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サーキットと富士山が見える「富士スピードウェイホテル」予約受付開始 ミュージアム入場券や給油チケットなどが付く開業記念宿泊プランも設定
2022年7月8日 19:44
- 2022年7月7日 予約受付開始
期間限定の特典付き「開業記念宿泊プラン」も設定
富士スピードウェイホテルは7月6日、同ホテルの開業日や施設概要、予約プラン、料理メニュー、予約開始日などを紹介するメディア説明会を実施した。ホテルの開業日は2022年10月7日で、7月7日12時より予約受付が開始されている。
宿泊の参考料金は2022年10月7日~12月30日の平日で、1泊1室(2名1室利用時)あたり5万5650円~(入湯税・サービス料別)となるが、2022年10月7日~2023年2月28日の期間は「開業記念宿泊プラン」が設定されていて、参考料金は1泊1室(2名1室利用時)あたり6万3664円~(入湯税・サービス料別)。なお、料金は時期や稼働状況によって変動する場合もある。
開業記念宿泊プランには、朝食、1泊1室あたり5000円分のホテル直営レストランやスパで利用できるホテルクレジット、富士モータースポーツミュージアム入場券、ホテル隣接のガソリンスタンドで1滞在1回のみ利用できる4563円分の給油チケットが付属する。
富士スピードウェイホテルは、宿泊棟(地上9階・地下1階)、平屋建で専用ガレージ付きのヴィラ、ウエルネス棟(地上2階)で構成。
客室は、宿泊棟にゲストルーム(43m 2 )6室、ビュールーム(43m 2 )42室、デラックス(55~60m 2 )46室、スイート(86~145m 2 )21室の計115室。ヴィラにガーデンヴィラ(143m 2 )4棟、レジデンシャルヴィラ(150m 2 )1棟の計5室で、全120室を備える。また、宿泊棟の駐車場には急速充電器(10kw)3台、ヴィラには普通充電器(3kW)が完備されているが、テスラの充電には対応していない。
宿泊棟は1~2階が富士モータースポーツミュージアムで、3階がホテルフロントおよびレストラン。4階~8階が宿泊施設となる。客室は温かみのある落ち着いた色合いのインテリアで構成され、全室バルコニーまたはテラス付き。また部屋についても、富士スピードウェイのコース後半の“セクター3”を一望でき、最終コーナーから加速していくレーシングカーのスピードを感じられる「サーキットビュー」と、大きな窓から豊かな自然と四季や時刻によって異なる趣が楽しめる霊峰富士の絶景を堪能できる「富士山ビュー」の2タイプが用意される。
ヴィラは全て143m 2 以上の広さを誇り、愛車をリビングルームから眺めて過ごせる専用のショーガレージが付く。また、チェックインとチェックアウトは、ヴィラの中で行なうので、他の利用客と接触することなく出入りが可能。
さらに、独立したリビングルーム、ダイニングスペース、キッチン、芝が敷き詰められた屋外テラス、ツインベッド、2か所のバスルームを完備するなど、プライバシーもしっかり確保され、友人家族同士での利用も想定した造りを採用。
ヴィラは愛犬と一緒に泊まることも可能で、広々としたプライベートテラスで心置きなく遊ぶこともできるほか、愛犬専用のシャワースペースも備わっている。なお、小型犬のみなら3頭まで、中型~大型犬は2頭までとなっている。
宿泊棟の2階から渡り廊下で接続されているウエルネス棟「Omika Wellness&Spa」は、地下1500mからくみ上げたお湯と富士山を望める温泉浴場、全身をリラックスさせてくれるスパのほか、屋内プールやジムも完備している。
レース観戦やドライブの楽しさを今の子供たちに体験してもらいたい
メディア説明会には、トヨタ自動車 BRフォレスト準備室長 西塚淳氏、富士スピードウェイホテル 総支配人 吉川源太氏、同総料理長 石井順氏、富士モータースポーツミュージアム 館長 布垣直昭氏が登壇。
トヨタ自動車の西塚氏は、4月に発表した富士スピードウェイを中心に開発が進んでいる体験型複合施設「富士モータースポーツフォレスト」のコンセプトが、“大人の遊び場・社交場”であると改めて紹介。また、富士モータースポーツフォレストは、豊田章男社長が10歳の誕生日のとき、父に連れられて富士スピードウェイで開催されていた第3回日本グランプリを見に行き、帰りは大渋滞の中ドライブして箱根あたりのホテルに泊まった。そんな実体験を今の子供たちにもしてもらいたい。そんな想いからこのプロジェクトが始まったといい、クルマを愛する多くの人が集い、モビリティとモータースポーツの魅力を知り、楽しみ、語り合い、笑顔があふれる場所にするためには、この富士スピードウェイホテルと富士モータースポーツミュージアムは欠かせない存在と説明した。さらに、来年以降もさまざまな施設やコンテンツを拡充する予定だという。
