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F1日本GP決勝、レッドブル・ホンダRBPTが1-2フィニッシュ 角田は10位でポイント獲得

レッドブルVIPラウンジ「Red Bull Front Row」前を駆け抜けるフェルスタッペン選手

レースはスタート直後の事故で赤旗、地元角田選手は力強い走りを見せてBグループのトップを走る

「2024 FIA F1世界選手権シリーズ MSC CRUISES 日本グランプリレース」が4月5日~7日の3日間にわたって鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催された。4月7日午後に決勝レースが行なわれた。

 レースは前日までの低い気温や雨などの天候から一転し、気温22℃、路面温度40℃という予想よりも高い気温、路面温度で開催された。14時過ぎに迎えた決勝スタートでは、トップは問題なくスタートしたが、後方では大きな混乱があった。3コーナーでダニエル・リカルド選手(3号車 RB・ホンダRBPT)とアレクサンダー・アルボン選手(23号車 ウイリアムズ・メルセデス)が接触し、そのまま両車ともにタイヤバリアに突っ込んでリタイアとなった。

 このアクシデントの結果、即座に赤旗が出され、レースは一時中断となった。ウイリアムズはスペアシャシーがない状態でここ数戦こなさないといけない状況で、今後のレースへの影響が心配なところだ。

 スタートで上位はそのまま1コーナーに入っていったが、後方では、10位だったニコ・ヒュルケンベルグ選手(27号車 ハース・フェラーリ)が失敗し、1回目のスタートで順位を下げていた角田裕毅選手(22号車 RB・ホンダRBPT)がそれを避けて見事なスタートを見せた。2コーナーまでにジョージ・ラッセル選手(63号車 メルセデス)とバルテリ・ボッタス選手(77号車 キック・ザウバー・フェラーリ)が接触している隙をついて9位まで上がった。

 しかし、角田選手はボッタス選手がピットに入るとすぐにそれをカバーするためにピットに入ったのだが、コースに戻るとボッタス選手に抜かれてしまっていた。その後はボッタス選手など前のクルマにひっかかる展開になっていたが、2回目のピットストップでは非常に短い時間でタイヤ交換を実現し、実質的にBグループの中のトップに浮上した。

フェルスタッペン選手が優勝、レッドブル・ホンダRBPTが1-2フィニッシュ

スタート直後

 レース前の予想どおり、マックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブル・レーシング・ホンダRBPT)がスタートから、ピット作業時に一時的に順位を譲ったのを除けば、ゴールまでレースを支配した。ポールトゥウィンで今シーズン3勝目、日本GPは3年連続で優勝した。

 2位はチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダRBPT)。こちらもピットストップ時を除き、レースのスタートからゴールまで2位を走り、レッドブルの1-2フィニッシュを実現した。

 3位は終盤にチームメイトを逆転して、盲腸の手術で出走できなかったサウジアラビアGPを除く3レースで表彰台に上がることになったカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)、そしてその後ろにシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)。

優勝したマックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブル・レーシング・ホンダRBPT)
マックス・フェルスタッペン選手
2位はセルジオ・ペレス選手
セルジオ・ペレス選手
3位はカルロス・サインツ選手
カルロス・サインツ選手

 5位は予選3番手からスタートしたが、レースではフェラーリ勢の後塵を拝することになったランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)、6位はフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アストンマーティン・アラムコ・メルセデス)、7位はジョージ・ラッセル選手(63号車 メルセデス)、8位はオスカー・ピアストリ選手(81号車 マクラーレン・メルセデス)、9位はルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)。

角田選手は日本人として12年ぶりの日本GPポイント獲得

10位に入り、貴重なポイントを獲得した角田選手

 角田選手はレース後半、真後ろを走るランス・ストロール選手(18号車 アストンマーティン・アラムコ・メルセデス)とのマッチレースを展開した。前を走るニコ・ヒュルケンベルグ選手(27号車 ハース・フェラーリ)をコース上で追い抜くこと、サーキットに詰めかけた大観衆から大きな声援が送られた。

 終盤の焦点は角田選手がポイントを取れるかどうかだ。角田選手の真後ろを走っていたストロール選手は、他の車両よりも1ストップ多くなることを覚悟の上でソフトタイヤに交換して追い上げる作戦に出た。

 その結果、レース終盤ストロール選手が角田選手との差をみるみる縮めてきた。しかし、角田選手はレース終盤に27周走ったハードタイヤで自己ベストタイムを更新する余裕を見せ、そのまま10位でゴール。貴重な1ポイントを獲得した。日本人ドライバーが日本GPでポイントを獲るのは、2012年に3位表彰台に入った小林可夢偉選手以来12年ぶりだ。

 今回のレースは、トップ5(レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティン、メルセデス)のうち、ストロール選手だけが予選をQ1で終えたことでトップ10に入ることができないレースになっていた。車両パフォーマンスでは圧倒的に速いストロール選手をレース終盤まできっちり押さえきったことが、ポイント獲得につながっており、角田選手は非常に力強いレースをしたと言えるだろう。

表彰台

F1第4戦 日本グランプリ 決勝結果

順位車番ドライバー車両周回数時間ポイント
11マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダRBPT531時間54分23秒56626
211セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダRBPT53+12秒53518
355カルロス・サインツフェラーリ53+20秒86615
416シャルル・ルクレールフェラーリ53+26秒52212
54ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス53+29秒70010
614フェルナンド・アロンソアストンマーティン・アラムコ・メルセデス53+44秒2728
763ジョージ・ラッセルメルセデス53+45秒9516
881オスカー・ピアストリマクラーレン・メルセデス53+47秒5254
944ルイス・ハミルトンメルセデス53+48秒6262
1022角田裕毅RB・ホンダRBPT52+1周1
1127ニコ・ヒュルケンブルグハース・フェラーリ52+1周0
1218ランス・ストロールアストンマーティン・アラムコ・メルセデス52+1周0
1320ケビン・マグヌッセンハース・フェラーリ52+1周0
1477バルテリ・ボッタスキック・ザウバー・フェラーリ52+1周0
1531エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー52+1周0
1610ピエール・ガスリーアルピーヌ・ルノー52+1周0
172ローガン・サージェントウイリアムズ・メルセデス52+1周0
NC24ジョー・ガンユーキック・ザウバー・フェラーリ12DNF0
NC3ダニエル・リカルドRB・ホンダRBPT0DNF0
NC23アレクサンダー・アルボンウイリアムズ・メルセデス0DNF0