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フェラーリ、新型「12Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」日本初公開 自然吸気のV12エンジン搭載モデルは5674万円から

2024年6月11日 開催

12チリンドリ:5674万円~

12チリンドリ スパイダー:6241万円~

12チリンドリを日本初公開

フェラーリならではのV12の咆哮を実現

 フェラーリ・ジャパンは6月11日、新型2シータークーペ「12Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」を虎ノ門ヒルズ内にある「TOKYO NODE」(東京都港区虎ノ門)で日本初公開した。スパイダー(オープン)モデルの「12Cilindri Spider(ドーディチ・チリンドリ スパイダー)」も用意され、価格は12チリンドリが5674万円~、12チリンドリ スパイダーが6241万円~。

 12チリンドリはアメリカ上陸70周年を記念して5月にマイアミで発表された、フェラーリ2シーターモデル。そのハイライトはなんといっても電動化が進む中で自然吸気のV型12気筒6.5リッター「F140HD」型エンジンを搭載すること。このエンジンではチタン製コンロッドを採用し、スチール製よりも回転質量の40%低減に成功させるとともに、ピストンも従来とは異なるアルミニウム合金を使うことで軽量化。また、バルブ類にはDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングを施し、摩擦係数を下げることでエンジンの機械効率を大幅に高めたという。

12チリンドリのボディサイズは4733×2176×1292mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mm。乾燥重量は1560kgで、重量配分はフロント48.4%、リア51.6%とした。21インチホイールを履き、タイヤサイズはフロントが275/35、リアが315/35となる。撮影車はミシュラン「Pilot Sport S5」を装着するが、グッドイヤー「イーグル F1 Supersport」もチョイス可能。なお、シャシーは総アルミニウム製で、ホイールベースは812 Superfastから20mm短縮された

 最高出力は830CV/9250rpm、最大トルクは678Nm/7250rpmを誇り、最大トルクの80%を2500rpmから発生。トランスミッションには8速DCTを組み合わせ、0-100km/h加速は2.9秒、最高速は340km/hとした。

自然吸気のV型12気筒6.5リッター「F140HD」型エンジンは最高出力830CV/9250rpm、最大トルク678Nm/7250rpmを発生

 また、ドライビングの高揚感を高めるエンジンサウンドについては、その実現を目指して吸排気ダクトのあらゆる要素を最適化。排気ダクトは各バンク6-in-1の等長マニホールドとし、中央部に革新的設計を取り入れた。その結果、点火順序による美しい倍音成分をすべて響かせる、フェラーリならではのV12の咆哮を実現したという。ダクトの形状やサイレンサー・バッフル内部の流体力学は背圧を最小限に抑え、パワーデリバリーの向上に貢献するように設計。リミッターまでの全回転域でフェラーリの特徴的サウンドが純粋な音色で響くことが保証されるという。

 デザインについては、洗練されたスタイリングの中にどこか懐古的な要素も取り入れたもので、クルマの世界とは関係の薄いデザイン要素を模索することも目標の1つだったという。実際、ヘッドライトの細長いフォルムや伝統的なグリル形状といったフロントの特徴的要素がいくつか消え、このモデルに元々備わる幾何学的形状や交差が生かされた。ヘッドライトは巻きついた1本の帯の中に組み込まれ、そこからDRL(Daytime Running Lamps)がブレード状に現れる。同様のアプローチはリアのアーキテクチャにも採用され、ここでも厳格さを中心テーマとしてボリュームを引き算することで形を生み出した。フロントと調和するように、テールランプもリア全体を横切るくぼんだブレードの中に埋め込まれており、この部分が12チリンドリ最大の特徴的テーマとしている。

インテリアでは15.6インチのドライバー用ディスプレイ、10.25インチのセンターディスプレイ、助手席用の8.8インチディスプレイの3個のディスプレイで構成。サステナブルな素材を幅広く採用しているのも特徴という

フェラーリのDNAを代表するクルマ

フェラーリ・ジャパン 代表取締役社長のドナート・ロマニエッロ氏

 ジャパンプレミアでは、フェラーリ・ジャパン 代表取締役社長のドナート・ロマニエッロ氏があいさつを行なうとともに、マラネッロ本社よりヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏が来日し、12チリンドリの魅力を解説。

 ロマニエッロ社長は「12チリンドリはV12自然吸気エンジンをミッドフロントポジションに搭載しており、マラネッロのファクトリーから誕生しました。日本において最初に正規輸入されたV12モデルは、1960年式の275GTBとされています。このように日本で豊かな歴史を誇り、V12エンジンはまさにわれわれの歴史なのです」。

「今回ご紹介する12チリンドリは、最高峰のパフォーマンス、快適性、そして美しいデザイン性を求める方にとって魅力的なモデルとなってます。さらに、完璧なパワートレーン哲学を追求するフェラーリのデザインも含む次のレベルを象徴するモデルであり、フェラーリのDNAを代表するクルマです」とコメント。

伊フェラーリ ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏

 次に登壇したカランド氏は、今回搭載されたV12エンジンについて「812コンペティツィオーネ由来のエンジン」と紹介するとともに、8速DCTを搭載していること、自然吸気エンジンでは初となる「アスピレーテッド・トルク・シェイピング(ATS)」の開発によって、トルクカーブの繊細な電子制御が可能となっていることを紹介。「1番重要なのはサウンドと言えるでしょう。エンジンであるからこそ、トルクカーブをわれわれがコントロールすることで素晴らしいレベルで表現できています」とも述べた。

 また、カランド氏は現在のフェラーリラインアップについても触れ、12チリンドリはローマ、プロサングエ、296シリーズ、SF90シリーズの中で「ラインアップの真ん中に位置する」とし、「12チリンドリはパフォーマンスと快適性を完璧にバランスさせています。ザインに関しては全く一新されました」と述べるなど、12チリンドリのアピールを行なった。

12チリンドリをフェラーリを代表するこの上ない優美なモデルと評価
パワートレーンなどについて
アクティブエアロを採用
パフォーマンスと快適性を両立することで、12チリンドリは現行フェラーリのラインアップで真ん中に位置するという