北陸新幹線 加賀温泉駅にUber専用乗り場も登場 Uber Japanと加賀市が「加賀市版ライドシェア」本格運行開始

　Uber Japanは3月12日、石川県加賀市との包括連携協定に調印して「加賀市版ライドシェア」の本格運行を開始したと発表した。

　Uber Japanでは、Uberアプリを活用して加賀市観光交流機構、加賀第一交通とともに「加賀市版ライドシェア」を提供開始。また、3月16日に新たに開業する北陸新幹線 加賀温泉駅のロータリーにはライドシェア専用「Uber専用乗り場」も設置される。

「加賀市版ライドシェア」は、加賀市観光交流機構が運行主体となり、Uberがアプリを提供、加賀第一交通が運行管理を行なう三者協力体制で実施するもの。2023年12月の規制緩和以降、Uberが初めて自治体と提供する自治体によるライドシェア「自家用有償旅客運送」となる。

「自治体によるライドシェア」は、2024年4月から大都市圏を中心に導入を予定しているタクシー会社によるライドシェア「道路運送法第78条3号に基づく『自家用車活用事業』」とは異なり、自治体やNPOが運行主体となって、交通空白地において住民や観光客のために移動の足を提供する制度。2023年12月の規制緩和により、対価がタクシー運賃の8割程度まで引き上げられ、普通免許と自家用車を持つ住民ドライバーが担い手となるサービスとして広まることが期待されている。

　加賀市では、2024年3月16日の北陸新幹線延伸で新たに「北陸新幹線 加賀温泉駅」が開業することで、大阪から2時間6分、東京から2時間43分でアクセスが可能となり、これにより北陸最大級の温泉街を有する加賀市ではインバウンドを含む観光客の増加が見込まれているが、バスやタクシー事業者の深刻なドライバー不足により、十分な移動サービスの提供が難しい状況にあったという。

　加賀市版ライドシェアでは、7時～19時までは主要観光地や住宅地で、19時～23時までは加賀市全域で利用可能で、加賀第一交通による面接・研修と国の指定講習を受けた住民ドライバーが稼働。加賀第一交通が住民ドライバーや車両の安全管理を行ない、Uberがアプリを通じて乗客と運転手のマッチング、配車依頼、決済サービスを提供する。

　北陸新幹線 加賀温泉駅のロータリーには「Uber専用乗り場」を設置するなど、新幹線を降りた利用者が、Uberアプリを通じて配車した車にスムーズに乗車できるようにした。すでに住民ドライバーには70名以上の応募があり、選考と研修を実施した人から稼働しているという。

　Uber Japan 代表の山中志郎氏は「この度、“加賀市版ライドシェア ”の本格運行を開始できたことを大変うれしく思います。地元有志の皆さまがおもてなしする “加賀市版ライドシェア” により、Uberを普段から使い慣れている国内外からの観光客にとって、日本有数の魅力を持つ加賀温泉郷が、より身近で安心な観光地になることを期待しています。そして、加賀市に避難されている被災者の方々の移動の足として、また地元の皆さまの新しい収入の機会として、Uberがお役に立てればと考えています。本取り組みが、移動の足の不足という全国的な社会課題対策のモデルケースとして機能するよう、Uberは海外で得た知見やさまざまな安全対策などの提供を通じて加賀市を支援してまいります」とコメントしている。