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英アストンマーティン、2018年のWEC参戦車両「ヴァンテージ GTE」

「来年の初戦ではモータースポーツの歴史に新たなページを書き加えたい」とAMR社長のデイビッド・キング氏

2017年11月21日(現地時間)発表

ヴァンテージ GTE

 英アストンマーティンは11月21日(現地時間)、2018年のWEC(FIA世界耐久選手権)参戦車両「ヴァンテージ GTE」を公開した。

 ベースとなる「ヴァンテージ」のフルモデルチェンジとともに、新しいレースモデルとなるヴァンテージ GTEを発表。車両開発はアストンマーティン・レーシング(AMR)が担い、2017年のル・マン24時間レースでGTE Proクラスの優勝ドライバーになったダレン・ターナー選手とジョニー・アダム選手、2016年シーズンのWEC GTE Proクラス・ワールドチャンピオンであるニッキ・ティーム選手とマルコ・ソレンセン選手、さらに現在はフォーミュラEで活躍するアレックス・リン選手らが開発ドライバーを務めているという。

 現時点では開発段階にあるものの、スペイン・ナヴァーラのサーキットでの30時間連続走行などこれまでに1万3000kmの走行テストを行なったことが報告されている。

同日発表された新型ヴァンテージとヴァンテージ GTE

 パワートレーンにはメルセデスAMG製のボルグワーナー製専用ターボチャージャー付き4.0リッターV8エンジンにXトラック製の6速シーケーシャルトランスミッションを組み合わせるほか、アクラポビッチ製インコネル合金エキゾースト・システム、アルコム製レース用多板クラッチ、カーボンファイバー製プロペラシャフトなどを搭載。最高出力は400kW以上、最大トルクは700Nm以上を発生する。

 また、今回の開発においては新しいテクニカルパートナーと協力関係を結んだといい、ブレーキシステムはアルコンが、サスペンションはオーリンズが、専用タイヤの開発はミシュランが、ルブリカント(潤滑油)パートナーはTOTALが担当。

 合わせてチームスポンサーについても発表され、長期公式アパレル・パートナーとして紳士服メーカーのハケット・ロンドンが、公式ホテル・パートナーとしてホテルブランドのウォルドーフアストリアが、公式オーディオ・パートナーとしてBeatsが担うとともに、免疫システムを改善する天然パパイヤ食品のサプリメントを販売するImmun'Age(イミュナージュ)も引き続きパートナーを継続する。

ヴァンテージ GTEのパワートレーンは、メルセデスAMG製のボルグワーナー製専用ターボチャージャー付き4.0リッターV8エンジンにXトラック製の6速シーケーシャルトランスミッションの組み合わせ
ヴァンテージ GTEのインテリア

 今回の発表について、AMR社長のデイビッド・キング氏は「モータースポーツは、アストンマーティンの基本的なDNAであり、私たちは、これまで以上に力強くFIA世界耐久選手権に取り組んでいます。現在は、GTレーシングの黄金期であり、今日発表されたヴァンテージ GTEは、今後も世界でもっとも有名な耐久レース・シリーズの最前線で活躍することになるでしょう。先代モデルのV8 ヴァンテージ GTEと共に、私たちは驚異的な成功を収めてきました。これは、私にとって素晴らしい思い出となるものですが、ベルギーのスパで開催される来年の初戦では、ニューマシンで大活躍をして、モータースポーツの歴史に新たなページを書き加えたいと思っています」と述べている。