富士スピードウェイホテル総支配人の吉川氏は、「富士モータースポーツフォレストの一端を担うホテルを任され身の引き締まる思いであるとともに、ワクワクした気持ちになっていて自分自身もプロジェクトの未来を楽しみにしている」とあいさつ。
グローバルにホテル運営を行なっているハイアットは、それぞれのホテルが唯一無二の存在として強い個性を放ち、顧客に価値あるストーリーを提供することがコンセプトのブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」を展開していて、現在世界に29軒あるが、日本ではこの富士スピードウェイホテルが初となる。
ホテルのコンセプトとして「モータースポーツとホスピタリティの融合」を掲げていて、吉川氏は「ホテルを訪れた人に、これまで経験したことのないような、ユニークな体験を用意したい」と、オープンに向けて準備しているという。また、羽田空港からクルマで約1時間30分、名古屋からクルマで約2時間40分と、リゾート施設としては比較的アクセスのいい場所であることも説明した。
続けて吉川氏は、「目の前にあるサーキットから立ち上るモータースポーツの音や疾走感に対して、富士山がもたらす恒久的な静寂という相反する要素が融合することで、ここでしか味わえない唯一無二の魅力があります」とホテルの特徴を紹介した。また、開業後は、大型レースに合わせたスペシャル企画や、地元企業とのコラボレーション、ミニカーや玩具を使った子供向けの企画なども検討しているという。
最後に吉川氏は「できれば開業前に、ニュルブルクリンクやグッドウッドのサーキットホテルや周辺のホテルを視察したかったが、コロナの影響でできていないので、自由に渡航ができるようになったら行ってみたい」と今後の目標も語ってくれた。
今回、富士スピードウェイホテルの総料理長を任された石川氏は、さまざまな高級ホテルや一流レストランで料理長として腕を振るってきた人物。石川氏によると静岡県は、深い海といわれる駿河湾、日本一高い山での富士山、そして東西の長さ155kmを誇る広大な土地を持つ食材の宝庫だという。
そして今回、富士スピードウェイホテルの料理長に就任するにあたり石井氏は、「もう一度自分自身で静岡を追求したい、静岡の食材を追求したいと思い、自ら時間を作って地元の農家や地元の業界の方たちとお話させていただきました」と語る。また、農家をまわるうちに、形や大きさが規定外で破棄される野菜が予想外に多いことも知り、フードロスを減らすためにも、それらの野菜を積極的に使うことを決めたという。
ホテル内にはレストランが4店とバーが1店あり、静岡県産の食材を使用したイタリアンレストラン「Italian Restaurant TROFEO」では、静岡でとれた金目鯛を使ったパスタやピザなど。また、「Robata OYAMA」では日数をかけて育てた地元ブランドの御殿場太陽チキンを使った焼き鳥や、駿河湾でとれた魚介を使った料理、静岡県のソウルフードである「静岡おでん」なども楽しめるという。また、石井氏は「4店舗のレストランで食材を共用することで、フードロスの低減にもつなげたい」と持続可能なレストランを目指すと語ってくれた。
宿泊棟の1~2階は、愛知県にあるトヨタ博物館が監修する「富士モータースポーツミュージアム」となっていて、1階はモータースポーツ黎明期と題して、モータースポーツが始まった時代のクラシックカーが並び、2階は富士スピードウェイでも開催されている「24時間耐久レース」をテーマにレースで活躍したマシンなどが展示される予定。
富士モータースポーツミュージアム 館長 布垣直昭氏によると、ミュージアムのコンセプトは「モータースポーツがクルマを鍛え、クルマを進化させた熱い歴史を辿る」で、130年にわたるモータースポーツの歴史をレーシングカー40台だけでなく、携わった人たちの熱い想いも一緒に紹介する内容に仕上げているという。
また、自動車メーカーの創業者とモータースポーツとの関係を紹介するコーナーにあわせて、今はもうなくなってしまった貴重な幻のレーシングカーを再現するプロジェクトも進行しているという。
なお、ミュージアムは宿泊棟の中にあるが、宿泊客以外も観覧できるようになっていて、駐車場も完備している。