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出光興産、e-メタノール開発のHIFへ1億1400万米ドル出資 2035年に国内外拠点で50万t規模の供給体制構築へ

2024年5月13日 発表

e-メタノールのサプライチェーンのイメージ図

 出光興産は5月13日、南米・北米・豪州などでe-メタノールのプロジェクト開発を行なうHIF(HIF Global)へ、1億1400万米ドル出資すると発表した。日本企業によるHIFへの出資は初となり、出光では将来的に既存の燃料油事業における供給・販売のネットワークを活用して、2035年に国内外の拠点で50万t規模を目安にe-メタノールの供給体制を構築することを目指すとしている。

 e-メタノールは、大気中などから回収したCO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成することで生成するもので、出光では、2050年のカーボンニュートラル社会実現へ向け、ブルーアンモニアやSAFなどとともにe-メタノールへの投資を重点的に検討している。

 e-メタノールは、今後も需要が拡大すると見込まれる船舶燃料として直接利用できるとともに、合成ガソリン・合成ディーゼル・合成SAFなどの合成燃料や、合成化学品を選択的に製造することが可能。これらの点を踏まえて、出光では e-メタノールを戦略的に重要な製品であると位置付けている。

 今回出資するHIFは、南米・北米・豪州など多拠点かつ大規模に e-メタノールをはじめとする新しいエネルギーの事業開発を進めており、将来的にはe-メタノール換算で約400万tの生産規模を見込んでいる。出光では、2023年にHIFと合成燃料分野における戦略的パートナーシップに関するMOUを締結し、その後も e-メタノールに関する共同検討を開始するなど、e-メタノールや合成燃料の早期社会実装に向けた検討を進めてきた。

 今回、HIFに出資することにより、海外拠点における e-メタノールや合成燃料の製造・開発を推進。出光からHIFに対して取締役を派遣するとともに、マーケティングやプロジェクト開発分野においても人財を派遣することで、HIFが有する e-メタノールや合成燃料の製造プロジェクトに対する開発・マネジメントなどの最先端の知見やノウハウを獲得するとしている。

HIFとの出資セレモニー