新型シビック TYPE R。撮影車両のボディカラーはチャンピオンシップホワイト 本田技研工業のスポーツモデルに冠される「TYPE R(タイプR)」の名称。その名を受け継ぐ最新モデルとなるのが7代目「シビック TYPE R」だ。
タイプRが初めて誕生したのは1992年に発売された「NSX」だが、シビックは1997年にEK9型に追加されるカタチで初代TYPE Rが登場。以降、2代目(2001年)、3代目(2007年)、欧州仕様ベースの4代目(TYPE R EURO)、5代目(2015年)と、ベースモデルにメーカー自らがファインチューニングを行なったモデルとして進化を続けてきた。
6代目モデル(2017年)から「第2世代TYPE R」へと進化を遂げるべく、運動性能と快適性を両立し、乗り手を選ばないスポーツモデルを追求。今回リリースされる新型では、エンジンをはじめ随所を磨き上げることで、タイプRならではの価値を一層高めることに注力している。
ボディは通常モデルのガソリンエンジン車と比較すると、よりワイドになっているのが特徴。これにより265/30ZR19専用ワイドタイヤの装着を可能にし、先代から採用している新世代プラットフォームの軽量&高剛性化、サスペンションの最適化などとの組み合わせによりFFモデル世界最高峰の旋回性能を実現している。
ボディディメンション比較(mm)
| 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | トレッド前/後 |
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新型シビック TYPE R | 4595 | 1890 | 1405 | 2735 | 1625/1615 |
新型シビック標準モデル(ガソリンエンジン車) | 4550 | 1800 | 1415 | 2735 | 1535/1565 |
先代シビック TYPE R | 4560 | 1875 | 1435 | 2700 | 1600/1595 |
ホンダ「シビック TYPE R」(2022年 FL5型) ボディサイズは4595×1890×1405mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2735mm 標準ガソリンエンジン車よりワイドになったエクステリア。フロントバンパーをはじめとした専用アイテムにより超高速域にも対応したスタビリティを手に入れている グリルの開口面積をアップすることによりラジエータの冷却効率を向上。サイド部分はダウンフォースを発生させる形状 樹脂製のリップスポイラーには剛性アップのためのリブが配されている フロントフードは専用のアルミ製。熱を排出するためのフードベントが設けられている 裏側の形状。ラジエータの熱を効果的に逃がす構造になっている フロントウィンドウ上部に単眼カメラを配置。スポーツモデルとはいえ衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全装備は標準で搭載されている 専用のサイドシルガーニッシュ。リアタイヤ前には整流効果を狙った張り出し面を用意 フロントフェンダー後方にはホイールハウス内の圧力を軽減するためのエアアウトレットが設けられている アルミダイキャスト製のステーに装着されるリアスポイラー リアバンパーはディフューザー形状。マフラーはエンドパイプを3本持つタイプ エンジンは先代と同じく直列4気筒DOHC 2.0リッターインタークーラーターボ「K20C」型を搭載するが、ターボチャージャーを刷新するとともに吸排気系および制御系を進化。最高出力243kW(330PS)/6500rpm、最大トルク420Nm(42.8kgm)/2600-4000rpmと、先代モデルより最高出力が約7.4kW、最大トルクは20Nmの向上を果たしている。トランスミッションは先代モデルと同じく6速MTを搭載。進化の余地があまりないと思われる部分ながら、レバー構造の刷新とともにシフトリンク機構を最適化。ダイレクト感と操作感を向上するなど、よりよいシフトフィールを求めた改良が行なわれている。また、シフトダウンの際にシステムがエンジン回転数を自動的に同期することでショックを低減する「レブマッチシステム」も引き続き採用。クラッチのフライホイールの軽量化などによりレスポンスアップを図るとともに、新たに2速から1速のシフトダウンにも適用されている。WLTCモード燃費は12.5km/L。
