ジュネーブショー 2017
【ジュネーブショー 2017】英アストンマーティン、新ブランド「AMR(アストンマーティン・レーシング)」仕様のラピード&ヴァンテージ公開
「ラピード AMR」は210台、「ヴァンテージ AMR Pro」は7台限定で生産予定
2017年3月9日 13:57
- 2017年3月7日(現地時間)発表
英アストンマーティンは、ジュネーブショーにおいて新ブランド「AMR(アストンマーティン・レーシング)」仕様の「ラピード」および「ヴァンテージ」を公開した。
同社は2004年にAMRを結成。以来、WEC(FIA世界耐久選手権)を中心に活動しており、2016年にWEC GTドライバーズ選手権のタイトルを獲得するとともに、同年のル・マン24時間レースでも3クラスで優勝を飾るなど、レースシーンでの存在感を高めている。今回のジュネーブショーでは、そうしたレース活動とプロダクションモデルをつなぐ存在となる「ラピード AMR」「ヴァンテージ AMR Pro」という2台のコンセプトモデルを出展。
ラピード AMRは今回発表されたAMRブランドの第1弾にあたるモデルで、動力性能、シャシー、スタイリングに改良を行なうとともに、インテリアにも特別な仕様を施した。また、ヴァンテージ AMR Proは、WECのチャンピオンカーとなる「V8 ヴァンテージ GTE」に大きな影響を受けたブランドの頂点に位置付けられるモデルで、「レースカーのテクノロジーをロードカーに移植する、AMRの“サーキットからターマックへ”の哲学を妥協なく具現したクルマ」と紹介されている。
AMRモデルは、今後登場する主要なモデルにも展開していくとしており、「AMR」の車両はアストンマーティン本社のエンジニアリングチームが、「AMR Pro」の車両は同社のオーダーメイドサービス「Q by Aston Martin」のアドバンスド・オペレーション部門が製作を担うとのこと。いずれのモデルも市販を行なうものの、ラピード AMRは限定210台、ヴァンテージ AMR Proは限定7台になる予定。これに合わせ、AMRの欧州の開発拠点およびブランドセンターが、ニュルブルクリンク北コースのすぐ近くにあるアストンマーティン・ニュルブルクリンク試験場に置かれたことも発表されている。
ラピード AMR
600PSを発生する自然吸気のV型12気筒6.0リッターエンジンに新しい4本出しのエキゾーストシステムが付加されたラピード AMRは、最高速約336km/hを誇る4ドアスポーツカー。ボディカラーにはアストンマーティンのブランドカラーであるスターリング・グリーンを採用し、アクセントカラーとして明るいライムグリーンを使用。
また、新開発の21インチアロイホイールや専用デザインのフロントスプリッター、サイドシル、リアデッキリッドのエアロフラップなどを装備するとともに、ブランドを象徴するラジエターグリルのデザインも改められた。
インテリアでは、ダークナイト・アルカンターラのカバーにライムグリーンのアクセントを配したカーボンファイバー製軽量フロントシート、カーボンファイバーを使用したウォーターフォール、センターコンソール、ドアケーシングなどがポイントになる。
ヴァンテージ AMR Pro
“究極のヴァンテージ”をうたうヴァンテージ AMR Proは、507PSを発生するGT4レースエンジンを搭載するとともに、レース仕様のアジャスタブル・サスペンションや競技用に開発されたエンジン/トランスミッション・マウント、ミシュラン「Pilot Cup 2」などを採用する。
エクステリアでは、ラピード AMRと同様にスターリング・グリーンのペイントにライムグリーンのアクセントを配したカラーリングを採用し、ボンネットとリアフェンダーはWECチャンピオンマシンと同じものが使われているという。フロントバンパー、フロントエアダムおよびスプリッター、フロントフェンダー、サイドシルなどは新開発のもので、さらにリアディフューザーのデザインにも改良が施された。
インテリアの表装については、ラピード AMRと同じくダークナイト・アルカンターラのカバーにライムグリーンのアクセントを配したものとなるが、Q by Aston Martinによる専用開発のロールケージも装着する。