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台湾半導体ファウンドリTSMC、熊本JASM第一工場で開所式 創業者であるDr.モリス・チャン氏参加

TSMC創業者であるDr.モリス・チャン氏。半導体ファウンドリビジネスを作り出し、世界最大の半導体会社に育て上げた

ソニーやデンソー、トヨタも出資するJASM熊本第一工場

 TSMC(台灣積體電路製造股份有限公司、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車が出資するJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)は2月24日、熊本県菊陽町の第一工場で開所式を開催した。

 JASMには、TSMCが約86.5%、ソニーセミコンダクタソリューションズが約6.0%、デンソーが約5.5%、トヨタが約2.0%出資しており、世界最大のファウンドリ(半導体委託製造メーカー)であるTSMC初の日本国内工場。22/28nmプロセスおよび12/16nm FinFETプロセス技術による製造を行ない、2024年末までに生産開始。月間生産能力は5万5000枚(12インチ[300mm]ウエハー換算)となる見込み。

岸田首相はビデオメッセージを寄せた

 すでに第二工場の建設も発表されており、2027年末までの稼働開始を目指すとしている。

 このJASMへの設備投資額は(1ドル150円換算で約3兆円)を超える見込みで、日本政府も強力なサポートを表明している。

 第二工場を完成し、規模の拡大を行なうことで収益構造の改善とサプライチェーンの効率化を実施。JASM両工場合計の月間生産能力は10万枚(12インチ[300mm]ウエハー換算)以上となる見込みで、自動車、産業、民生、HPC用途向けに40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nmプロセス技術による半導体製造を行なっていく。

TSMC 創業者 Dr.モリス・チャン氏も参加した開所式

開所式で祝辞を述べる経済産業大臣 齋藤健氏

 2月24日14時から開所式を実施。開所式には、TSMC チェアマン Dr.マーク・リュウ氏、TSMC 創業者 Dr.モリス・チャン氏、TSMC CEO Dr. シーシー・ウェイ氏、経済産業大臣 齋藤健氏、熊本県知事 蒲島郁夫氏、ソニーグループ 代表執行役 会長 CEO 吉田憲一郎氏、デンソー 代表取締役社長 林新之助氏らが参加。それぞれTSMC開所に伴うお礼の言葉を述べた。

 とくに、TSMC創業者であるDr.モリス・チャン氏が来日するのは貴重な機会であり、多くの参列者がチャン氏にあいさつを行なっていた。チャン氏は、TI(テキサス・インスツルメンツ)時代に日本に訪れ、ソニーの創業者である盛田昭夫氏と工場を作ったことなどをエピソードとして紹介。それが、TSMC創業のきっかけであることも語った。

招待者らの記念写真。TSMC、政府関係者、地元関係者、企業など多くの人が開所式に参加した

 祝辞では齋藤経産大臣のほか岸田文雄総理大臣もビデオメッセージを寄せるなど、日本政府の高い期待も分かる開所式だった。

 テープカットにはソニーグループ 代表執行役 会長 CEO 吉田憲一郎氏、デンソー 代表取締役社長 林新之助氏とともに、トヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏も参加。JASMに対するトヨタの出資額は2%と少ないものの、半導体の安定供給に対する期待が表われていた。

自動車業界関係者らも参加。左からソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 清水照士氏、ソニーグループ 代表執行役 会長 CEO 吉田憲一郎氏、ルネサス エレクトロニクス株式会社 代表取締役社長兼CEO 柴田英利氏、トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長 豊田章男氏、一人おいて、株式会社デンソー 代表取締役社長 林新之助氏
台湾メディアに大人気だった「くまモン」との記念写真。一緒に自撮りしている人たちが多かった