イベントレポート

レクサスブースに展示される2台のバッテリEVコンセプトカー「LF-ZC」「LF-ZL」

一般公開日:10月28日~11月5日

入場料:1500円~4000円

2026年の導入が予定されているLF-ZC

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「ジャパンモビリティショー2023」(一般公開日:10月28日~11月5日)。レクサスは「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」をテーマに、電動化で実現する未来のクルマとモビリティ体験を提案している。今回展示されているのは世界初公開となる次世代バッテリEV(BEV)のコンセプトモデル「LF-ZC」と、未来のビジョンを示唆するBEVフラグシップコンセプトモデル「LF-ZL」の2台となる。

LF-ZC

 次世代BEVのトップを切って2026年の導入が予定されているのが、このLF-ZC。そのキーとなるのが「次世代電池パフォーマンス版(角形)」だ。この電池は高いエネルギー密度とともに高さ方向で約20%の低ハイト化を実現。航続距離1000kmを目指して開発が進められている。

 電池の低ハイト化によりフロア高を抑えるとともに、エアコンおよびモーター、インバータ、トランスアクスルなどを一体化した電動駆動モジュール「eAxle」を小型化。これによりフロントフード高も抑えられ、Cd値は0.2以下(目標値)を実現する。そして低いノーズからスラントしたフロントウィンドウ、そしてルーフと、エンジン車では難しいスリークなシルエットも可能に。

 ボディサイズは4750×1880×1390mm(全長×全幅×全高)と、ほぼ同社のスポーツセダン「IS」並みのサイズ感ながら、ボンネット部分を縮小したことによる広いキャビン、フルフラットなフロア、そしてパノラマルーフによる高い開放感などにより、広々とした車内を実現している。

 コクピットはステアバイワイヤのステアリングを中心に、その左右にデジタルパッドを用意。左のパッドではシフトやドライブモード選択といった車両に関するもの、右のパッドではエンタメや空調といった装備に関する部分の操作を可能とする。メーターは下部からウィンドウ部に投写する遠視点メーターとすることで視点移動を最小限に抑えている。

LF-ZC
サイドミラーはカメラを使ったデジタルタイプ
ドアのオーナメント部分にも後方を向くカメラを内蔵している
タイヤはミシュラン「パイロットスポーツEV」。サイズは235/45R21
広い視界を確保
ステアバイワイヤのステアリングとデジタルパッド
視点移動が少ない遠視点メーターを採用
フラットなフロアにアクセルとブレーキが並ぶ
パワーウィンドウもタッチスイッチ
フロントドアを開けたところ
ドアトリムにも照明が埋め込まれている
広いキャビン
リアシートまわり
リアシート
ガラスルーフにより開放感満点
次世代電池パフォーマンス版。航続距離の向上と充電時間の短縮、コスト削減を目指す
高さが異なる2タイプが用意され、車種によって選択することを想定
次世代BEVではフロント、センター、リアの3分割モジュール構造「ギガキャスト」を採用。これはリア部分

LF-ZL

 次世代BEVアーキテクチャを採用した次世代のプレステージフラグシップモデル。5300×2020×1700mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3350mmと旗艦と呼ぶにふさわしいボディサイズに、BEVならではのパッケージングの自由度の高さや空間効率のよさを活かし、広々としたくつろげる車内空間を提供する。

 車内はシグネチャーマテリアルにBamboo(竹)を選定。成長が早くCO2吸収量が多いといった特徴をもつこの素材は高知県産。その素材感を活かして見た目にも美しい加飾としてだけではなく、繊維をフロアマットやシートファブリックに、また樹脂と混合してシートバックなど、さまざまな部分に活用している。

LF-ZL
フロントはヒンジドア、リアはスライドドアとすることで乗降性を向上
ホイールにも照明を内蔵
竹の素材感が美しいインテリア
ステアバイワイヤのステアリングとデジタルパッド
ペダルまわり
センターコンソールの操作部
機械部分がないためスッキリしたセンターコンソール下
助手席側には大型モニターを装備。エンタメの再生やオープンプラットフォームのアプリ利用などが行なえる
ヒンジドアとスライドドアのコンビネーションによりセンターピラーレス構造を実現。フロントのみ、リアのみの開閉も可能
フロントシート
フロントシート背面にも竹が利用されている
リアシート
アームレストにドアやシート調整のスイッチを配置
リアシートのフロアもフラット
ガラスルーフには太陽電池パネルのほか六角形のパーツごとに調光できる機能を採用。ランダムに調光により木漏れ日のような演出も想定する
2台の自転車を積載可能な「RZ OUTDOOR CONCEPT」
水素エンジンを搭載した「ROV CONCEPT」
安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。