ニュース

ヤマハ、2025年市場投入するハイエンドアンプに「Music:AI」を開発 車室音響の最適化にAI活用

2024年4月5日 発表

技術概要

 ヤマハは4月5日、車室音響の最適化にAIを活用して新しい音楽体験を提供する技術「Music:AI」を開発したと発表した。2025年の量産開始に向けて開発中のハイエンドアンプに搭載して、国内外の自動車メーカーへ販売するとしている。

 Music:AIは、ヤマハのチューニングエンジニアの技術と感性を学習させたMusic:AIによって、これまでにない音楽体験を提案しようといもの。Music:AIを構成するのは、「for Cabin」「for Music」「for Person」という3つの技術となる。

 for Cabinでは、車種ごとにその車室空間の音響特性へ音響チューニングを適応させることが不可欠となるため、AI活用により無数の音響パラメータセットから最適解を短時間で導き出し、今まで到達できなかったさらなる音質の追求を実現させる。

 for Musicでは、楽曲の魅力を最大限に表現するために必要となる最適な音響パラメータを、AI活用によってリアルタイムに最適化。ドライバーによる音質調整操作を不要にすることで安全運転にも貢献する。

 for Personでは、千差万別な高音から低音までのバランスを、AIが対話を通じて、1人ひとりに最適な音響パラメータを提供。ユーザーが今まで気づかなかった好みの音を発見する新しいアプローチとしている。

 Music:AIの技術開発の背景として、自動車の車内空間は多彩な音響エンタテインメントを楽しむ「セカンドリビング」へと進化するのにともない、複雑化する音響システムの迅速な調整、多様化する音楽や映画などのコンテンツごとにふさわしい音響特性の適用、そして音質パーソナライズの実現など、従来のチューニング技術では対応できない高度な最適化が求められているという。Music:AIによって、これまでにない音楽体験の提案を目指すとしている。