2016ジュネーブショー

英アストンマーティン、自社製V12エンジンを搭載した新型「DB11」を世界初公開

新開発のV型12気筒5.2リッターツインターボは608PS/700Nmを発生

2016年3月1日~13日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

新型スポーツGT「DB11」のカンファレンスに出席した英アストンマーティンのアンディ・パーマーCEO(最高経営責任者)

 英アストンマーティンは、ジュネーブショーで新型スポーツGT「DB11」を初公開した。

 2015年に公開された映画「007スペクター」では、“ボンドカー”として使われたスペシャルモデル「DB10」を披露したが、今回のDB11はラインアップモデルとなる。

 パワートレーンは自社で新開発されたV型12気筒5.2リッターツインターボエンジンで、最高出力は447kW(608PS)/6500rpm、最大トルクは700Nm/1500-5000rpm。トランスミッションはZF製の8速ATが組み合わされる。アストンマーティンによると、最高速は322km/h、0-100km/h加速は3.9秒の動力性能を誇り、DB史上最強のスペックになっているという。

ワールドプレミアされた新型DB11のボディサイズは4739×1940×1279mm(全長×全幅×全高、全幅はドアミラーをのぞく)で、軽量かつ高剛性の新アルミ構造を採用し、車両重量は1770kg。英国での販売価格は15万4900ポンド
ブリヂストンのDB11向けに開発された「S007」(タイヤサイズ:フロント255/45 ZR20、リア295/35 ZR20)は、専用のトレッドパターン、構造、コンパウンドを採用。ブレーキシステムはフロント6ピストンキャリパー、リア4ピストンキャリパー
別カラーのモデルも展示されていた
マルチインフォメーションディスプレイはメルセデス・ベンツと同様のシステムを採用。テクニカルパートナーであるダイムラーと初めて電装技術を共同開発したという

 歴代からの継承されるグリル、クラムシェル型ボンネットや、伝統のサイド・ストレーキ、ロングノーズ、ショートデッキにより一見してDBシリーズだと分かるデザインに仕上げつつ、新デザインのLEDヘッドライトやスパルタンでシンプルなリアまわりでよりシャープネスさを出している。左右のCピラーにはエアインテークを配置し、取り入れたエアをリアデッキから高速で排出することにより、ダウンフォースを確保している。

 サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。さらに減衰力を調整できるビルシュタイン製アダプティブ・ダンピング・システムを装備することで、快適な乗り心地と高い運動性能を発揮する。

 インテリアでは、フルカラー12インチTFT液晶ディスプレイを採用した新しいインストルメント・クラスターや8インチのインフォテインメント専用のセンターマウントされたTFTディスプレイを装備。直感的に操作できるロータリースイッチのほか、オプションでタッチパッド(ジェスチャーサポート機能など)を選べる。さらにダイムラーのオートパーク・アシストと360度バーズアイ・ビュー機構を新採用したことで、低速時における取り回しの安全性を高めている。

 新たなスペシャリティカーを定義するDB11は、2016年の第4四半期から販売が開始される。

ボディには新設計のアルミ構造を採用し、車両重量は1770kgに抑えられた
左右のCピラーの奥にエアインテークを配置。サイドから取り入れたエアをリアデッキから高速で排出することにより、ダウンフォースを確保
自社製のV型12気筒エンジンは最高出力447kW(608PS)/6500rpm、最大トルク700Nm/1500-5000rpmを発生。アイドリングストップ機能を備えるほか、エンジン負荷が低い時に片側のバンクを休止させて燃料消費を抑える「インテリジェント・バンク・アクティベーション」機能などを搭載

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。