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倉敷市、日本郵便、Terra Charge、三菱自動車の4者連携で児島郵便局にEV急速充電器を設置 除幕セレモニー開催

2024年10月23日 開催

「倉敷市のカーボンニュートラル化及び災害時のレジリエンス推進取組」により、児島郵便局に設置された急速充電器スポットの除幕セレモニーが開催された

 2024年3月に三菱自動車工業は、岡山県倉敷市、日本郵便、EV用充電器メーカーのTerra Chargeとともに「倉敷市のカーボンニュートラル化及び災害時のレジリエンス推進取組」に合意した。

 この取り組みで倉敷市は「2050年ゼロカーボンシティ」へチャレンジすることを宣言し、電気自動車やV2H充放電設備等の普及促進に向けた取り組みを進める。また、カーボンニュートラルに向けた官民連携を推進することにより、持続可能なまちづくりを進めており、その一環として倉敷市の児島郵便局に24時間利用可能な有料の急速充電器を設置。そのサービス開始となる10月23日に児島郵便局にてセレモニーが行なわれた。

セレモニー出席者による記念撮影
岡山県倉敷市児島駅前2-4-5にある児島郵便局
郵便局の駐車場内に有料の急速充電器が設置された。24時間利用できるとのこと

 セレモニーには倉敷市長の伊東香織氏、三菱自動車工業 執行役員 モビリティビジネス本部長 岩本和明氏、日本郵便 中国支社長 砂孝治氏、Terra Charge 取締役 COO 中川耕氏、児島郵便局長 菅原哲也氏が出席した。

倉敷市長の伊東香織氏

 最初にマイクに向かったのは倉敷市長の伊東氏。伊東氏は「今日は倉敷市において、電気自動車の利用に関する新しいステージが始まる日だということで、大変心強く思っています。倉敷市は2050年までにカーボンニュートラルの社会を目指す取り組みを進めているところであります。そうしたなか、まず、三菱自動車さまと協定を結ばせていただくことになりました。わが倉敷市には三菱自動車さまが工場を構え、数多くの電動車を生産されています。そして市としても多くの方に電気自動車を利用していただくため、さまざまな補助、振興制度を設けています。また、市の公用車にも三菱自動車の電気自動車を導入することで、電気自動車を普及させていくのに必要なデータを集めています」と、倉敷市の状況を紹介した。

 また、「そうしたなか、電気自動車が普及するには必要である充電の設備を増やしていくために日本郵便に取り組みに加わっていただくことになり、児島郵便局さまへTerraCharge製急速充電器を設置していただけることになりました。なお、児島地区では2台目の急速充電器となります。この児島地区は今年、瀬戸内海国立公園90周年の年を迎えており、多くの方に訪問していただいていますので、今回あらたに設置した急速充電器を活用していただき、電気自動車での観光を楽しんでいただきたいと思います」と語った。

三菱自動車工業株式会社 執行役員 モビリティビジネス本部長 岩本和明氏

 続いて三菱自動車工業 執行役員 モビリティビジネス本部長 岩本和明氏がマイクの前に立った。岩本氏によると三菱自動車ではeKクロス EV、日産 SAKURAの発表会のときに、生産工場がある倉敷市から伊東氏をはじめ、多くの市関係者に参列してもらったところ、日産自動車側から三菱自動車の地域との関係性を高く評価してもらったという。そのうえで岩本氏は「引き続き三菱自動車はこの地でがんばっていきたいと考えています」と語った。

 そして「弊社のアウトランダーPHEVやeKクロス EVにはクルマの状況をほぼリアルタイムでモニタリングできるコネクテッド機能があり、そのデータを元にしたビッグデータを解析することで、倉敷市周辺にはバッテリが少し減った状態の電気自動車が走っていることが見えてきました。そこでAI等も使用することで児島地区に急速充電器を設置することが効果的であると判断し、児島郵便局さまの急速充電器の設置の提案をさせていただいたということです。このようにビッグデータやAIといった技術を使い、効率的な電動化の向けてのインフラを過剰な投資をすることなく進めていきたいと考えています」と説明をした。

日本郵便 中国支社長 砂孝治氏

 3人目の登壇者は日本郵便 中国支社長の砂氏だ。砂氏は「日本郵政グループはその使命、社会的責任を踏まえまして、2030年度まで温室効果ガスの排出量を2019年の数値に対して46%の削減させる目標を立てています。また、2050年度のカーボンニュートラル化、これに向けても現在取り組んでいるところです。具体的な取り組みとしては郵便局の集配車両のEV化、また各郵便局施設の照明のLED化があります。さらに空調設備なども太陽光発電設備の導入等を進めているところです」。

「今回の協定ですが、それぞれが保有する資源を有効に活用し、ここ倉敷市のカーボンニュートラル化社会の実現を目的としているものです。そこで日本郵便は児島郵便局を急速充電器の設置場所として提供することで、地域に貢献できればと考えています」と日本郵便としての取り組みをあわせて紹介した。

児島郵便局にも三菱自動車のミニキャブ・ミーブが集配車として導入されている
Terra Charge株式会社 取締役 COO 中川氏

 最後はTerra Chargeの中川氏。中川市は「本日の取り組みは、実は1年半越しのプロジェクトでして、ようやく今日この日を迎えられたことを本当にうれしく思っております。弊社ですが、日本の充電インフラの最大手の1つとしてやらせていただいています、そうしたことからEV時代において、EVユーザーさまが安心してEVに乗れる環境を作っていくことが大きな使命だと考えています。それだけに地域の拠点となる郵便局に弊社の急速充電器を使用した充電スポットを開設できたことは非常にうれしく思ってます。今回のプロジェクトを機に倉敷市全体、岡山県全体にも波及していくような流れにできたらと思っています」とあいさつをした。

設置されたのは50kWの急速充電器。従来の充電器は設置にそれなりのスペースが必要だったが、最新のモデルは機器の設置幅が飲料水の自動販売機並になり、今回のような場所でも設置できるようになっている。設置工事も1日で済むとのことだ

 代表者のスピーチ終了後には参列者全員による除幕式となり、児島郵便局での急速充電スポットの稼動が開始された。

 児島は本州と四国の香川県を結ぶ瀬戸大橋(瀬戸中央道)の本州側(児島ICもある)にある街で、観光名所が豊富にある。また「児島ジーンズ」を筆頭にジーンズメーカーが集まっていることでも有名なので、電気自動車で瀬戸内海周辺の観光に出かけるときは児島郵便局で充電ができることを覚えておきたい。

除幕式の様子
市の公用車を使い、伊東氏が充電のデモンストレーションを行なった