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橋本洋平の富士24時間参戦記 チームHRC「シビック タイプR CNF-R」の挑戦がはじまる

2924年5月24日〜26日 開催

富士24時間レースに参戦するチームHRCの271号車「ホンダシビック タイプR CNF-R」

 いよいよ本日5月24日より富士スピードウェイでスーパー耐久24時間耐久レースがはじまる。そのST-Qクラスにワタクシ橋本洋平が参戦させていただくことになった。ご存じの方々も多いだろうが、ST-Qクラスとはモータースポーツの現場から未来のクルマを模索して行こうという実験的な枠組みであり、その車両は様々。ガソリン代替カーボンニュートラル燃料や水素、さらには次世代バイオディーゼル燃料を利用して走らせている。いまは国内5つの自動車メーカーが参戦している。

 乗らせていただく車両は271号車の「Team HRC CIVIC TYPE R CNF-R」。カーボンニュートラル燃料で走る車両だ。ゼッケンはホンダの第一期F1時代を飾ったRA271が由来となり、ボンネットにはそのクルマと同様、日の丸が掲げられている。次世代の突破口を開いたあの頃のようにという想いが感じられる。

チームHRC「シビック タイプR CNF-R」(2分4秒)

 エンジンは基本的に市販車の2.0リッターターボを使っているが、燃料に合わせてマッピングを変更している。そのセッティングはレースを続けるごとに洗練されていき、いまではハイオクガソリンを使う車両に近いパワーを実現することが可能になってきた。スーパー耐久シリーズにはST-2クラスにCIVIC TYPE Rが何台か参戦しているが、それらと遜色のないタイムを叩き出している。両方の仕様に乗車経験のある野尻智紀選手にお話を伺ったところ、「ハイオクガソリン仕様の方がアクセル踏み始め一発目のところのパンチが若干ありますが、それ以外はさほど変わらないですね」とのことだった。

 けれどもそうなると実際のところは燃費が厳しくなってくるようだ。現在使っているカーボンニュートラル燃料は熱量が低く、パワーを出すには多くの燃料を必要とする状況になっている。結果的にハイオクガソリン仕様のクルマと比べると、1割近くは燃費がわるいということだ。

 もうひとつの問題はクランクケース・ダイリューション(希釈)だ。ブローバイガス(未燃焼ガス)がエンジンオイルに混入しオイルを希釈。結果として潤滑性能が落ちてしまう。これはガソリンエンジンだろうがディーゼルエンジンだろうが問題はあるのだが、カーボンニュートラル燃料ではその課題がまだまだ大きい。まだこのクルマが走り出したころは4時間くらいでエンジンオイルを交換していたが、いまでは12時間くらいは性能を持続しそうだという予測だ。オイルの粘度はその対策として60を使用。油圧を常に監視して落ちてきたら交換する体制を敷いている。

HRCのピットにはモリゾウ選手もやってきて記念撮影

 果たして無事に完走となるのか? 一番の心配はクルマよりも己の技量や体力ではあるが、そこは頼もしいパートナーがほかに5名もいるから安心している。このクルマに乗ってきたプロフェッショナルレーシングドライバーの大津弘樹選手&武藤英紀選手。競女の初代チャンピオンでありF4やTCR CIVICの経験もある辻本始温選手。そして同業でレース経験も豊富な桂伸一選手と石井昌道選手だ。共に日曜日15時のチェッカーを無事に受けることができるのか? 応援よろしくお願いします!