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レクサス、次世代バッテリEVコンセプト「LF-ZC」に着想を得たインスタレーション「8分20秒」公開

2023年12月7日 発表

マイアミ現代美術館に展示されている「LF-ZC」に着想を得たインスタレーション「8分20秒」

8分20秒は太陽から光が地球に到達するまでの時間

 レクサスは12月7日、米国フロリダ州で12月6日~10日に開催されている「マイアミ アート&デザインウィーク」に合わせて、オランダ出身のソーラーデザイナーであるマーヤン・ファン・オーベル氏によるインスタレーション「8分20秒」を、マイアミ現代美術館(ICA Miami)のSculpture Gardenで12月17日まで展示している。

 太陽から光が地球に到達するまでの時間「8分20秒」と題されたこのインスタレーションは、次世代バッテリEVコンセプト「LF-ZC(Lexus Future Zero-emission Catalyst)」を、ファン・オーベル氏のトレードマークである太陽電池を使ったインタラクティブな体験として再構築し、空間デザインスタジオRandom Studioとの共同開発によって実現した作品。透明で豊かな色彩を持つ第3世代の太陽電池である有機薄膜太陽電池(OPV)シートを用いて、「LF-ZC」を等身大サイズでグラフィックパターンのデザインで表現した。

次世代バッテリEVコンセプト「LF-ZC」
作品は透明で豊かな色彩を持つ第3世代の太陽電池である有機薄膜太陽電池(OPV)シートで作られている

 車両のEVプラットフォームを表現したインスタレーションの台座には、4つのモーションセンサーが搭載され、来場者が周囲を歩くとその動作を感知して、動きに合わせて光が水のように波打ち、不規則に流れるメロディーに沿って動くことで、クルマのドライビングダイナミクスを感覚的に表現する仕組みとなっている。また、1日の時間の流れに沿って、OPVシートは日の出のような暖かな色合いから、涼しげなトーンへと変化を見せる。

時間の流れに沿って色も変化していく

 作品は常に太陽光発電を利用していて、OPVシートからエネルギーを取り入れ、インスタレーションの台座に内蔵されたバッテリに蓄積。ゆっくりと絶え間なく吸収したエネルギーは、作品のディスプレイや機能を作動させることに活用されているという。

 また、温かみのある弦楽器や柔らかなピアノの音色、周囲の環境と調和するチャイム音など、インスタレーションからさまざまなメロディーが流れ、メロディーの合間には、時折、鳥のさえずりや竹が揺れる音などの自然な音も流れるという。竹が揺れる音はLF-ZCの内装に採用されている竹素材に着想を得ている。

作品を手掛けたソーラーデザイナーのマーヤン・ファン・オーベル氏

 作品を手掛けたマーヤン・ファン・オーベル氏は、「コンセプトモデル『LF-ZC』を作品として表現でき、とてもうれしく思っています。レクサスのイノベーション、クラフトマンシップ、新素材の使用に対する理念は、私のデザイン活動と共鳴するものです。このインスタレーションは、人々が光と色に触れ、より持続可能で前向きな未来を想像させるものです。このパートナーシップを通じて、エネルギーの生成を美しく表現できました」と述べている。

マーヤン・ファン・オーベル氏は、持続可能な未来のために、太陽光とテクノロジーを融合させたイノベーションを探求するオランダ出身のソーラーデザイナー

 また、レクサスのグローバルマーケティング責任者ブライアン・ボレイン氏は、「ソーラーデザイン分野のパイオニアであるマーヤン・ファン・オーベル氏と共創できることを光栄に思います。彼女の卓越したビジョンと専門知識を生かし、『LF-ZC』の本質を照らし出す驚くべきインスタレーションとなり、人間中心の持続可能なデザインに対する彼女の思いは、私たちレクサスにも共通する姿勢です。この作品をマイアミ現代美術館の庭園で展示できることをうれしく思います」とコメントしている。

 マイアミ現代美術館のアーティスティック・ディレクターであるアレックス・ガーテンフェルド氏は、「マイアミ現代美術館は、サステナビリティのための最適解を採用することで、気候変動への影響を軽減することに取り組んでいます。マーヤン・ファン・オーベル氏とレクサスの力強い作品は、サステナブルデザインの大きな進歩を象徴しており、環境への強い関心が、いかに現代的な解決策をもたらすかを示しています。マイアミ アート&デザインウィークの期間中、彼らの力強い作品を展示するプラットフォームを提供できることをうれしく思います」と述べている。

製作途中の様子