NSX-GT | 野尻智紀/大湯都史樹 | BS | 22 |
12 | 3 | Niterra MOTUL Z | 千代勝正/高星明誠 | MI | 42 |
13 | 37 | Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ | BS | 10 |
14 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 12 |
15 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 佐々木大樹/平手晃平 | YH | - |
開幕戦、第2戦と不調だった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが復調のポールを獲得
GT300のQ1は通例通り、Aグループ、Bグループに分かれて行なわれた。GT300のAグループは1分57秒084というタイムをマークした31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)がトップタイム、2位は7号車 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝組、MI)、3位は60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)となった。このAグループではランキングトップで72kgのサクセスウェイトを搭載している65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)は8位でQ2へ駒を進めた。また、ここ2戦ノーポイントと不調だったように見えた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)も4位でQ2へと進んだ。
Bグループのトップタイムをマークしたのは、eモータースポーツ出身のドライバーとして話題になっているイゴール・オオムラ・フラガ選手がドライブする50号車 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫組、YH)で、1分57秒505のタイムでトップとなった。ランキング2位で66kgのサクセスウェイトを搭載している56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平組、YH)が2位で、1分57秒562という66kgのサクセスウェイトを搭載している車としては驚くべきタイムと言える。3位はシェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎/山田真之亮組、YH)。
Q2で圧巻のトップタイムをマークしたのは1分55秒775というコースレコードまで0.2秒という非常によいタイムをマークした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。今シーズンここまでよい結果を残せていなかった61号車にとっては会心のタイムアタックだったと言って良い。2位は11号車 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介組、DL)、3位が60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)とダンロップタイヤを履いた3台が1-2-3を占めた。
4位は2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規組、BS)、5位は25号車 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/野中誠太組、YH)、6位は50号車 ANEST IWATA Racing RC F GT3。
ランキング上位ではランキングトップの65号車 LEON PYRAMID AMGが12位、ランキング2位の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが9位で明日のレースに臨むことになる。
GT300クラス予選結果
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | SW |
---|---|---|---|---|---|
1 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | - |
2 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介 | DL | - |
3 | 60 | Syntium LMcorsa GR Supra GT | 吉本大樹/河野駿佑 | DL | 9 |
4 | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤優威/平良響/加藤寛規 | BS | 45 |
5 | 25 | HOPPY Schatz GR Supra GT | 菅波冬悟/野中誠太 | YH | 3 |
6 | 20 | シェイドレーシング GR86 GT | 平中克幸/清水英志郎/山田真之亮 | DL | - |
7 | 244 | HACHI-ICHI GR Supra GT | 佐藤公哉/三宅淳詞 | YH | 33 |
8 | 10 | PONOS GAINER GT-R | 安田裕信/大草りき | DL | 18 |
9 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平 | YH | 66 |
10 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | YH | 15 |
11 | 31 | apr LC500h GT | 嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生 | BS | 9 |
12 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/篠原拓朗 | BS | 72 |
13 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/小出峻 | YH | 60 |
14 | 87 | Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 | YH | 12 |
15 | 50 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫 | YH | - |
16 | 7 | Studie BMW M4 | 荒聖治/柳田真孝 | MI | 15 |
明日の決勝レースは13時30分から、450kmの距離で行なわれる。天気予報では27度と高温になることが予想されており、そうした中でどこのチームが最もよくタイヤを使いこなすことができるか、そうしたレースになっていく可能性が高く、明日のレースでも順位の入れ替えなども起きそうでコース上で面白いレースが展開されそうだ。
なお、チケットの当日販売などの情報に関しては鈴鹿サーキットのWebサイトをご参照いただきたい。サーキットに行く場合には、レース中継映像が現地限定(位置情報でサーキット近くにある端末限定で配信される)で「Grooview Multi」に配信されるので、サーキットに行く前にスマホなどに「Grooview Multi」アプリをインストールしておくことをおすすめしたい(同時にストリーミングの受信はスマートフォンのバッテリを消費するので、モバイルバッテリなどで充電できるように対策しておくこともお忘れなく)。
また、ライブ中継に関しては、BS放送のJ SPORTS4ないしはストリーミングのJ SPORTSオンデマンドで13時から放送される予定。詳しくはJ SPORTSのWebサイトをご参照いただきたい。
【訂正のお知らせ】GTAよりリザルト変更が発表されたので、GT500クラスのリザルトが記事初期出から変更になっています。