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三菱ふそう、ヤマト運輸、Ample、バッテリ交換式EVトラック「eCanter」の公道実証開始

2024年8月9日 発表

実証に用いるバッテリ交換式「eCanter」の車両とAmpleのバッテリ全自動交換ステーション(左側がヤマト運輸が用いる車両)

 三菱ふそうトラック・バスは8月9日、バッテリ交換式のEV(電気自動車)トラックの公道実証を2024年8月より開始すると発表した。三菱ふそうの小型EVトラック「eCanter」を用い、Ampleのバッテリ全自動交換ステーションでバッテリを交換、ヤマト運輸の集配業務で試験運用し、実用化に向けた課題を検証する。

 同実証では、ヤマト運輸が三菱ふそうの小型EVトラック「eCanter」を京都市内の集配業務に使用。「eCanter」は、Ampleの交換モジュールを装着したバッテリ交換式となり、京都市内に設置したAmpleのバッテリ全自動交換ステーションにおいて、ENEOSホールディングスと連携して「eCanter」のバッテリの交換を行なう。

 具体的に、バッテリ残量が少なくなった「eCanter」がバッテリ全自動交換ステーションに入庫すると、ロボットが自動でバッテリを交換する仕組みで、バッテリの交換時間は5分を目標にしている。

 三菱ふそうでは2023年のジャパンモビリティショーにおいて同技術を展示しており、次の段階として公道での実証を行なうこととなった。三菱ふそうや参加各社は、実用における利点や課題の洗い出し、技術の拡張性の確認を行ない、日本における将来的な実用化の検討を進めるとしている。

 あわせて、バッテリ全自動交換ステーションが新たなエネルギー供給インフラとして普及していくための運用ノウハウ蓄積と将来的な商業化に向けた課題の洗い出しも行なわれる。Ampleのバッテリ全自動交換ステーションは、EVトラックのみならず、乗用車と共用できる点が大きな強みで、Ampleのバッテリ全自動交換ステーションをEV向けバッテリ交換のインフラとして定着させることができれば、脱炭素社会の構築に向けた社会全体の課題であるゼロエミッション車両の普及において、大きな原動力となると見込んでいる。

 また、三菱ふそうでは、バッテリ交換式EVトラックの商業化を目指しており、今回の実証においては、ダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジアが「eCanter」専用リース商品「FUSOグリーンリース」を用いて、バッテリ交換式EVトラックのビジネスモデルの検討も行ない、車両整備や保険、パートナー間の契約関係、車両登録、月々の支払い形態といった、包括的な金融ソリューションを提供するとしている。