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ホンダアクセス、「ModuloXシリーズ10周年記念ユーザーミーティング」を聖地“群馬サイクルスポーツセンター”で開催
2023年9月19日 11:20
- 2023年9月18日 開催
220台の応募があった10周年記念“大”感謝祭
ホンダアクセスは9月18日、群馬県にある群馬サイクルスポーツセンターにて、「Modulo Xシリーズ10周年記念ユーザーミーティング in 群馬サイクルスポーツセンター」を実施した。
このイベントは、今年3月に東京都渋谷区にある代官山 T-SITEにて50名限定で開催された「Modulo Xシリーズ10周年記念モーニングクルーズ」の最後に、開発アドバイザーを務める土屋圭市氏が「いつかは台数制限を設けず、希望者が全員参加できる規模でやりたいよね。いや、きっとやってくれると信じてます」と語っていた内容が現実になったもので、北は北海道、南は長崎県から全175台(N-BOX Modulo X/5台、N-ONE Modulo X/13台、STEP WGN Modulo X/14台、フリード Modulo X/15台、S660 Modulo X/113台、VEZEL Modulo X/5台、フィット e:HEV Modulo X/10台)、計323人が群サイに集結した。
イベントは10時の開会と同時にトークショーからスタート。3月のイベントでも熱いトークを披露したホンダアクセスModulo X開発統括の福田正剛氏、ホンダアクセスModulo X完成車性能担当の湯沢峰司氏、Modulo X開発アドバイザーの土屋圭市氏、カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子氏に加え、今回はさらに前日のSUPER GT第6戦SUGOに参戦していたホンダアクセスのブランドアンバサダーを務めるレーシングドライバー大津弘樹選手と、同じくSUPER GTで実況を担当しているピエール北川氏も参加。
Modulo Xは、量産市販車では当然の“コスト”や“開発時間”といった制約にとらわれず、「ホンダの技術力を使えば、もっといいクルマに仕上げられる」という思いを具現化したコンプリートカー。2013年1月に「N-BOX」が登場し、その後「N-ONE」「ステップワゴン」「フリード」「S660」「ヴェゼル」「フィット」とラインアップを増やしているが、車種によっては2年半も開発に時間を費やしたモデルもある。
Modulo Xが目指すゴールは、サーキットでベストラップをたたき出すTYPE Rのようなスポーツカーではなく、「街乗りで誰もが安心して走れる1台」であり、ドライバーはもちろんのこと、後席に乗っている人も安心できる乗り味にまで徹底的にこだわっている。
トークショーでは開発中の苦労話が中心となり、開発の福田氏が「土屋さんに何度もしかられまして……」と語れば、土屋氏は「湯沢さんとこれでいいかなという状態で福田さんに持っていくと、ぜんぜんOKしてくれないから開発が終わらなかった」など、お互いに情熱があるからこそ簡単には引けないし、ぶつかるときも多々あったと当時を振り返った。
会場となった群馬サイクルスポーツセンターについて土屋氏は、「最初は研究所内のテストコースで走り込むけれど、研究所内のコースのうねりやギャップなどはあくまで人工的に作られたもの。ここ群サイは自然にできた路面だから、実際にユーザーが走る環境に近いよね。うねりからのギャップ、ギャップからのさらにギャップでいきなりボトムとかさ、ちょっと普通の考えでは作らないような路面がある。だからこそ、ここで車両の限界や、後席の乗り心地の最終確認をする必要があるんだよね」とコメント。
また、現在開発の中心となっている湯沢氏は、この10年間を振り返り「実効空力はとても進化していると思います。最初のころは手探りな部分もありましたが、次々と新しい技術を取り込みながら発展しています。この技術はクルマがEV(電気自動車)になっても活用できるので、この先も楽しみですね」と実効空力に対する思いを語ると、ちょうど6月に第一子が誕生し、普段フリードModulo Xに乗っているブランドアンバサダーを務めるレーシングドライバー大津選手が、「フリードModulo Xに乗ると子供がすぐに寝ちゃうんですよ。きっと赤ちゃんにもクルマの安心感が伝わっているんだと思います」とModulo Xにまつわるエピソードを紹介した。
来場者からの「タイヤは他銘柄に変更しても大丈夫でしょうか?」との質問には、「まったく問題ないです。どのメーカーのタイヤでも4輪をしっかりと接地させてグリップしながら走れるように仕上げているのでご安心ください」と土屋氏。また、「コンプリートカーだから他のパーツとかを装着したらバランスが崩れてしまうのでしょうか?」との問いには、「当然バランスが崩れる部分もあるかもしれないけれど、最終的にはオーナー自身のクルマなんだから、好きなパーツを付けていいと思ってる。S660は街中で最適な状態にはしているけれど、サーキットを走るなら、車高調やハイグリップタイヤを装着したほうがもっとよくなると思いますよ」と回答した。
湯沢氏によると「本当なら新車の発売と同時にコンプリートカーであるModulo Xも発売したいのですが、発売前はナンバー登録はできないし、もちろん人目に付く場所も走らせられないので、開発がさらに困難になる。そのため発売してから開発に着手するスタイルとなっています」と、どうしても発売が遅れてしまう理由について言及すると同時に、「でも、今後ユーザーさんからの熱意がたくさん集まって上層部に伝わっていけば、もしかしたらこの現状を変えられるかもしれません」と期待を述べていた。
Modulo Xの最終試験場となる群馬サイクルスポーツセンター
イベントではトークショーのほかに、Modulo Xシリーズのテストステージとして使われる群馬サイクルスポーツセンターの険しいコースをステップワゴンModulo XかフリードModulo Xで体験できる「群サイTAXI」や、鋸歯(シェブロン)形状の実効空力デバイスをN-BOXのルーフ部分に装着して、自身で効果を体感する「実効空力デバイス試乗」を実施。抽選で選ばれたラッキーなModulo Xオーナー十数人がその乗り味と効果を味わった。
実効空力デバイス試乗に当選した上條さんは、試乗後に「ノーマルのままだとクルマが安定しなくてコーナー入るのが怖かったのに、デバイスを装着したらクルマが安定するからぜんぜん怖くない。それどころかコーナリング中にアクセルを踏みたくなるほどでした」と、シェブロン形状の実効空力デバイスの効果のほどを語ってくれた。また群サイTAXIでは、最終の最後にレーシングドライバーの大津選手が登場。貴重な思い出となった。
ドリキン土屋氏や開発の福田氏、湯沢氏、ピエール北川氏、まるも亜希子氏が参加者の愛車をチェック
イベントでは恒例となる参加者の愛車チェック。残暑の残るなか4人は200台ちかい参加者のマシンを順番にチェック。愛車にまつわる会話をしたり、記念撮影をしたり、中には愛車に直筆サインを入れてもらうなどして楽しんでいた。閉会式では「ホンダアクセスアワード」と「ドリキンアワード」の2台が発表され、オーナーには特製の盾がプレゼントされた。