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アストンマーティン、バッテリEVプラットフォーム共同研究開発プロジェクトに900万ポンドの資金調達

2023年10月9日(現地時間)発表

アストンマーティンが共同研究開発するモジュール式バッテリEVプラットフォーム

 アストンマーティンは10月9日(現地時間)、モジュール式バッテリEV(電気自動車)プラットフォームの研究開発のため、英国先端推進システム技術センター(APC)を通じて政府から900万ポンド(約16億5000万円)の資金調達を受けたことを明らかにした。

 今回の助成金は、アストンマーティンが主導する共同研究開発プロジェクト「プロジェクト・エレベーション(Project ELEVATION)」に向けたもので、プロジェクトには「マニュファクチャリング・テクノロジー・センター」「エキスパート・ツーリング&オートメーション」「クリエイティブ・コンポジット」「ファジー・ロジック・スタジオ」「ウォーリック大学WMG」が参画。

 プロジェクトでは、スーパースポーツからSUVまで対応する、モジュール式BEVプラットフォームに組み込む軽量800Vトラクション・バッテリ・パックとツイン・フロント電気駆動ユニット(EDU)の開発に伴う技術的課題に取り組むとしている。

 APC最高責任者のイアン・コンスタンス氏は「第23回の共同研究コンペティションは、APC設立10周年と重なっています。APCの設立以降、自動車プロジェクトに14億ポンドを超える投資が行なわれており、私たちが英国に及ぼしてきた影響を誇らしく思います。今回の発表には、英国の自動車の強みを体現するさまざまなOEMとサプライヤーが関係しています。彼らは、私たちの革新的なプロジェクトのポートフォリオをさらに補強し、英国におけるネットゼロの目標を達成するための原動力となってくれることでしょう」とコメントしている。

 一方、アストンマーティンでは、今後5年間で最先端テクノロジーに20億ポンド(約3670億円)を投じ、内燃エンジン(ICE)からBEVテクノロジーへと段階的に移行させる。2024年には、初のPHEV(プラグイン・ハイブリッド)となるミッドエンジン搭載スーパーカー「Valhalla」を発売予定。そして、2025年の発売を目指して、ICE(内燃エンジン)に代わる初の全電気自動車の開発を進めている。2026年までに、アストンマーティンのモデルラインすべてに電動パワートレーンのオプションが用意するとともに、長期的な目標として、2030年までに中核レンジの完全電動化を目指すとしている。

 アストンマーティン・グループ最高技術責任者(CTO)のロベルト・フェデリ氏は「アストンマーティンの電動化戦略とイノベーションを目指す私たちの絶え間ない取り組みは、APCからの資金提供を受けてさらに大きく前進します。ビスポークのBEVプラットフォームの可能性を追求するためのリソースを投入することで、ウルトラ・ラグジュアリー高性能セグメントにおいて、自社開発BEVテクノロジーのリーダーになるという目標の達成に近づくことになります。提携パートナーと共にプロジェクトに取組むことを楽しみにしています。そしてAPCのすばらしいサポートに感謝します」とコメントしている。