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ラリー北海道を制し、新井大輝選手が全日本ラリー選手権のシリーズチャンピオンに

2024年9月6日~8日 開催

ラリー北海道を制し全日本ラリー選手権のシリーズチャンピオンを決めた新井大輝/松尾俊亮組のAhead Skoda Fabia R5

新井大輝/松尾俊亮組がトップカテゴリーのJN-1を制す

 9月6日~8日、北海道の十勝地区で全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」が開催された。

 9月6日の午後より帯広市の中心部で行なわれたセレモニアルスタートで幕を開けたラリーは、9月7日~8日の2日間にわたって12本のSS(スペシャルステージ)で競われ、新井大輝/松尾俊亮組(Ahead Skoda Fabia R5)がトップカテゴリーのJN-1を制した。この勝利により新井/松尾組は今シーズンのシリーズチャンピオンを決めた。

 2位にはオーストラリアからスポット参戦したハリー・ベイツ/コーラル・テイラー組(GR YARIS Rally2)、3位には奴田原文雄/東俊吾組(ADVAN KTMS GRヤリスラリー2)が続いた。ハリー・ベイツ選手はオーストラリアにおけるトヨタ/GRのモータースポーツ活動を行なっているチーム「ニール・ベイツ・モータースポーツ(NBM)」のドライバーで、23歳だった2019年に豪州王者となり、2023年に再び王者に返り咲いているオーストラリアのスター選手だ。

 ちなみに8月にこの若き豪州王者とともにオーストラリア・ラリー選手権 ギップスラリーに参戦した大竹直生選手もラリー北海道に参戦している。これら日豪2組の参戦はTOYOTA GAZOO Racingが取り組む全日本ラリー選手権(JRC)とオーストラリアラリー選手権(ARC)の相互交流の一環として実現したものだ。なお、大竹選手は現在MORIZOチャレンジカップに参戦中だが、全日本ラリー選手権は初出場だ。

帯広駅前で行なわれたセレモニアルスタートには多くのラリーファンが集まった
JN-1 1位 新井大輝/松尾俊亮組(Ahead Skoda Fabia R5)
JN-1 2位 ハリー・ベイツ/コーラル・テイラー組(GR YARIS Rally2)
JN-1 3位 奴田原文雄/東俊吾組(ADVAN KTMS GRヤリスラリー2)
JN-1 大竹直生/橋本美咲組(GR YARIS GR4 Rally)
TOYOTA GAZOO Racingが取り組む全日本ラリー選手権(JRC)とオーストラリアラリー選手権(ARC)の相互交流により国境を超えた仲間づくりが実現していく

 また、ラリー北海道ではハイラックスやトライトンなどのピックアップトラックやジムニーなどによるOP-XC1/2/3クラスが設定されており、こちらは番場彬/梅本まどか組(CUSCO YH シオランダーHILUX)が制した。2位には寺川和絋/石川美代子組(TOYOTIRES MAZDA CX-5)、3位にはタイから参戦したMana Pornsiricherd/Kittisak Klinchan組(トヨタハイラックスファストフォワード)が入った。この2人は2024年夏にタイで開催されたアジアクロスカントリーラリー2024にTOYOTA GAZOO Racing Thailandから参戦し、現行ハイラックスに初勝利をもたらし今回の来日にいたっている。

OP-XC2 1位 番場彬/梅本まどか組(CUSCO YH ジオランダーHILUX)
OP-XC2 2位 寺川和絋/石川美代子組(TOYOTIRES MAZDA CX-5)
OP-XC2 3位 Mana Pornsiricherd/Kittisak Klinchan組(トヨタハイラックスファストフォワード)

ST185型セリカのサファリ仕様でユハ・カンクネン氏がデモラン

 競技以外では2台のWRCマシンによるデモランが注目を浴びた。1台はトヨタ自動車でラリーマシンの開発に携わる凄腕技術養成部の豊岡悟志氏がドライブするヤリスWRC。そしてもう1台はWRCがグループA規定で競われていた時代のトヨタのWRCマシン、ST185型セリカのサファリ仕様。ドライバーは、これまで数多くのトヨタ車を勝利に導いてきたレジェンドドライバー、ユハ・カンクネン氏。トヨタの新旧WRCマシンの共演に会場に集まったファンを魅了した。

カストロールカラーのST185型セリカでデモランを行なったユハ・カンクネン氏
セリカGT-Four(ST185)
ヤリスWRC
30年の時を繋ぐ新旧トヨタWRCマシンの共演

 世界で戦うラリー2やR5マシン、比較的手ごろなトヨタ ヤリスやアクア、ホンダ フィット、マツダ デミオなどのコンパクトカー、クロスカントリー車両のトヨタ ハイラックスや三菱自動車 トライトン、マツダ CX-5などバリエーションに富んだ参加車両や、貴重な歴史的ラリーマシンのデモランなどさまざまな角度から楽しめるラリー北海道は天候にも恵まれ、多くの自動車ファンにとって魅力的なラリーとなっただろう。