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アストンマーティン、V6ターボエンジン搭載のハイブリッドモデル「Valhalla(ヴァルハラ)」公開

目標出力は1000bhp。2020年公開の映画「007」にも登場

2019年7月22日 開催

新型ミッドエンジン・ハイパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」を報道陣に公開

 アストンマーティン・ジャパンは7月22日、東京 青山のグローバル・ブランドセンター「The House of Aston Martin Aoyama」(アストンマーティン青山ハウス)において、新型ミッドエンジン・ハイパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」を報道陣に公開した。ヴァルハラは全世界で500台限定生産となり、2021年後半に納車を開始するスケジュールがアナウンスされている。

 アストンマーティンのミッドエンジン・ハイパーカーと言えば、2020/2021年シーズンのWEC(FIA世界耐久選手権)にワークス参戦する「Valkyrie(ヴァルキリー)」を想起するが、ヴァルキリーが「公道走行可能なウルトラカー」、ヴァルキリー AMR PROが「サーキット専用」なのに対し、ヴァルハラは「公道走行可能なハイパーカー」という位置付けになる。

 北欧神話で「戦士の楽園」を意味するネーミングが与えられたヴァルハラは、カーボンファイバー・ボディといった軽量構造と最先端のエアロダイナミクス技術が採用されるとともに、パワートレーンにはV型6気筒ガソリンターボエンジンとバッテリー駆動式のハイブリッドシステムを搭載。エンジンの目標出力は1000bhpとしており、トランスミッションはF1からフィードバックされた8速デュアルクラッチ・トランスミッションを採用。

 また、パワーユニットでの取り組みとして、アストンマーティンのサーキット専用スーパーカー「Vulcan(ヴァルカン)」で初採用された「Nexcel(ネクセル)シーリング・オイル・システム」を装着した。これはカートリッジによるオイル交換を可能にしたもので、この技術を考案したBPカストロールによると20分程度かかっていた従来のオイル交換が約90秒で可能になるとのこと。ヴァルカンがサーキット専用モデルのため、ヴァルハラが同システムを搭載した公道走行可能な世界初のモデルになるという。

ヴァルハラはV型6気筒ガソリンターボエンジンとバッテリー駆動式のハイブリッドシステムを搭載。エンジンの目標出力は1000bhpで、8速デュアルクラッチ・トランスミッションを組み合わせる
利便性と快適性を向上させるべく、ヴァルハラでは前方へ開くLMP1スタイルのドアを備える

 一方、空力性能についてはヴァルハラでは次世代航空機のモーフィング・テクノロジー(翼全体を滑らかに変形させながら飛行する技術)を応用。「FlexFoil」と呼ばれるこの技術は、性能および音響飛行試験を通じてNASA(アメリカ航空宇宙局)によって検証されたそうで、自動車業界で航空宇宙技術を採用したのはアストンマーティンが初とのこと。

 車両上部の全体的な形状はヴァルキリーと似ているものの、ヴァルハラでは新しいヘッドライトとテールランプの形状を採用することで独自のスタイルを生み出した。このライトまわりのデザインは独自のものになるが、内部は軽量なヴァルキリーの構造を流用しており、ヘッドライトとテールランプを合計した重量は「DB11」のヘッドライト1つ分よりも軽量だという。

 そのヴァルキリーとヴァルハラの違いについては「コクピットの大きさ」を挙げている。ヴァルハラでは利便性と快適性を向上させるデザインコンセプトを採用しており、前方へ開くLMP1スタイルのドアを備えることが特徴の1つになっている。

インテリアでは視覚的な複雑さを排除して、運転に集中できる空間を創出。インフォテイメントシステムは最高の効率、機能性、シンプルさと柔軟性を実現するためスマートフォンを使うという
ヴァルハラのシート。座面はフロアと一体化しているようにも見えるもので、かなり薄いものとなっている
アストンマーティン・ジャパン マネージング ディレクター 寺嶋正一氏

 発表会の冒頭にあいさつを行なったアストンマーティン・ジャパン マネージング ディレクターの寺嶋正一氏は、「ついにヴァルハラが日本上陸いたしました。このモデルはレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズとエイドリアン・ニューウェイ(レッドブル・レーシングのチーフ・テクニカル・オフィサー)とのコラボレーションによって開発が進められています。ヴァルハラという名前ですが、これは北欧神話における“戦士の楽園”という意味です。究極のハイパフォーマンスロードカーを目指して開発されたヴァルキリーに次ぐ、2番目のハイパーカーとして開発されました」。

「軽量構造と最先端のエアロダイナミクス技術が導入されているヴァルハラは、高効率・高出力のV6ガソリンターボチャージャーエンジンとバッテリー駆動式のハイブリッドシステムを組み合わせています。カーボンファイバーボディをまとったクーペボディは500台限定生産となっています。ヴァルハラはヴァルキリーよりも公道走行に適した設計になっており、ヴァルハラとヴァルキリーの最大の違いはコクピットの大きさになります。その理由は利便性と快適性を向上させるというもので、そのためヴァルハラでは前方に開くLMP1スタイルのドアを備えています。ルーフセクションもドアと一緒に移動するため、乗り降りが容易になっています」。

「2020年に公開予定の25作目の映画『007』にDB5、V8 ヴァンテージとともにヴァルハラが正式に起用されることが発表されています。どのような形でヴァルハラが映画に登場するかはまだ明らかになっていませんが、楽しみにしていただければ」とコメントしている。

ヴァルハラはアストンマーティン第3のミッドエンジン・ハイパーカー
ヴァルハラは500台のみの生産になる
ヴァルハラとヴァルキリーの最大の違いはコクピットの大きさ
ヴァルハラのパワートレーンについて
ヴァルハラでは次世代航空機のモーフィング・テクノロジーを応用
ヘッドライトとテールランプを合計した重量は「DB11」のヘッドライト1つ分よりも軽量
インテリアについて
アストンマーティンのミッドエンジン・ハイパーカーのラインアップ