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ホンダ、新型小型ビジネスジェット機の名称は「ホンダジェット・エシュロン」 2026年の初飛行を目指す

2023年10月17日 発表

HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)

 本田技研工業は10月17日、同社の航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company:以下、HACI)が米国ネバダ州ラスベガスで10月17日~19日に開催されている世界最大のビジネス航空機ショー「2023 ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション」(2023 NBAA-BACE)で新型小型ビジネスジェット機の名称「HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)」を発表したと明らかにした。

 会場では、ホンダジェット・エシュロンのモックアップモデルと現在販売している「ホンダジェット・エリートII」を展示し、HACIとして初めて2モデルの製品ラインアップを紹介。HACIはホンダジェット・エシュロンの2028年の型式証明取得に向けた計画として、2026年の初飛行を目指し、今後開発を進めていくとした。

 ホンダジェット・エシュロンの仕様は、エンジンにウィリアムズの「FJ44-4C」を搭載し、アビオニクスにはGarmin G3000を採用。航続距離(NBAA IFR Range, 1乗員+4乗客)は2625ノーティカルマイル、最大巡航速度は450ノット、最大巡航高度は4万7000フィート(いずれも目標性能)としている。

 ホンダジェット・エシュロンはあらゆる面で移動効率を高め、ライトジェット機より上位の機体カテゴリーと同等レベルの飛行体験を提供するとのこと。ホンダ独自の技術である主翼上面エンジン配置、自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体をさらに進化させたことで、乗員・乗客合わせて最大11名が搭乗可能。客室では、長距離飛行にも適した広いキャビン空間と優れた静粛性を実現し、快適で高効率な移動によるプレミアムなオーナーシップ体験を提供するとした。

 また、競合のライトジェット機(最大離陸重量が1万2500ポンド以上、2万ポンド以下の双発エンジンを搭載した機体)より20%、上位カテゴリーの中型ジェット機(最大離陸重量が2万ポンド以上、3万5000ポンド以下の双発エンジンを搭載した機体)に対しては40%以上燃費を向上(ニューヨーク-ロサンゼルス間の飛行距離で比較した場合)させることで、ライトジェット機として世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断を可能とした。

ホンダジェット・エシュロンはエンジンにウィリアムズの「FJ44-4C」を搭載し、アビオニクスにはGarmin G3000を採用。航続距離は2625ノーティカルマイル、最大巡航速度は450ノット、最大巡航高度は4万7000フィート(いずれも目標性能)という仕様

 名前の由来として「Echelon」とは「梯形編隊飛行」を意味し、航空機では高効率な空力性能を実現する飛行パターンとして、燃費や二酸化炭素排出量削減などに効果があると言われており、ホンダジェットの特長を表している。また、同時にフランス語で梯子の“段”の意味もあり、現在ではプレミアムカテゴリーを指す言葉として使われることから、ホンダジェットブランドの最上級モデルという意味を込めて命名された。

 ホンダ エアクラフト カンパニー取締役社長 山﨑英人氏は「ホンダジェット・エシュロンは、従来の小型ビジネスジェット機での移動の常識を覆し、航空業界に新たな価値を創造します。これまでに培ってきたホンダ独自の先進技術のノウハウを生かし、時間や移動距離といった制約から人を解放し、持続可能な社会の実現と人々の生活の可能性を広げる喜びを提供していきます。ホンダの夢見る『空のモビリティ』の実現に向けて一歩前進し、次なるステージへと進みます」とコメントしている。

HondaJet Echelon Promotion Movie

 なお、HACIは、ホンダジェット・エシュロンの製品化を決定し、主要サプライヤーとの契約を締結したことを2023年6月13日に発表している。ホンダジェット・エシュロンの2028年の型式証明取得に向けた計画は以下の通り。

2021年10月12日:2021 NBAA-BACEにて「HondaJet 2600 Concept」を参考展示
2023年6月13日:製品化を決定
2023年10月16日:2023 NBAA-BACEにて名称「HondaJet Echelon」を発表
2024年半ば(予定):初号機製造を開始
2026年(予定):初テスト飛行
2028年(予定):型式証明取得