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アストンマーティン史上最強、「ヴァルハラ」搭載の新型エンジンを公開

ハイブリッドシステムにより同社でもっとも強力なパワーユニットに

2020年3月24日(現地時間) 公開

エンジンベンチ上でテストが行なわれる新型エンジン「TM01」

 アストンマーティンは3月24日(現地時間)、2022年発売予定の「Valhalla(ヴァルハラ)」より搭載される新型エンジンを公開。併せてエンジンベンチ上で始動する動画を公開した。エンジンは3.0リッターのV型6気筒ターボで、実に1968年以来となる完全社内設計のエンジンになる。

 このエンジンに与えられたコードネーム「TM01」は、1950年~1960年代に活躍したアストンマーティンのエンジニアTadek Marek氏に由来するもの。現在はすでにエンジンベンチ上でさまざまなテストの最中だという。

 Vバンクの間にターボチャージャーをレイアウトするホットV構造とし、その重量は200kg未満。さらにドライサンプ方式を採用することで、低重心を実現するとともに、高速コーナリング中においても安定した潤滑性能を実現する。

Vバンクの間にタービンをレイアウトしたホットV構造。また、ドライサンプ方式によりエンジン高が低く抑えられ、低重心化を実現
完全内製設計という新型エンジン。燃焼室も切削され高い精度であることが見受けられる

 このエンジンは当初よりハイブリッドシステムと組み合わせることを想定して設計。現在並行してハイブリッドシステムの開発を進めており、ヴァルハラに搭載されて発売されるタイミングでは、同社で最も強力なパワーユニットになるとしている。ただしそれぞれのパワーやトルクは現時点で非公開で、搭載される車両の特性に合わせて決定され、発表されるとしている。また、将来的に導入される予定の排出ガス規制「ユーロ7」にも適合するという。

さまざまなセンサーが取り付けられ、エンジンベンチでのテストが行なわれる

 パワートレーンのチーフエンジニアであるJoerg Ross氏は「このプロジェクトは最初から大きな挑戦でした。 チームをまとめて、アストンマーティンの将来の力となるものを提供することは名誉でした。 これまででは実現が難しかった方法で探求し、革新する自由が与えられました。 最も重要なことは、TM01という名にふさわしいものを作り上げ、前任者であり先駆的なエンジニアであるTadek Marek氏を感動させるようなものにしたかったということです」と述べている。

 また、アストンマーティンの社長兼グループCEOであるアンディ・パーマー氏は、このエンジンについて「独自のパワートレーンへの投資は難しいオーダーですが、私たちのチームはそれに挑みました。 今後、このパワーユニットは欠かせない存在になりますし、その期待に応えるだけのすばらしい兆しが見えています」と述べている。

初めて始動する新型エンジン(34秒)