ニュース

ダイハツ、「キャスト」「ピクシスジョイ」のリコールは認証不正検証中に判明した品質不具合

タイマー着火のエアバッグ試験の検証中に判明

 ダイハツ工業は1月24日、「キャスト」と、トヨタ自動車から販売されている「ピクシスジョイ」の計32万2740台に関するリコールを国土交通省へ届け出た。

 このリコールは、2023年12月20日に発表された認証申請における不正に関する調査結果のリリースでも触れられた「キャスト/ピクシスジョイの側面衝突試験における『乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)』が法規に適合していない」という不具合に関するもの。

 具体的には、ドアの内側に配置されているドアロックが側面衝突によりドアが大きく変形した際に、ドア内部に配置されるドアロックに対して下から上に持ち上げるような力が働き、それによってパワードアロックの機構にスイッチが入ってしまい、全席のパワードアロックがかかってしまう場合があるという内容。これにより、衝突時の乗員救出に時間を要する可能性が発生するという。

 対策として、全車両で運転席のドアロックを対策品と交換することとなるが、部品の用意が間に合わない場合があるため、希望者にはドアロック操作に制限がかかるものの、衝突時に施錠されなくなる暫定措置を行ない、部品の準備が整い次第改めて交換するとしている。

 なお、今回のリコールは認証申請における不正の調査において、タイマー着火のエアバッグ試験の検証中に判明した品質不具合であるとして、ダイハツ広報部は「関係するところもあるかもしれないが、不正とリコールは少し違うものと思っている。立ち会い試験を行なっていることと、今回のリコールは別軸で捉え、リコールの必要がある案件が発生した場合には速やかに対応するという基本は崩さずにいきたい」と説明した。

出荷停止解除の「プロボックス」などはユーザーや仕入れ先などの理解を得られてから生産再開

 1月19日に出荷停止解除となったトヨタ「プロボックス」「タウンエース(バンタイプ)」、マツダ「ファミリアバン」「ボンゴ(バンタイプ)」、ダイハツ「グランマックス(バンタイプ)」の生産再開については、国土交通省からの出荷停止解除はあくまで「必要条件でしかない」として、「生産再開という判断をするにあたっては、お客さまであったり、仕入れ先さまであったり、そういった多くの方々の気持ちの問題もあり、“作っていいよ”という機運が高まらないなかで生産を再開するのはおかしいので、ご納得がいただけるようなことが感じとれたというところを踏まえて、生産再開を検討していければ。現時点でいつ判断できるのか、いつ稼働が再開できるのかの見込みは立っていない。今は非常に難しいところにある」と説明。

 また、工場の稼働状況はこれまでは1か月に1度の開示となっていたが、今後は判明した部分について随時開示していくとのこと。現状判明している工場の稼働状況は2月16日までとなるとして、17日以降については新しく稼働状況が開示できるようになり次第公表される。