ニュース

「GRスープラ」に乗れる富士スピードウェイホテルに宿泊 モータースポーツミュージアムも楽しめる優雅な滞在を体験

富士スピードウェイホテルで「GRスープラ」に乗ってきた

モータースポーツとホスピタリティが融合したラグジュアリーな富士スピードウェイホテル

 富士スピードウェイに隣接する「富士スピードウェイホテル」では、6月30日チェックアウトまでの期間限定で、スイートルーム、もしくはヴィラに宿泊した人向けにホテル周辺でGRスープラを試乗できる特典を提供している。

 用意されているGRスープラは、ATモデルが2020年式、MTモデルが2022年式。ATモデルにはトムスによるチューニングと、富士スピードウェイホテルオリジナルのラッピングが施される特別仕様車となっている。そのGRスープラを体験できるということで、実際に富士スピードウェイホテルに足を運び、GRスープラと一緒に富士スピードウェイでのアクティビティも体験してきた。

 富士スピードウェイホテルは、日本初上陸のハイアットブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」として、2022年10月に開業。アンバウンド コレクション by Hyattは“語るべきストーリーがある、個性を大切にしているホテル”が特徴で、富士スピードウェイホテルでは「唯一無二の個性」としてモータースポーツを掲げ、ホテル内にはクルマやモータースポーツに関するオブジェがさりげなく配置されている。また、モータースポーツを個性としながら、ハイアットならではのラグジュアリーな滞在はしっかりと確保されており、まさにモータースポーツとホスピタリティを融合した空間となっている。

富士スピードウェイホテルは日本初上陸の「アンバウンド コレクション by Hyatt」として2022年10月に開業。アンバウンド コレクション by Hyattは2016年にできた比較的新しいブランドで、日本には富士スピードウェイホテルのほか、東京の「ホテル虎ノ門ヒルズ」の2軒があるのみ
ホテル内にはモータースポーツをイメージしたオブジェが置かれる
世界中のサーキットのコースレイアウトを集めたオブジェ。よーーーーく探すと富士スピードウェイもある
フロントのあるロビーは、パナソニックコーナーと富士山を直線で結んだところに位置している

 部屋は富士スピードウェイの第3セクターが見渡せるサーキットビューと、目の前に富士山が迫る富士山ビューとなっており、5室あるヴィラにはマイカーを見ながらくつろげる専用ガレージが備えられている。

富士山ビューの部屋からの展望
サーキットビューの部屋からの展望
スイートルームは広さ86m2で、ツインベッドの部屋とキングベッドの部屋を用意
静岡県はプラモデル出荷額日本一ということもあり、洗面台にはMIKIMOTO COSMETICSのフェイスケアアメニティがプラモデルを摸した配置で収められている
バスルームにはWaphytoのバスアメニティを設置
館内着と一緒にかかっている富士スピードウェイホテルオリジナルのサコッシュは持ち帰り可能(館内着は持ち帰れないので注意!)。館内着やスリッパなどのグッズは宿泊者限定で購入できる
冷蔵庫内にも静岡県の地元品にこだわった飲料、おつまみを用意
ルームクリーニング中の部屋の前には、タミヤとコラボしたミニカーが置かれるのが富士スピードウェイホテル流。タイミングによってはなかなか出会えないレアなクルマだ
ホテル棟から離れた場所に3棟5室のヴィラがある
約143m2のガーデンヴィラが4室、約150m2のレジデンシャルヴィラが1棟あり、どちらも独立したリビングルーム、ダイニングスペース、ミニキッチンが備えられる。写真はすべてガーデンヴィラのもの
すべてのヴィラはガレージハウスのように室内からマイカーをながめられるショーガレージ付き
ヴィラは愛犬と一緒に宿泊可能。愛犬のためのプライベートドッグランや、愛犬が外で遊んだあとに足を洗うためのシャワーなども用意されている

 ホテル内にはランチとディナーが楽しめる「TROFEO(トロフェオ) イタリアン」と、ディナーだけオープンとなる炉端ダイニング「Robata OYAMA」があり、旬ごとに変わる静岡の地元素材を用いた食事だけでなく、静岡の行列ができる名店の味も味わえる。

