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アストンマーティン、新サステナビリティ戦略「Racing.Green.」 初のバッテリEVは2025年発売を目指す

2022年4月22日(現地時間)発表

新サステナビリティ戦略「Racing.Green.」

 英アストンマーティンは4月22日(現地時間)、新サステナビリティ戦略「Racing.Green.」を発表した。

 アースデイ(地球環境について考える日)に発表された「Racing.Green.」は、アストンマーティンのサステナビリティに対する確立されたアプローチを反映しながら、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)に従い、気候変動への取り組みに焦点を当てることにより、ビジネスのあらゆる側面に大胆な新しい目標を設定し、よりよい環境を作り、より強く、より多様で、より包括的な企業を構築するための基本原則を策定するもの。気候変動に積極的に取り組む野心的な企業の一員として、科学的根拠に基づいたCO2排出量の削減目標を設定できるようにする世界的な組織「Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)」のメンバーに加わったという。

 アストンマーティンは、「Racing.Green.」で発表されたコミットメントの範囲内で2030年までに製造施設をネットゼロにして、2020年を基準としてサプライチェーンの排出量を30%削減することを目標としている。さらに、2039年までにサプライチェーン全体をネットゼロにするという野心的な目標も掲げられた。

 この新しい目標は、これまでにアストンマーティンが取り組んできたサステナビリティ目標を基盤にしており、2020年~2021年までの間に英国の事業活動に起因するCO2排出量を44%削減し、2019年以降は英国のすべての製造施設で再生可能エネルギーを100%使用している。今後の主要なプロジェクトの例としては、ウェールズのセント・アサン工場に1万4000枚以上のソーラーパネルを設置し、工場の年間エネルギー需要の20%を供給できるようにすることなどが挙げられている。また、すべての廃棄物は(埋立地に廃棄するのではなく)すでに転用されており、今後3年以内にプラスチック製梱包材の廃棄物をゼロにすること、また水の使用量を15%削減し、持続可能な素材を最大限に活用してすべての拠点で生物多様性を促進することを目標としている。

「Racing.Green.」のロードマップ

 なお、電動化に対するロードマップも明らかにしており、まずは2024年初頭に同社初のプラグインハイブリッド車となるミッドエンジン・スーパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」の納車を開始する。また、初のBEV(バッテリ電気自動車)は2025年の発売を目指しており、2026年までにすべての新しい製品ラインアップにハイブリッド仕様が追加される予定であることをアナウンス。さらに主力のGTスポーツカーとSUVポートフォリオ全体を、2030年までに完全に電動化することを計画しているという。

ヴァルハラの納車を2024年初頭に開始

 今回の発表について、アストンマーティン・ラゴンダ最高経営責任者(CEO)のトビアス・ムアース氏は「アストンマーティンは、持続可能な未来に向かって加速しています。私たちはビジネスを変革しており、世界をリードする持続可能なウルトラ・ラグジュアリー・ビジネスを構築するため、今こそ、より大きな差別化を生み出すために挑戦する時であると確信しています。私たちは、持続可能性に対する野心的な取り組みにおいて、電動化へと移行しながら、ただ単にゼロエミッションのクルマを製造するだけでなく、社会を代表するチームとともに、環境への影響を抑制する責任ある製品を誇りを持って生産し、私たちが事業を行なう地域社会に積極的に貢献することによって、ビジネス全体で持続可能性の原則を推進する必要があると考えています。革新的なエンジニアリングと設計技術に対する情熱をこの分野に適用することで、0-100km/hに到達する時間だけでなく、ネットゼロに到達するまでの時間も短縮できると確信しています」と述べている。