ニュース

英アストンマーティン、アンディ・パーマーCEOが来日

「個人的にも日本には力を入れていきたい」と日本市場への意気込みを語る

2015年2月26日開催

来日した英アストンマーティン、アンディ・パーマーCEO

 英アストンマーティンのアンディ・パーマーCEO(最高経営責任者)が2月26日、都内で会見し、1月5日に設立された日本法人「アストンマーティン・ジャパン・リミテッド」の紹介とともに、日本市場への展望などをコメントした。

 アンディ・パーマー氏は、元日産自動車の副社長であったが、2014年10月に英アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)に就任している。

 パーマー氏は「私が日本で過ごした13年間はとても幸せでした。アストンマーティンに入った後すぐにここに戻ってこられたことをうれしく思っています」と挨拶、「アジアパシフィック地域において、日本はアストンマーティンにとって重要度を増している地域です」と、日本市場への意気込みを示した。

 会見では、ジュネーブモーターショーで公開予定の「ヴァンテージ GT3 スペシャルエディション」と「ヴァルカン」を紹介、世界限定100台となる「ヴァンテージ GT3 スペシャルエディション」に関しては、既に完売になったことを明かし、世界限定24台のサーキット専用車「ヴァルカン」については、2015年第4四半期に納車開始することを示した。

アストンマーティン V12 ヴァンテージ S とアンディ・パーマCEO
V型12気筒エンジンを搭載する ヴァンテージ S

 会見後、記者団からの質問に答えたパーマー氏は、アストンマーティンと日産の違いについて聞かれると、「日産ではCEOになることは叶わなかったが、CEOになるという夢をアストンマーティンでは叶えることができた。今、血が騒ぐ思いで仕事をしていますが、自分の育った街のわずか5マイルのところにある会社のCEOになれたのは非常に感無量な思い」と感想を語った。

 また、アストンマーティンに関しては「大きなグループに所有されている会社ではないので、これまで培ったスキルを存分に発揮し、自由を生かして発展させていきたい」と述べるとともに、「約2000人の人が働いているが、皆さん情熱を持って、スピーディーに一致団結して頑張っている」と紹介。

 これからの取り組みについて聞かれると、パーマー氏は「最初にやることは、スポーツカーのラインアップを刷新すること。これからの100年をよりよくするために投資を使っていく」とし、パワートレーンの展望については「全部で3つプランがある。V12エンジンは引き続き自社製を使っていく、V8に関してはAMGとエンジンの開発を行っている。3つ目は次世代のパワートレーンとなるが、今後のエミッション(を巡る動向)を見据えてどのようにしていくか、今考えているところ」との考えを示した。

会場に展示されたアストンマーティン ヴァンキッシュ
V型12気筒エンジンを搭載する ヴァンキッシュ

 さらに、今後の100年に向けて重要なことを聞かれ、「過去のブランドヘリテージを大切にしつつ、今後はグローバルな顧客に向けて製品をプロモーションしていく。アストンマーティンは過去7万台を生産してきたが、半数は海外に輸出している。ブラジルをはじめとするBRICsには2000台を販売してきたが、今後はアジア、中東、女性の顧客を増やしていきたい」との考えを示した。

 その中で、日本市場に関しては「日本は、世界で2番目のラグジュアリーカーが売れる市場なので、それに似合う台数を売っていきたい。福岡は私のワイフの出身の場所でもあり、個人的にも日本には力を入れていきたい。クルマを日本にマッチさせる部分、ETCやナビゲーション、ライセンスホルダなど、日本市場にマッチしたクルマを作っていきたい」と、特別な思いを明かした。

(椿山和雄)