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アストンマーティン・ジャパン、7速MT仕様の「V12 ヴァンテージ S」導入

スロットルをブリッピングするドライビングテクニックを再現

2016年5月31日 発表

7速MT仕様の「V12 ヴァンテージ S」

 アストンマーティン・ジャパンは5月31日、「V12 ヴァンテージ S」の2017年モデルに7速MT仕様を追加すると発表した。7速MT仕様の納車時期は2016年の第3四半期を予定。従来の7速セミAT「7速スポーツシフトIII」仕様も引き続き販売する。

 今回の7速MT仕様では、1速がHパターンの外に飛び出す形の「ドッグレッグ・パターン」を採用し、6速バージョンのHパターンの中に頻繁に使用するギヤを集約。また、ドライバーによる選択を可能とした「AMSHIFT」と呼ばれるシステムを搭載し、クラッチ、シフト・ポジション、プロペラシャフトの各センサー情報とエンジン・マネージメント・プログラムが連携することでスロットルをブリッピングするドライビングテクニックを再現するという。

 この「AMSHIFT」はすべてのドライビング・モードで使用可能になっているが、中でもシャープなスロットルレスポンスとエキサイティングなエグゾーストノートを実現する「スポーツ・モード」で真価を発揮するとし、特にシフトダウン時のブリッピングでは豪快なサウンドを轟かせるとしている。

シフトには1速がHパターンの外に飛び出す形の「ドッグレッグ・パターン」を採用
スロットルをブリッピングするドライビングテクニックを再現する「AMSHIFT」

 7速MT、7速スポーツシフトIIIともにトランスミッション以外はすべて共通となっており、エンジンはV型12気筒DOHC 6.0リッターで、最高出力421kW(573PS)/6750rpm、最大トルク620Nm/5750rpmを発生。両バージョンともに0-100km/hは3.9秒、最高速は330km/hとしている。

 そのほか2017年モデルでは、「スポーツプラス・パック・オプション」の内容も変更を受け、用意される5種類のボディカラーにフロントグリル・リップスティック、サイドシル、ミラーハウジング、リア・ディフューザー・ブレードにアクセントカラーを無償で組み合わせることが可能になった。さらに、スポーツプラス・パックのエクステリアにはグラファイト仕上げの10本スポーク軽量アロイホイールが装着されるとともに、ブラックまたはグレーのレザーにストライプやコントラスト・ステッチを組み合わせたインテリア表地を採用した。

V12 ヴァンテージ Sのボディサイズは4385×1865×1250mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2600mm

 なお、英アストンマーティンで製品開発担当ディレクターを務めるイアン・マイナード氏は、「アストンマーティンでは、すべての従業員が自動車エンスージアストです。他とは違う特別なクルマを造ることこそ、我々の使命です。テクノロジーは、我々を進歩へと誘いますが、同時に我々は伝統の大切さも理解しています。純粋な運転の歓びを求める方々は、マニュアル・トランスミッションならではの操作感によるクルマとの繋がりを望んでいます。そのため、我々はアストンマーティンの現行ラインナップの中で、もっとも速く、スポーツに特化したモデルに伝統の流儀を復活させることに大きな歓びを感じています。ハイパフォーマンス・セグメントからマニュアル・トランスミッションが絶滅しようとしている今、マニュアル・バージョンのV12 Vantage Sは、真に特別な1台だといえるでしょう」とコメント。

 また、アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のアンディ・パーマー氏は「マニュアル・トランスミッションという選択肢によって、V12 Vantage Sの世界観を拡大することは、運転をこよなく愛するお客様に、よりアナログでドライビングに没頭できるマシンを提供したいという弊社の意欲の表れです。この機会をお借りして、マニュアル・ギアボックスが現在でも弊社の製品計画の重要な要素であり、今後もこの方針に変わりがないことを表明したいと思います」と述べている。