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ラリチャレ豊田、トヨタ早川茂副会長はホワイトカラーのGRヤリスにマシンを更新して参戦 8速ATの開発ドライバーに新たなミッションか?

ホワイトカラーの8速AT搭載GRヤリスでラリーチャレンジ豊田に参戦したトヨタ自動車 代表取締役副会長 早川茂氏。コドライバーは、日本のラリーを代表する勝田範彦選手

 アマチュアドライバーを対象とした草の根ラリーイベント「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ豊田」が12月1日、豊田市の豊田スタジアムを中心に開催される。

 この特別戦であるラリチャレ豊田に新しいマシンを持ち込んだのは、トヨタ自動車 代表取締役副会長である早川茂氏。早川副会長は8速DAT(GR-DAT)を搭載する先行開発のGRヤリスでこれまでラリチャレに参戦しており、プロでは出ないが早川副会長では出るトラブルなど、不具合出しに協力してきた。

レッキへと向かうホワイトGRカラーのGRヤリス。会場では結構目立っていた

 とくにその知見が活かされているのが、進化型GRヤリスに採用された3分割バンパー。これは、アマチュアラリーを楽しむ人がバンパーをぶつけても一部部品の交換で済むためリペアパーツ代が安価になる。トヨタ的には一体バンパーのほうが生産しやすく、組立工数も減らせてコストダウンや利益アップにつながるのだが、利用者(の代表である早川副会長)の使い方を開発陣が学んで、一部改良時に反映したものだ。記者は個人的に「早川さん分割バンパー」と呼んでいるが、まったく広まっている様子はない。

 そんな早川副会長のラリチャレ参戦マシンが、今回からホワイトカラーのGRヤリスに更新された。基本的に量産車ベースで作られており、量産車の8速DATを搭載している。また、大森文彦選手のGRヤリスも同様の8速ATGRヤリスに更新。これまで大森選手のマシンはカーボンニュートラル燃料のテストに用いられてきたが、ブラックカラーのGRヤリスとなり、ホワイトカラーのGRヤリスと対をなすような形で参戦している。

こちらは大森選手のブラックGRカラーのGRヤリス。大森選手のマシンも8速ATとなった

 8速ATマシンが増えたということは、それらのデータを豊富に取りたいという開発陣の意志を感じる。このマシンチェンジが意味するものは何なのか? いずれ明らかになるかもしれない。

レッキブリーフィング中に、コドライバーの勝田範彦選手となにやら打ち合わせる早川茂選手。勝田選手の向かって右は、同じくコドライバーと参戦する奴田原文雄選手。勝田選手と奴田原選手が協力してコースの確認をする珍しい風景