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TDK、車載イーサネット 10BASE-T1S用コモンモードフィルタのラインアップ拡大 最もライン間容量が低いクラスIV達成の新製品

2024年7月 量産開始

「ACT1210E-131-2P-TL00」

 TDKは7月9日、車載イーサネット通信 10BASE-T1S用CMF(コモンモードフィルタ)「ACT1210Eシリーズ」のラインアップを拡大し、量産を開始したと発表した。

 今回TDKでは、従来製品「ACT1210E-241」と比較してライン間容量を約30%低減した「ACT1210E-131-2P-TL00」を新たに開発。OPEN Alliance CMC test specification(車載イーサネット向けCMFの推奨特性を定めた規格)において、最もライン間容量が低いクラスIVを業界初で達成した。従来品の「ACT1210E-241」はノイズ抑制性能特化、今回の「ACT1210E-131-2P-TL00」は低容量特化の位置付けになるという。

 10BASE-T1Sの通信回路には、コモンモードフィルタ以外の電子部品としてPHY、ESD対策部品等があり、それぞれ容量を持っている。合計容量が大きいほど信号波形が乱れ正常な通信を阻害するため、ユーザーは低容量を意識した部品選定することが不可欠だった。

 今回の新製品は独自の設計構造と最適材料の採用により、容量による信号波形の影響を抑えつつ、効果的にコモンモードノイズを除去。また、独自の高精度自動巻線技術により、安定した品質で高信頼性を実現したという。

 なお、ACT1210E-131-2P-TL00の生産予定数は5万個/月(当初)、サンプル価格は165円/個(税別)。

10BASE-T1S向けCMF要求特性

要求特性クラス分け従来品(ACT1210E-241)新製品(ACT1210E-131-2P-TL00)
ライン間容量I~IVIIIIV(業界初)
Insertion loss-PassPass
Common mode rejection(※コモンモードノイズ抑制性能の指標)I~IIIIIII
Return loss-PassPass
Differential to common mode rejectionI~IIIIIIIII