アストンマーティン、メルセデスAMG製V8ツインターボエンジン搭載の「DB11」を本国と同時に日本初公開

本国発表と同時に日本公開されたメルセデスAMG製のV8エンジンを搭載する「DB11」

　アストンマーティン・ジャパン・リミテッドは6月28日、メルセデスAMG製のV8エンジンを搭載する「DB11」を都内で日本初公開した。同モデルは英国で6月29日～7月2日（現地時間）の期間に行なわれる「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2017」の開催に先立ち本国で発表されたばかりのモデルで、日本でもプロトタイプが同時公開された。

　DB11のV8エンジン搭載モデルは6月29日から日本でも受注を開始。価格は従来のV12エンジンモデルの2428万4900円（税別）に対し、2193万8900円（税別）とアナウンスされている。納車時期は2017年末からスタートするとのこと。

　2016年8月に日本で初公開されたDB11は、これまで最高出力447kW（608PS）/6500rpm、最大トルク700Nm/1500-5000rpmを発生する自社開発のV型12気筒5.2リッターツインターボエンジン搭載モデルのみのラインアップだったが、今回新たにテクニカルパートナーであるメルセデスAMGから供給されたV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボエンジン搭載モデルを追加した。

V8エンジン搭載モデルのアンベール

V型8気筒4.0リッター直噴ツインターボエンジンは最高出力375kW（510PS）/6000rpm、最大トルク675Nm/2000-5000rpmを発生。「メルセデスAMG GT S」に近いスペック（最高出力375kW［510PS］/6250rpm、最大トルク650Nm/1750-4750rpm）が与えられている

　このV8エンジンは「メルセデスAMG GT」などに搭載されるものと同じで、ボア×ストローク（83.0×92.0mm）や圧縮比（10.5）は共通。ただしECUのセッティングが独自のものになるとともに、エアインテークやエキゾーストシステムなどがDB11専用品になることから、最高出力は375kW（510PS）/6000rpm、最大トルクは675Nm/2000-5000rpmを発生。トランスミッションはV12エンジン搭載モデルと同じくZF製の8速ATが組み合わせられる。また、V8エンジンはV12エンジンに比べ軽量でコンパクトに仕上がっていることから、115kgの軽量化にも貢献しているという。

　なお、V8エンジン搭載モデルではサスペンションブッシュ、アンチロールバー、スプリング、ダンパーなどに改良が加えられているほか、装備面では専用の20インチアロイホイール、ダーク・ヘッドランプ・ベゼル、2つのボンネット・ベント（V12エンジン搭載モデルでは4つ）が専用アイテムになっている。

V8エンジン搭載モデルのボディサイズは4750×1950×1290mm（全長×全幅×全高、全幅はドアミラーをのぞく）、ホイールベースは2805mm。車両重量は1760kg。前後重量配分はV12エンジン搭載モデルでは51：49だったところ、V8エンジン搭載モデル49：51としている

エクステリアではダーク・ヘッドランプ・ベゼル、2つのボンネット・ベント、20インチアロイホイール（タイヤはブリヂストン「S007」。フロント255/40 ZR20、リア295/35 ZR20）がV8エンジン搭載モデルの専用アイテム

インテリアはメーターなどを含め、V12エンジン搭載モデルとの差異はないとのこと

　V8エンジン搭載モデルの発表会には、アストンマーティン・ジャパン・リミテッドのマネージングディレクターである寺嶋正一氏とともに、アジアパシフィックのマーケティング＆PRマネージャーを務めるダン・レッドパス氏が挨拶を行なった。

アストンマーティン・ジャパン・リミテッドのマネージングディレクター 寺嶋正一氏

英アストンマーティン アジアパシフィック マーケティング＆PRマネージャーのダン・レッドパス氏

　レッドパス氏は、4月1日よりラグジュアリーカーの販売を行なうSKY GROUPが東京エリアで唯一のアストンマーティン正規販売代理店になったことに触れ、「私たちが日本に対する投資を引き上げる活動の一環として、4月1日付けでSKY GROUPを東京の正規ディーラーに任命しました。SKY GROUPは東京、神奈川、新潟でビジネスを展開する日本有数の企業で、彼らがアストンマーティンファミリーに加わったことを嬉しく思っています。これを受けて、私たちは麻布にアストンマーティン東京の仮ショールームを開設しました。さらに青山にはランドマークとなる新しいショールームを第4四半期にローンチする予定です。アストンマーティン東京の本拠地となる青山のショールームは、今年後半にオープンする予定で、さらにこの場所には私たちのブランドセンターも併設される予定です。これはイギリス以外では初めて開設されるグローバルブランドセンターであり、日本におけるアストンマーティンブランドの大きな進化を示すものです」と報告。

　そしてV8エンジン搭載モデルについては、「2016年に発表されたDB11は世界中で高い評価をいただいています。今回アストンマーティンの主力モデルにV8エンジン搭載モデルが追加されました。新しいパワーユニットはDB11のスポーティなキャラクターを強調する一方で、卓越したパフォーマンスと優れた効率を組み合わせることで、グローバルモデルとしての魅力をさらに高めています」と述べるとともに、「V8エンジンは最高出力510PS、最大トルク675Nmという圧倒的なパワーを発生し、0-100km/h加速は4.0秒、最高速は300km/hに達します。その一方でエンジン効率に優れ、CO2排出量は230g/km、EU複合サイクルにおける燃料消費量は約12.1km/Lです」と、V8エンジンの特徴について紹介。

　また、同エンジンがメルセデスAMGから供給されたことについて触れ、「今回メルセデスAMGから供給されたエンジンを搭載した最初のモデルを発表できたことを大変光栄に思います。我々には優れたパワーユニットをアストンマーティンが求めるニーズと要望を満たすように改良を加える自由が与えられました。これはメルセデスAMGとの良好なパートナーシップによって実現したものです」とコメントしている。