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ウーブン・バイ・トヨタCEOのジェームス・カフナー氏がトヨタのシニアフェローに、隈部肇氏が新たなCEOに就任

2023年9月7日 発表

ジェームス・カフナー氏

 トヨタ自動車の子会社でソフトウェアなどのモビリティ技術を開発するウーブン・バイ・トヨタは9月7日、株主総会で取締役の選任を行ない、2023年10月1日付の役員体制の変更を発表。10月1日付で同社代表取締役CEOのジェームス・カフナー氏が退任し、新たに、隈部肇氏が代表取締役CEOに就任することを明らかにした。

 CEOを退任するカフナー氏は2023年10月1日付でトヨタ自動車のシニアフェローに就任予定。新たにSEOに就任する隈部氏は、現在J-QuAD DYNAMICSの代表取締役社長を務めており、2023年9月30日付でJ-QuAD DYNAMICS代表取締役社長を辞任予定。

 今回の役員体制変更は、同社が開発を進めるソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」が先行開発から実装フェーズに移行すること、そしてモビリティのためのテストコース「Woven City(ウーブン・シティ)」の実証開始を見据えたもので、これを踏まえ経営層が現場の近くで迅速な意思決定を行なう体制に移行させるとしている。

 ウーブン・バイ・トヨタの代表取締役CEOであるジェームス・カフナー氏は「今日に至るまで、当社の開発にご協力いただいた全てのステークホルダーの皆様および従業員に感謝申し上げます。これまでトヨタのMIRAIやレクサスのLSに搭載されたADAS技術や、将来のお客様に新しい価値を提供するソフトウェアプラットフォームであるAreneなど様々なモビリティ技術の開発に取り組んでまいりました。またWoven Cityの建設も進み、2025年に一部実証開始予定です。今後当社が初期開発から実装フェーズに移行することを見据え、トヨタやトヨタグループとの更なる連携強化が必須となります。次期CEOの隈部肇さんは、デンソーやJ-QuAD DYNAMICSでトヨタなど他社との協業を進めた経験があり、今後のウーブン・バイ・トヨタにおいてこの重要な役割を担う最適なリーダーだと確信し、このタイミングで隈部さんにバトンタッチすることが最善の決断と考えました。私自身はトヨタのシニアフェローとして、ソフトウェアエンジニアの育成やソフトウェア開発におけるビジョンの伝承に取り組んでまいります」とコメント。

 また、10月1日付でウーブン・バイ・トヨタの代表取締役CEOに就任予定の隈部肇氏は「この度、ジェームスからバトンを受け取り、10月1日よりウーブン・バイ・トヨタの代表取締役CEOを務めることとなりました。100年に一度の変革期と言われる自動車業界において、今後BEV(Battery Electric Vehicle)をはじめとした電動化が進む中、ソフトウェアの重要性は日に日に増していきます。これからのBEV・SDV(Software Defined Vehicle)時代におけるNo.1のクルマを実現するためにクルマのソフトウェアを作り出し、モビリティカンパニーを支えるソフトウェアづくりを変革する、これがウーブン・バイ・トヨタのCEOを務める私の使命だと考えています。トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社の設立から5年間、ジェームスのリーダーシップのもとで鍛えてきたウーブン・バイ・トヨタの人材・仕組みを生かし、Arene・AD/ADASといった技術力を発揮し、トヨタやトヨタグループのクルマづくり、モノづくりのプロと一緒に、実装をやり遂げることができると考えています。そして、AreneやAD/ADASのクルマへの実装とモビリティ社会を創造するためのテストコースであるWoven Cityでの実証を通じて『クルマ』『人』『社会』がつながるモビリティと社会システムの共創を目指し、思いを共にする仲間とともに幸せの量産を追求していきます」とコメントしている。

10月1日付 役員体制

代表取締役 Chief Executive Officer:隈部肇氏
取締役 Chief Technology Officer:John Absmeier(ジョン・アブスマイヤー)氏
取締役 Chief Financial Officer:近健太氏
社外取締役:Julie Hamp(ジュリー・ハンプ)氏
社外取締役:東崇徳氏
監査役:小林耕士氏