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DMM、テスラの充電規格「NACS」と急速充電方式「CHAdeMO」に対応したダブルコネクタ急速充電器を初公開

2023年12月12日 発表

NACS規格とCHAdeMO規格に対応したダブルコネクタ急速充電器

2024年夏以降の設置開始を目標

 DMM.com(DMM)は12月12日、テスラ方式の充電規格である「NACS」(North American Charging Standard:北米充電標準規格)と日本独自の急速充電規格「CHAdeMO」の両規格に対応したダブルコネクタ急速充電器を公開した。

 全国のサービスステーション(ガソリンスタンド)とコンビニエンスストアを対象とした「0円プラン」を新たに提供開始すると発表した。対象施設は今後拡大していくとのこと。

NACS規格とCHAdeMO規格のダブルコネクタを持つ急速充電器
充電ケーブルが2口。最大出力は90kWとのこと
赤いマークのコネクタがNACS規格
青いマークのコネクタがCHAdeMO規格

 DMMでは、2023年5月にEV事業部を発足。「EVをもっと楽しく、ぐっと身近に。」をビジョンに掲げ、初期費用、月額費用ともに0円のEV充電サービス「DMM EV CHARGE」を提供し、アミューズメント施設や宿泊施設、地方自治体で導入が開始されている。

DMMのビジョン
DMM EV CHARGEの導入施設

 現状、日本にはNACSとCHAdeMOの2つの充電規格があり、NACS規格の充電器は設置率が5%とCHAdeMO規格と比較すると圧倒的に少なく、テスラユーザーが充電できる場所が限られているという。さらに、CHAdeMO規格の充電器でテスラユーザーが充電しようとすると、重い変換ケーブルをつながなければならず、変換ケーブルがボディに当たって傷がついてしまうこともあるといった課題があるとしている。

国内のEV急速充電器の規格比率
CHAdeMO規格のコネクタにNACS規格の変換ケーブルを取り付けたところ。長くて、重い
変換ケーブルを取り付けたまま充電口にコネクタを差し込むと、重心が下がり不安定になるとともに、重いコネクタがボディに当たって傷がついてしまうこともあるという

 この課題を解決するため、DMMは1基の充電器で日本におけるすべてのクルマの充電をできるようにする、NACS規格とCHAdeMO規格の両方のケーブルを備えるダブルコネクタ急速充電器を開発。最大出力は90kWで、NACSとCHAdeMOを同時に充電した場合の出力などは現在最終調整中とのこと。課金方式は充電のために消費した電力量に応じて課金する従量課金方式に対応している。

 2024年夏以降の設置開始を目標にこれから認証を取得していくということで、実際の稼働はまだ先となるが、ダブルコネクタ急速充電器により、充電設備の設置数を増やすだけでなく、EVのユーザー体験もよりよくしていくとした。

 なお、今回公開されたダブルコネクタ急速充電器の設置施設は、まずは経路充電と言われる滞在時間が短いサービスステーションやコンビニを中心に展開。設置数は100口(50基)で、初期費用、月額費用、電気代がすべて無料で提供される。

全国のガソリンスタンド・コンビニを対象に、100口(50基)を無料で設置する

 DMM.com EV事業部 事業部長 板垣良太氏は「私たちは来季の目標として1万機を目指しております。EVをぐっと皆さまの身近にある世界を作りたい。だからこそ1万という高い目標に向かって営業活動をしているところです。急速充電としては1000口、通常充電としては9000口。急速充電は例えば滞在時間が30分と短いような経路充電の場所、主にサービスステーションやコンビニ、道の駅などに、通常充電は2時間、3時間、6時間、と滞在時間が比較的長い商業施設や宿泊施設といったところに積極的に展開をしていきたいです」と今後の展望を語った。

合同会社DMM.com EV事業部 事業部長 板垣良太氏