イタリアンレストラン&ラウンジのトロフェオ。晴れていたらきれいな富士山が見られる
トロフェオで提供されるサラダには必ず季節の果物が使われるのが特徴。この日はグレープフルーツとザクロが入っていた
シンプルなカプレーゼにもこだわりが込められており、地元七富チーズ工房のモッツァレラチーズに、地元産のアメーラトマト(静岡の方言で“甘い”のことを“あめえら”ということから名付けられたとても甘いトマト)、静岡産のオリーブオイルを使用。さらに、添えられるバジルは夏になるとホテル内の畑で育ち、シェフが朝摘みしたバジルになるとのこと
メインディッシュのボロネーゼには静岡県産の鶏が、ビアンケッティには静岡県産のしらすが用いられる
朝食はブッフェスタイル
朝食ブッフェに静岡の老舗行列店「丁子屋」のとろろ汁が並んでいるということにびっくり。また、Robata OYAMAのディナーも丁子屋のとろろ汁と御殿場産コシヒカリを味わえるメニューが用意されている
ロースト野菜などには、見た目がわるいからと市場に出回らないような野菜も用いられているそう。捨てられてしまう野菜を使うことで、フードロスを減らす取り組みが積極的に行なわれている
ディナータイムのみの営業となるRobata OYAMA。ロゴにはタイヤパターンが隠れていたり、“小山”と読めるようになっていたり、ここにもこだわりが込められている。季節ごとにメニューが変わるコースはOYAMA、OMIKA、FUJIの3種類
目の前に並ぶ旬の野菜を好みに応じてその場で焼いてくれる
地元の日本酒も豊富に取りそろえる。静岡県はあまり日本酒のイメージがないものの、実は数多くの酒蔵があり、日本酒造りが盛んだ
静岡・三島の行列店「桜家」のうなぎも味わえる。写真はRobata OYAMAの人気メニューの「鰻牛」。感動するおいしさ
シメには丁子屋のとろろ汁も気になるが、県内の焼津や浜名湖から取り寄せた新鮮なネタを使用したお任せ握り3貫がオススメ

 モータースポーツに関連するカクテルやその場での即興カクテルも楽しめる「BAR 4563」では、6月30日までGRスープラにインスパイアされたオリジナルカクテルを楽しめる。

チェックイン後、夕食までの時間に気軽に立ち寄れる「BAR 4563」。4563は富士スピードウェイの本コースの距離
オリジナルカクテルの「SUPRA feat. Fuji Speedway Hotel」(左)と、即興で作ってもらった「富士スピードウェイ」(右)

個性が違うGRスープラのATモデルとMTモデル、乗るならどっち?

 富士スピードウェイホテルのスイートかヴィラの宿泊で試乗できるGRスープラは先述したとおりATとMTの2モデル。この特典開始直後はどちらかのモデルを1時間試乗できるという枠組みだったのだが、「試乗時間が短すぎる」という声を受けて、なんと4時間に大増量。現在は午前/午後という枠組みで、ATかMTのどちらかのモデルを試乗できる。

ATモデルのGRスープラはトムスがカスタマイズした富士スピードウェイホテル特別仕様車
MTモデルのGRスープラは標準仕様で、素のGRスープラでのドライビングが楽しめる
試乗できる2020年式ATモデルも2022年式MTモデルも、最高出力285kW(387PS)/5800rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1800-5000rpmを発生する直列6気筒3.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する

 今回は特別にATとMTの両方をドライブできた。

 最初に乗ったのはMTモデル。走り出してすぐに感じたのは、クセがなく、ショートストロークでカコカコと入れられるシフトフィールがとても気持ちいいということ。シフト操作に合わせて最適なエンジン回転数になるように制御する自動ブリッピング機能がきいており、普段MT車に乗り慣れていない人でもMT車の運転に自信が持てるような、快適なドライブが楽しめる。