現代風の機能として注目なのが、専用データロガーアプリ「Honda LogR」の存在。センターディスプレイにエンジン水温などの車両情報をはじめ、ステアリング舵角などの運転操作に関する情報などをリアルタイムに表示することが可能。スコアリング機能も用意されており、ドライビングスキル向上にも役立つ内容となっている。また、スマホアプリでも同様の情報を取得可能なほか、アプリで動画を撮影すると走行データを同期させた動画を作成することができる。
ボディカラーは定番のチャンピオンシップホワイトのほか、ソニックグレー・パール、クリスタルブラック・パール、フレームレッド、レーシングブルー・パールの全5色を設定。価格は499万7300円。
さらなるパワーアップを果たしたK20C型エンジン。バッテリ位置も車両後方に寄せられるなどパフォーマンスを意識した配置になっている コンプレッサーホイールの小径化など刷新されたターボチャージャー 燃料は無鉛プレミアムガソリン仕様。タンク容量は47L タイヤはミシュラン「パイロットスポーツ4S」でサイズは265/30ZR19。アルミホイールはリバースリム構造を採用することでタイヤの接地性を向上 フロントブレーキはブレンボ製対向4ポットキャリパーとφ350mmの2ピースディスクブレーキの組み合わせ リアのタイヤ&ホイールはフロントと同様。リアのディスクブレーキはφ305mm サスペンションはタイプR専用。フロントはデュアルアクシス・ストラット式 シフトノブは歴代モデルと同じくアルミ製。コンソールパネルもアルミ製となる エンジンスタート/ストップスイッチは正面からは赤く見える 専用メーターは10.2インチの液晶タイプ。選択した走行モード(コンフォート、スポーツ、インディビジュアル)によって表示が変化する インパネ上部には9インチのHonda CONNECTディスプレイを配置 インディビジュアルモードでは、各種項目を自分好みに設定して記憶させられる 初採用となる専用データロガーアプリ「Honda LogR」。パフォーマンスモニター機能では車両情報などを細かく表示可能。中央部は3DとGメーターに切り替えできる 4輪それぞれのタイヤがその瞬間に出せる最大の力(摩擦力)と、実際に使っているタイヤ力のベクトル値(向き・大きさ)を、車両の加速度情報から算出しリアルタイムに表示可能 計器表示では、エンジンの油温・油圧やブースト圧などの車両情報や、気温・気圧などの環境情報、ステアリング舵角やブレーキ圧、アクセル開度、ヨーレートなどドライバーの操作情報など、12種の情報から6つを選択して表示できる 特定のサーキットではスピードリミッターを解除できる機能も備えている ステアリングコラム右側には標準装備のETC2.0車載器や安全装備系のスイッチなど 助手席前にはアルミ製のバッジ。全世界共通で5桁のナンバーが入る サンバイザー裏にはバニティミラーを装備。照明も付く 専用設計のフロントシート。先代に装着されたシートよりも軽量化を実現しつつサポート性や疲れにくさをアップ アームレスト部にはスエード調素材を採用しつつ赤いステッチも アームレスト部前方にはドアミラーやパワーウィンドウのスイッチ 乗車定員は4名。リアシート中央部にはドリンクホルダーが設けられている ホンダアクセス渾身の純正アクセサリー
標準のグレードは1種類のみとなっているが、オリジナリティを演出したいユーザー向けにホンダアクセスから純正アクセサリーが用意されている。
純正アクセサリー装着車。ボディカラーはソニックグレー・パール 外装の目玉となるテールゲートスポイラー。27万5000円 ステーは純正を使用するためスポイラー取り付け部には専用ナットを使用 センターコンソールパネル。こちらもリアルカーボンとレッドポリエステルの綾織り。4万7300円 ブラックアルマイトと赤本革のシフトノブ。2万350円 Qi対応のワイヤレス充電器。2万2000円。別途取り付けアタッチメント(8800円)が必要 プレミアムタイプのフロアカーペットマット。バッジはブラックアルマイト製。1台分6万6000円 タイプRのロゴが浮かび上がるパターンプロジェクター。発光部は初の2色タイプで従来型よりも大きくなっている。3万8500円 サイドステップガーニッシュ。フロント用はロゴが赤く発光するLEDイルミネーション付き。1台分5万6100円 スモールランプと連動するドリンクホルダーイルミネーション。2万2000円 フットライト&シートアンダーライト。色はホワイトとレッドを用意。各1万7600円