イベントレポート
いすゞ・UDトラックス、フルフラットのEVバスやレベル4自動運転の工事用運搬車両
2023年10月25日 20:43
- 一般公開日:2023年10月28日~11月5日
- 入場料:1500円~4000円
いすゞおよび、UDトラックスは「ジャパンモビリティショー2023」(会場:東京ビッグサイト、一般公開日:10月28日~11月5日)で、車内のフルフラット化を実現した大型EVバスや、レベル4自動運転の工事用運搬車両などを展示している。
いすゞとアライアンスを組むUDトラックスは、両社が同一のブース内で展示を行なっている。いすゞ側は、同社が「ERGA EV」ブランドで展開するEV車両や、燃料電池車がメイン。なかでも国産初とする参考出品のEVバスは、低床であるとともに車内の最後部までフルフラットを実現しているのが特徴で、乗降のしやすさ、車内移動のしやすさをアピールしている。
本田技研工業の燃料電池を採用した大型トラック「GIGA FUEL CELL」も参考出品。水素と酸素を燃料に電気を作り出し、モーターを駆動させて走行する。搭載水素量は56kgで、モーターの定格出力は320kW、航続距離は800km以上としている。
車両総重量5tまでの中型自動車に相当するトラックでは「ELF EV」シリーズを展開する。最高出力110kW、最大トルク370Nmのモーターとリチウムイオンバッテリを搭載し、普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応。シャーシを共通プラットフォームとし、冷蔵・冷凍車やゴミ収集車、高所作業車など多様な車種に適用可能にする。
また、2017年以降に普通自動車免許を取得した人でも運転可能な小型(3.5tまで)のトラックとして「ELFmio」シリーズも紹介している。
一方、UDトラックスではレベル4自動運転に対応する実証実験車両「Fujin(風神)」を展示。車体前方や後方に計6つのLiDARを搭載し、GPSや監視用カメラとも組み合わせることで工事現場における運搬作業の自動化を実現した。安全のため有人での運用となったが、神戸製鋼の協力のもと、実際の工事現場で2か月間にわたって試験走行した。担当者によると、工事現場は公道と異なり不整地の場合が多いため、車体挙動の検知や制御には課題があるとも話していた。
自動運転トラックや、UDトラックス(およびいすゞ)の一部車種にも採用している「UDアクティブステアリング」という技術を体験できるシミュレータも用意している。
従来のパワーステアリングでは荷物の積載量によってハンドリングに違いが生まれるほか、路面の凹凸によってステアリングに反力が伝わり、ドライバーの疲労にもつながっていた。UDアクティブステアリングではさらに追加したモーターにより、そうした違和感や疲労につながるステアリングの挙動を制御し、場合によっては操作をサポートする。シミュレーターではそのメリットを体感できるシチュエーションをいくつか試すことが可能だ。