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TOYOTA GAZOO Racing小林可夢偉選手、NASCAR初参戦の結果は33位「経験が少ない中でも戦えそうな手応えを感じる瞬間もあった」

2023年8月14日 発表

小林可夢偉選手のNASCAR初挑戦は33位となった

小林可夢偉選手は28番グリッドからスタート

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は8月14日、米国インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでNASCARカップ・シリーズ第24戦の決勝レースが行なわれ、23XIレーシングから参戦したTGRのドライバー兼WECチーム代表である小林可夢偉選手が33位でフィニッシュしたと発表した。

 8月13日14時40分(現地時間)に、総距離199.98マイル(約332km)、周回数82周の決勝レースがスタート。28番グリッドからスタートした小林選手は1周目に1つポジションをアップしたものの、2周目に2コーナーで追突されてしまい37番手まで後退。また、その同じ周に他のコーナーで他車がタイヤバリアに接触してしまい、そのタイヤバリアの修復のためにペースカー(国内レースでのセーフティーカー)が導入されると、その間に小林選手はボディワークの確認のためにピットイン。これで最後尾までポジションを落としたが、レース再開後は小林選手らしい攻めの走りでポジションを挽回。

 24周目に2度目のピットインを行ない給油とタイヤ交換を実施。順位は31番手ながら27周目には全体3番手、続く28周目には全体2番手のラップタイムをマークし、初挑戦ながら上位を争うレギュラードライバーたちと遜色ないペースで走行。29番手まで順位を上げたが65周目の1コーナーで再び追突されポジションダウン。

 レース終盤の74周目、再びペースカーが導入されたときに追い上げていけるように4度目のピットインを行ない新品タイヤに交換するも、大きな波乱もなくそのままレースは終了。小林選手は33位でNASCARデビュー戦を終えた。

小林可夢偉選手

小林可夢偉選手コメント全文

 スタートはポジション取りもよかったですが、2周目に追突されてしまい、いきなりNASCARの洗礼を受けました。スピンターンをすると一気にグリップがなくなってしまったのが残念でした。クリーンに走ることができた2セット目のタイヤは、慣れてきたこともあってペースに問題はなかったです。ただ、3セット目のタイヤのときにまた追突されてしまいました。レース全体を通じていいペースで走り続けたかったです。

 ただ、NASCARの経験が少ない中でも、戦えそうな手応えを感じる瞬間もあったので、もう少しこのクルマに慣れて、動かし方を理解すれば、充分いいレースができるんじゃないかと感じています。

 今回、豊田会長、佐藤社長が僕のチャレンジを応援してくださり、北米トヨタのボブ・カーター元副社長にも僕のサポートを頼んでくださいました。実際にボブさんはインディアナポリスにも来てくださり、激励してくださいました。僕もボブさんの帽子をかぶってインタビューを受けたり、グリッドにも行き、力強いサポートを常に感じながらレースウィークを過ごすことができました。初めてだらけのNASCARでしたが、TGRファミリーの温かさ、キズナも感じることができて、このチャレンジも僕ひとりじゃない、皆と一緒に戦えていると思えました。また、日本では深夜にもかかわらず、僕のデビュー戦を見守ってくださったファンの方々にも感謝しています。遠く日本からの声援も、僕の大きな力になりました。僕を支えてくださった方々、応援してくださった方々、すべての皆さんにあらためて本当にありがとうございましたとお伝えしたいです。

 今回、僕自身すごく楽しかったですし、こうして実際に戦ってみてやはりアメリカの三大スポーツの1つで日本人ドライバーが活躍するというのは1つの夢なんじゃないかなと感じました。今回の経験でNASCARがどういうものか、エンジニアやメカニックがどう働くのかなど、とても理解できて、すごくいい経験になったので、またチャンスをいただけるのであれば僕はぜひ再挑戦したいです。

「またチャンスをいただけるのであれば僕はぜひ再挑戦したいです」と小林可夢偉選手