 また、最高出力387PS、最大トルク500Nmを発生する直列6気筒3.0リッターターボエンジンが本当に気持ちがいい。アクセルを踏んだ分だけ思った通りに加速をするので発進時のストレスがなく、富士スピードウェイ周辺の坂道もスムーズに走れる。減速時のエンジンブレーキも強すぎず弱すぎず適度にかかるので、思い通りのスムーズなドライビングに一役買っている。

 乗り心地も乗用車ライクなところがあり、路面からガツンと衝撃を拾ったとしてもドライバーに届くときにはやんわりと和らげられるため、ロングドライブでも疲れにくそう。さらに、低車外音タイヤをうたうミシュランの「パイロット スーパー スポーツ」を装着していることもあってか、車内はとても静か。これもまた運転時の疲労軽減に貢献するのではないだろうか。

 次に乗ったATモデルはトムスによるチューニングが施されている富士スピードウェイホテル特別仕様。走り始めた瞬間から、足まわりのガッチリとしている感じが伝わってくる。路面の衝撃はやや強めに拾ってしまうが、カーブを曲がるときの吸い付く感じが気持ちよく、クルマと一体になっているかのように思える。

 エンジンはMTモデルと同じ最高出力387PS、最大トルク500Nmを発生する直列6気筒3.0リッターターボとなり、アクセルを踏んだときの加速感は変わらないが、普段AT車になれている身からすると、より走りを感じながら運転できたような気がする。

 今回は運よく2台とも乗ることができたものの、通常はどちらか一方のモデルにしか乗れないのがとても悩ましい。個人的には、快適にGRスープラを楽しみながらドライブできるのはMTモデル、ちょっとスポーティにGRスープラの走りを楽しむのであればATモデル、というところだろうか。

GRスープラだけじゃないアクティビティも充実

 富士スピードウェイに隣接しているというだけあって、モータースポーツ関連のアクティビティも充実。ホテル宿泊者は富士スピードウェイへの入場料金が無料になるため、富士スピードウェイ構内の本コース体験走行や、レンタルカート体験をお得に楽しめるのだ。

 さらに、本コースの体験走行でレンタカーとして用意されているGRシリーズの車両が、宿泊者限定で事前予約可能。GRヤリス(AT/MT)、GRスープラ(AT)のほか、GRカローラモリゾウエディション(MT)、TOM'Sスープラ(AT)といったちょっとレアな車両もドライブできる。

 車両のレンタル料金(体験走行料込み)はGRヤリス(AT)が7700円、GRヤリス(MT)が8800円、GRスープラが9900円、GRカローラとTOM'Sスープラが1万3200円。このレンタカーは大人気なのですぐに予約が埋まってしまうという。予約ができるようになるのは1か月前から。

体験走行は「FISCOライセンスなし」「装備不要(4輪の場合、2輪は必須)」で富士スピードウェイの本コースが走れる。集合場所は体験走行受け付けのコントロールセンター目の前。「体験走行」の白い旗が目印
体験走行用のレンタカーとしてGRシリーズの車両が用意されている。富士スピードウェイホテルの宿泊者は事前予約できるものの、かなりの人気ですぐに予約が埋まってしまうとのこと

 本コースの体験走行はマイカーでも可能で、料金は3300円。さらに4月からは新しく体験走行の前に自身のスマートフォンやカメラを持ち込んでメインストレートでの撮影ができるプログラムも日付限定で開催されており、料金は4400円となる。なお、本コースの体験走行はレース日やイベント日には開催されないので、必ず富士スピードウェイのWebサイトで日程を確認いただきたい。

 今回、初めて本コースの体験走行をしたのだが、SUPER GTやWEC、スーパーフォーミュラのプロドライバーと同じコースを走れる特別感は本当に格別なものだった。これまでも興味はあったのだが、「先導車の後ろを安全な速度かつ追い越し禁止の状況で走るのはあまり面白くないのでは……」と思っていた自分をひっぱたきたい。本コースの走行なんて普段なかなかできないことをしているということが、心の底から楽しかった。

