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高速道路3社、大型車駐車マスの一部に「短時間限定駐車マス」導入 大型車ドライバーに“休憩”を確保する実証実験

2023年9月27日 発表

 NEXCO東日本(東日本高速道路)、NEXCO中日本(中日本高速道路)、NEXCO西日本(西日本高速道路)は9月27日、高速道路のSA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)における利便性向上の取り組みとして、大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験を、2023年秋から順次開始すると発表した。

 実証実験は、長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に短時間限定駐車マスを整備することで、休憩機会の変化や、周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するもの。大型車ドライバーのより確実な休憩機会の確保を目的に、下記11か所の休憩施設において実施される。

短時間限定駐車マスの実証実験予定箇所(上下別11か所)

短時間限定駐車マスの実証実験予定箇所(上下別11か所)

NEXCO東日本管内:E4 東北道「蓮田SA(上り)」「上河内SA(上り)」「安達太良SA(下り)」「国見SA(下り)」

NEXCO中日本管内:E1 東名「足柄SA(上り)」

NEXCO西日本管内:E2 山陽道「福山SA(下り)」「吉備SA(上り)」「龍野西SA(上下)」、E3 九州道「古賀SA(下り)」、E2A 中国道「美東SA(下り)」

E1 東名 足柄SA(上り)の配置例

 短時間限定駐車マスの位置は、休憩施設内に看板を設置して案内されるとともに、短時間限定駐車マスと分かるよう、駐車マスに路面標示が施される。今後、実証実験の状況を鑑み、厳格な監視体制や駐車時間を判定するための画像処理技術の導入など、さらに必要な対策を検討していく予定。

 短時間限定駐車マスの利用者には、休憩施設内の案内看板・路面標示に従って駐車してもらい、駐車後60分以内に出発するようお願いをしている。また、60分を越えて駐車する場合は、短時間限定駐車マス以外の利用をお願いしている。

E2A 中国道 美東SA(下り) 滞在台数、立寄台数率(ナンバープレート調査:2021年実施)

 短時間限定駐車マス導入の背景として、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本では、2018年度から休憩施設(SA・PA)の駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに約3000台分の駐車マス(大型車)を増設してきた。2023年度においても約600台の駐車マス(大型車)を増設する予定。

 しかし、都市近郊部を中心としたSA・PAでは、8時間以上の長時間駐車車両の割合が高く、依然として混雑しているとのこと。その結果、駐車ができずにSA・PAを出ていく車両が多く存在しており、本来の休憩機会を逸しているものと考えている。

 この実証実験により、現在の大型車駐車マス(兼用マスを含む)の一部を60分以内の短時間限定駐車マスとして整備することで、より多くの車両が確実に駐車できる機会を確保し、長時間駐車を余儀なくされる車両については、都市近郊以外の比較的すいているSA・PAが利用されることに期待している。