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英アストンマーティン、新型スポーツGT「DB11」を世界初公開
自社設計の新V12 5.2リッターツインターボエンジンにより「DB史上最速かつ最強」を標榜
(2016/3/1 22:32)
- 2016年3月1日(現地時間)発表
英アストンマーティンは3月1日(現地時間)、「第86回ジュネーブモーターショー2016」(プレスデー:3月1日~2日、一般公開日:3月3日~13日)で新型スポーツGT「DB11」を世界初公開した。同モデルの価格は英国で15万4900ポンド、ドイツで20万4900ユーロ、米国で21万1995ドル。納車開始は2016年の第4四半期としている。
DB11は、「DB2/4」「DB5」、最近ではジェームズ・ボンドのために特別に開発された「DB10」と続いてきた伝統の系譜を受け継ぐ最新のランドマーク・モデル。DB11は、歴代DBシリーズのフォルムと機能を継承しながら、フロントヒンジのクラムシェル・ボンネット、LEDヘッドライト、アストンマーティンならではのグリルとそのアクセントラインなど、アイコン的デザインを大胆に進化させた。
新開発のV型12気筒5.2リッターツインターボエンジンは、アストンマーティンの方程式に則ってフロントにマウントされ、後輪を駆動。パワーユニットはアストンマーティンが自社設計したもので、最高出力447kW(608PS)/6500rpm、最大トルク700Nm/1500-5000rpmを発生。0-100km/h加速は3.9秒、最高速は322km/hに達し、このスペックをもって「DB史上最速かつ最強」と謳っている。その一方で、今回新たにアイドリングストップ機能も搭載され、燃費性能の改善も図られている。トランスミッションはパドルシフト付きのZF製8速トルクコンバーター・オートマチック・ギヤボックスを組み合わせる。ヴァンキッシュやラピード Sと同様にトランスアクスルには機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルが装備され、アストンマーティン初となるアクティブ・トルク・ベクタリング機構が統合されている。
この新V12ツインターボのポテンシャルを引き出すため、シャーシ、サスペンション、ステアリング、エレクトロニクスの見直しを図るとともに、ドライバーが任意に設定できるダイナミック・モード(GT、スポーツ、スポーツ・プラス)を新たなテクノロジーとして採用。これはエンジン、トランスミッション、新しい電動パワーステアリング、制動によって作動するトルク・ベクタリングのレスポンスを変更するとともに、より優れた俊敏性を実現するためアダプティブ・ダンピング・システムの減衰力を調整することが可能。このダイナミック・モードにより、「非常に快適な乗り心地を実現するGTカーから、卓越した運動性能と俊敏性を発揮する真のスポーツカーまで、幅広いドライビング・エクスペリエンスを提供する」としている。
インテリアでは、テクニカルパートナーであるダイムラーと共同開発した最先端のテクノロジーと、熟練工がハンドメイドで製作した装備を巧みに融合。主要な車両情報を表示する、フルカラー12インチTFT液晶ディスプレイを採用した新しいインストルメント・クラスター、センターマウントされたインフォテインメント専用ディスプレイ(8インチTFT)、直感的に操作できるロータリースイッチなどを採用し、操作性のすべてが向上したという。
そのほか、大きなドア開口部と大幅に拡大されたキャビンスペース(特にリア・ヘッドルームとレッグルーム)、2座のチャイルドシートが固定できるリアISOFIXアンカー、2個の大型ボストンバッグに加え手荷物用バッグを収納できるラゲッジ・コンパートメントを備えており、同社ではDB11を「純粋なグランドツアラー」と位置づけている。
このDB11について、英アストンマーティンのアンディ・パーマーCEO(最高経営責任者)は「DB11は、アストンマーティンが最近発表したクルマの中でもっとも重要なモデルというだけでなく、103年に及ぶ歴史の中でも非常に重要なモデルです。DB11は、アストンマーティンがラグジュアリー・カー・マーケットのトップ・ブランドの座に返り咲くための役割を担っています」とコメントしている。