いすゞ、路線バス「エルガEV」のショートホイールベース・都市型モデルを先行発売 価格6578万1980円

　いすゞ自動車は5月28日、バッテリEV（BEV）路線バス「エルガEV」の一部車型として、ショートホイールベース・都市型モデル（型式：ZAC-LV828L1）を先行して発売した。販売目標台数は150台/年で、東京地区の価格は6578万1980円。

　エルガEVは、2023年10～11月開催の「ジャパンモビリティショー 2023」で世界初公開されたBEV路線バス。BEV化による環境対応のみならず、国内初となる車内フロアのフルフラット化を実現させた。

　エルガEVの主な商品特徴としては、リアアクスルの左右それぞれにモーターを内蔵した「インアクスルモーター」の採用により、フロアを低床化。あわせてバッテリパックを屋根上と車体後部の床下に配置したことで、フロアレイアウトの自由度が高まり、車内前部の乗降口から最後部座席まで段差のないバリアフリー化を実現させた。

　動力性能は最大出力250kW（125kW×2）、最大トルク960Nm（480Nm×2）と、従来のディーゼルエンジンモデル「エルガ」と同等を確保。一充電走行距離は360km（30km/h一定速、国土交通省届出値）と、路線バスで使用される航続距離をカバーした。

　充電については、国内主流の350Vで充電できる高電圧バッテリを採用し、3.2時間で20%の残量から80%まで充電可能。災害時には救援車として、エルガEVから電力を取り出す外部給電機器と接続し、家電機器などに電力供給もできる（V2L機能）。

　そのほかにも、国内路線バスで初採用となる先進安全機能として、DSM（ドライバーステータスモニター）でドライバー異常を検知してEDSS（ドライバー異常時対応システム）が作動すると、車両が停止した後に自動でパーキングブレーキが作動し、坂道などでも安全に車両を停止させる機能を採用。乗客の利便性や安全性を向上し、BEVのスムーズな加速感と低騒音・低振動にあわせて快適性も大幅に向上させたとしている。

車内フルフラットフロア

高電圧バッテリ配置図

「エルガEV」ショートホイールベース・都市型モデルの主要諸元

型式：ZAC-LV828L1
1万545×2485×3330mm（全長×全幅×全高。設計値）
ホイールベース：4990mm
モーター種類：交流誘導電動機
最大出力/最大トルク：250kW（125kW×2）/960Nm（480Nm×2）
バッテリ種類：リチウムイオンバッテリ
バッテリ容量：245.3kWh（社内参考値）
充電方式：急速充電（CHAdeMO）
一充電走行距離：360km（30km/h一定速、国土交通省届出値）
最小回転半径：7.8m
乗車定員：70人