住友ゴム、ガス管事業から撤退 2025年3月末までに完全事業撤退へ

　住友ゴム工業は10月3日、同社と同社グループのダンロップホームプロダクツが販売するガス管の事業から撤退すると発表した。

　同社のガス管事業では、兵庫県加古川市の加古川工場で、LPG用ゴム管、都市ガス用ソフトコード、ガスコード、都市ガス用強化ガスホースやその付属品を生産してきた。

　今後、順次、生産・出荷を停止し、2025年3月末までの完全事業撤退を目指す。同事業に関わる従業員については、グループ内での配置転換により雇用を維持する方針で、事業撤退による連結業績への影響は軽微としている。

　事業撤退の背景としては、同社グループでは、50年間にわたりガス管の生産・販売を行なってきたが、オール電化住宅などキッチンまわりの電化の拡大、エアコンなど暖房設備の性能向上によるガス利用の減少に伴い、家庭用ガス管の国内市場は縮小傾向にあり、こうした市場環境のなか、経済性を維持しつつ、顧客に満足してもらえる品質を確保した商品を安定的に提供し続けることは難しいと判断。

　また、同社は現在推進中の中期経営計画において2025年までを「既存事業の選択と集中」の期間と位置付けており、グループの将来的な発展のため、市場が縮小傾向であるガス管事業から撤退し、成長事業へのリソース集中・活用を進めていくとしている。