ニュース
デンソー、ソニーとTSMCとともに設立する熊本県の半導体工場に400億円出資 半導体工場の設備投資額は約9800億円に
2022年2月16日 18:01
- 2022年2月15日 発表
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)、SSS(ソニーセミコンダクタソリューションズ)、デンソーの3社は2月15日、TSMCが熊本県に設立する半導体受託製造子会社、JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)に対して、デンソーが約3.5億米ドル(約400億円)の少数持分出資を行なうことを発表した。
JASMは、TSMCが株式の過半を所有する半導体受託製造子会社。これまでに、SSSが、JASMに少数株主として参画することを発表。デンソーは今回の出資でJASMの10%超の株式を取得する。
JASMの生産工場は、2022年の建設開始を予定しており、2024年末までに生産開始を目指している。なお、TSMCでは市場ニーズに応えるため、すでに公表済みの22/28nmプロセスに加えて、12/16nm FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を5万5000枚(300mmウエハー)に増強する予定。
今回の生産能力増強に伴い、この生産工場への設備投資額は、約86億米ドル(約9800億円)となる見込みで、日本政府からの強力な支援を受ける前提で検討していくとしている。
TSMC CEO Dr.シーシー・ウェイ氏は「JASMにデンソーが加わり、共にトランスポーテーションの未来に新たなイノベーションを起こすことができることを大変嬉しく思います。TSMCにとってJASMは、市場のスペシャリティ技術へのニーズに応える場となるだけではなく、日本の優れた半導体人材を活用し、グローバルな半導体エコシステムの成長に貢献するチャンスでもあります」と述べている。
ソニーセミコンダクタソリューションズ 社長 兼 CEOの清水照士氏は「世界的に半導体需要が伸びることが予想される中、JASMは当社だけでなく、産業界全体のロジックウェーハの安定調達に寄与するものと期待しています。今回新たにデンソーが加わったことは大変喜ばしく、共にJASMの立ち上げをサポートしていきたいと考えています」とコメント。
デンソー 代表取締役 有馬浩二氏は「自動運転や電動化といったモビリティのテクノロジー進化の中で、半導体は自動車業界においてますます重要になっています。今回のTSMCとのパートナーシップにより、車載半導体の中長期的な安定調達を実現し、自動車産業全体に貢献していきたいと考えています」とコメントしている。