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いすゞ、新型「エルフ」世界初公開 17年ぶりのフルモデルチェンジでバッテリEVをラインアップ

2023年3月7日 発表

新型エルフ(EV)

 いすゞ自動車は3月7日、小型トラックの新型「エルフ」を世界初公開した。2006年12月の現行モデル発表から17年ぶりのフルモデルチェンジで、新型エルフにはバッテリEV(電気自動車)もラインアップ。

 また、パシフィコ横浜では「ISUZU World Premiere 2023」と題したイベントを開催、同じくフルモデルチェンジとなった中型トラックの「フォワード」も公開された。

パシフィコ横浜で「ISUZU World Premiere 2023」を開催
新型エルフ(ガソリン)
新型フォワード

 フルモデルチェンジした新型「エルフ」は、「デザイン」「ホスピタリティ」「エコノミー」「セーフティ」「コネクテッド」「ラインアップ」の6つのポイントを中心に進化。

 デザイン面では「PLEASURE to CARRY」をコンセプトに内外装を一新。先進性とタフさ、機能性と華やかさを高い次元で両立し、「運ぶ」を担うドライバーがトラックを使う楽しさを感じられるデザインを追求。エクステリアは商用車らしい堅牢さを表現しつつ、フロントフェイスで躍動感や先進性を表現した。

新型「エルフ」(スタンダード)
新型エルフ(ロング)

 インテリアは、親しみやすさと軽快感を表現し、長く使う道具としてのタフさやロングライフであせないデザインを具現化。インテリアカラーにはドライバーの多様化を意識したニュートラルな色味や素材を採用しつつ、人が直接触れる部分をブラックで表現することで、識別性を向上させ、傷のつきにくさにも配慮したという。

 ホスピタリティ面では、徹底したドライバー目線の開発でトラックに乗る人、使う人への深い思いやりを具体化。標準キャブは、快適で疲れづらいキャブ空間を目指し、ドライバーの上方・前方・側方のクリアランスを大幅に拡大したことで、小型貨物キャブオーバートラックで最もゆとりあるキャブを実現。

快適で疲れづらいキャブ空間を実現

 また、ドア開口部の拡大と上下2方向からアクセス可能なセミグリップ式ドアハンドルの採用により、乗降性・操作性を向上。誰でも運転しやすい運転席を目指し、ステアリングの小径化やシートの材質・表皮縫製・スライドピッチの変更、ペダル位置の最適化などドライバーが運転時に触れるすべての機能を徹底的に見直し、最適なドライビングポジションを追求したという。さらに、高速走行や寒い季節での運行など、さまざまな状況でも快適に運転できるように、アームレストやシートヒーターを採用し、ドライバーの労働環境改善にも配慮している。

ドライバーが対象物を直接見ることができる視界の改善、ドライビングポジションの最適化も図られている
シートヒーターを採用

 メーターパネルには7インチのメーターディスプレイを採用し、安全支援機能の作動状況や車両コンディションを表示することで、運転時の視線移動や操作を最小限に抑制。そのほかにも、ステアリングスイッチの採用やスイッチレイアウトの見直しにより操作性を向上させた。加えて、小型トラックに求められる多彩なアイテムを採用し、収納スペースの拡大を図るなど、日々の仕事に寄り添った使い勝手のよさを実現している。

メーターパネル

 内燃機関においてもさらなるCO2削減を目指し、新型トランスミッションの開発およびその他の改良により、燃費性能の向上を追求。AT免許で運転可能なAMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)として9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の「ISIM(Isuzu Smooth Intelligent TransMission)」を新開発。燃費性に優れる4JZ1エンジンに組み合わせることで、さらなる燃費性能を実現した。

 このISIMを9速に多段化したことで、エンジン回転数の上昇を抑えられ、低騒音化による運転疲労軽減を実現し、誰でも省燃費運転がしやすくなったほか、デュアルクラッチ構造による素早いシフトチェンジで、変速時のトルク抜けやシフトショックを低減し、トラックのイメージを塗り替えるドライブフィーリングを両立している。

9速DCTの「ISIM」を 新開発

 セーフティ面では、ステレオカメラの性能向上に加え、近距離ミリ波レーダーおよびドライバーステータスモニターを追加し、プリクラッシュブレーキ(右左折時)、全車速車間クルーズ、レーンキープアシスト、ドライバーステータスモニター、ドライバー異常時対応システム、可変配光型LEDヘッドランプ、標識認識機能、標識連動型スピードリミッター、フロントブラインドスポットモニターの、9つの安全支援機能を新規設定。また、ドライバーが対象物を直接見ることができる視界の改善、ドライビングポジションの最適化、足まわりの改良やISIMの新規設定によって、誰でも運転しやすい車両を実現した。

 また、配送トラックに求められる安全性の向上として、自動作動機能付き電動パーキングブレーキを標準設定し、パーキングブレーキのかけ忘れや引き不足による自走事故を抑制。そのほか、路上故障で多くを占めるタイヤトラブルへの対応として、タイヤの空気圧や温度をドライバーが確認監視できるタイヤ空気圧モニタリングシステムをオプション設定した。さらに、コネクテッド技術の向上も図られ、進化する情報基盤と合わせることで、さまざまなシステムとの連携が可能となった。

 新型「フォワード」は、高度化・複雑化する物流業界の課題に対応するため、内外装の全面刷新に加え、各種快適装備・安全支援機能の大幅拡充を行ない、2023年夏頃の発売開始予定している。