体験走行では「プロドライバーはこのコーナーはどう走っているのだろう?」「何を考えながら何周も走るのだろう?」など、思いをめぐらせながら本コースを3周。走行後はスタート地点と同じ場所に戻ってくるので、走行後の記念撮影もできる

 なお、「どうしても全開走行をしたい!」という場合は、富士スピードウェイでスポーツ走行を行なうためのFISCOライセンスを取得していただくか、体験走行後に富士スピードウェイ構内のカート場で全開走行をしてみるのもオススメだ。

カートは予約なしで富士スピードウェイ構内のカート場に行けばOK。全長約520mの“ミニ富士スピードウェイコース”を走行できるため、体験走行前のイメージトレーニングや、体験走行後の復習として全開走行をしてみるのもよいだろう。ヘルメットとグローブ(軍手)は無料レンタル可能なので、長袖長ズボンであれば手ぶらで体験できるのも気軽(身長制限145cm以上)。価格は1人乗り7周1600円、2人乗り7周2200円

 富士スピードウェイホテルの宿泊者は、ホテル棟の1階と2階にある「富士モータースポーツミュージアム」の入場料が割引になるのもポイント。愛知県長久手市にあるトヨタ博物館の分館として、約130年のモータースポーツの歴史を貴重な展示車とともにたどることができる。宿泊者専用の割引チケット料金は大人1300円、中高生650円、小学生450円(幼児は入場無料)となり、滞在中は何度でも入館できる。

新旧モータースポーツの歴史がたどれる「富士モータースポーツミュージアム」は、1階と2階がミュージアム、3階はショップとカフェというレイアウト。中央の吹き抜け部分から展示車両をチラッと見ることができるものの、間近で見るレーシングカーは独特の雰囲気をまとっており、圧倒的な迫力があるので、ぜひミュージアムへも足を運んでいただきたい

 さらに、富士スピードウェイホテル内のジムには30分の予約制で利用できる本格的なレーシングシミュレータを設置。また、BAR 4563の個室内にもグランツーリスモ7が体験できるシミュレータがあり、こちらは30分制ではあるものの予約不要で、利用希望者がいなければ延長して利用もできる。

富士スピードウェイホテル内には2機のシミュレータが設置されている。写真はBAR 4563の個室内のシミュレータ。お酒を片手に白熱したレースを楽しめる

 そのほかにも、ホテル棟に隣接するウエルネス棟「Omika Wellness&Spa」では、静岡県産季節の緑茶を使ったスパメニューも用意しているスパトリートメントや、ホテルの地下1500mからくみ上げた自家源泉温泉を堪能できる「富士大御神温泉」でリラックスした時間を過ごすこともできる。

癒やしの空間「Omika Wellness&Spa」はホテル棟から行けるウエルネス棟に位置
2部屋のカップルルームを含む全6部屋があり、静岡らしいボディメニューの「グリーンティーピュアリチュアル」や、国内初進出のアメリカの高級スパブランドISUN(アイサン)のトリートメント、MIKIMOTO COSMETICSの化粧品を使用したフェイシャルトリートメントなど、さまざまなメニューを用意
「富士大御神温泉」の個性的な入り口。過去に富士のSUPER GT観戦をした際、雨に降られて身体が冷えてしまった経験があるので、そんなときにここで温まれたらどれだけ幸せだろうか……と思いながら入浴してきた。晴れていたら富士山が拝める
入浴後は朝霧高原の牛乳とコーヒー牛乳が飲み放題なのがうれしい
爽やかなミント緑茶も提供
ウエルネス棟には20mの屋内プールやジムも備わる

 最初はモータースポーツに囲まれたホテルで、モータースポーツ好きやクルマ好き以外の人が本当にゆっくりできるのだろうかと思っていたところもある。ただそれは思い込みでしかなく、実際に足を踏み入れてみると宿泊者全員が特別な時間を過ごせる空間が広がっており、誰もがそれぞれの最高のリラックスした時間を過ごせるようになっていた。滞在の満足度はかなり高いので、気になっている方は一度足を運んでみてほしい。