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ホンダ、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」発表 2024年に中国へ導入するアコードを皮切りにグローバルで展開

2023年11月17日 発表

全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」のイメージ

 本田技研工業は11月17日、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+(ホンダ センシング サンロクマル プラス)」を発表した。同システムは2024年に中国へ導入する「アコード」から適用を開始し、その後、グローバルでの展開を予定する。

 2022年に中国で販売された「CR-V」から搭載を開始した「Honda SENSING 360」は、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを装備することで360度センシングを実現し、従来の運転では目視での確認が難しかった車両周辺の死角をカバーすることで、他の車両や歩行者との衝突回避や運転に伴うドライバーの運転負荷を軽減させることを特徴とした全方位安全運転支援システム。

 今回発表されたHonda SENSING 360+は、従来のHonda SENSING 360の機能に加え、新たにドライバーモニタリングカメラ、高精度地図を採用することでドライバーの状態確認や車両の制御機能が向上し、ドライバーの運転負荷を軽減させるものとなる。

 Honda SENSING 360+の主な特徴は以下のとおり。

ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能

 高速道路や自動車専用道を走行中に、システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を離しても(ハンズオフ)、車速や車線内の走行を維持できるよう支援し、ドライバーの運転負荷を軽減。

 高精度地図、全球測位衛星システム(GNSS)を活用し、自車の位置を特定。先行車がいない場合、ハンズオフでも設定した車速を保ちながら車線の中央を維持するように走行し、先行車がいる場合には適切な車間距離を保って追従する。カーブでは曲率を前もって読み取り、曲率に応じた加減速を行なうことで安心して運転できるように支援するという。

レコメンド型車線変更支援機能

 ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能で高速道路や自動車専用道を走行中に、自車より車速の遅い先行車を検知すると、一定の条件下でシステムが周囲の状況を判断。追い越し可能と判断した場合、ドライバーに通知したうえで、ドライバーが手元のスイッチで追い越しを承認すると、ウィンカー操作や加減速、ステアリング操作を行ない、追い越しや車線復帰を支援する。

 さらに経路誘導モードでは、ナビの経路案内にもとづき、目的地に向かうための車線変更を提案。ドライバーの承認が得られると、システムが自動的に分岐進入、退出までの一連の車線変更を行なう。

カーブ路外逸脱早期警報

 高速道路や自動車専用道でカーブを走行する際、即座に減速しないと事故のリスクがあると判断した場合に、警告や減速支援を行なうことでカーブ路外逸脱事故の発生を抑制。高い速度でカーブに進入する際、メーターに「前方カーブ注意」を表示することで早期にドライバーに認知を促す。

 カーブに近づき、減速が求められるタイミングになると、警告音とヘッドアップディスプレーでの点滅表示により、ドライバーに減速を促す警告が行なわれる。さらにカーブに近づき、即座に減速が必要な場合は、より強く警告するとともにシステムが減速を行なうことでカーブ路外逸脱事故の発生を抑制する。

降車時車両接近警報

 駐停車中、後側方に接近する車両を検知すると、フロントピラーもしくはサイドミラー上のインジケーターを点灯させ、認知を支援。さらに乗員が開けようとしたドアが通過する車両と衝突するおそれがあるとき、インジケーターを点滅させると同時に警報音で注意喚起をする。

ドライバー異常時対応システム

 走行中にドライバーの体調急変などにより、運転を継続できなくなった場合、同一車線での減速・停車を支援。ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、段階的に警告音を強めていき、ドライバーが操作要求に応じるように促す。

 それでも応じなかった場合は、ハザードランプとホーンで周囲に注意喚起をしながら、同一車線での減速・停車を支援する。さらに緊急通報サービス(HELPNET)でコールセンターへ接続し、ドライバーや同乗者、周囲の交通参加者の安全を確保する。