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ホンダ、新型小型ビジネスジェット機「ホンダジェット・エシュロン」型式認定用テスト機の製造を開始

2025年2月20日(現地時間) 発表
組み立てが開始された主翼部分

ホンダジェット・エシュロン専用の生産ライン開設も進行中

 本田技研工業の航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は2月20日(現地時間)、米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市内の生産工場で新型小型ビジネスジェット機「HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)」の型式認定用テスト機の製造を開始したと発表した。

 HACIは2025年2月にHondaJet Echelon型式認定用テスト機の最初の製造工程である主翼の組み立てを開始。製品化に向けた大きなマイルストーンを達成した。

 また、今後のHondaJet Echelon型式認定用テスト機の製造と将来の量産開始を見据えて、HACIの生産工場内にHondaJet Echelon専用の生産ライン開設を進めており、2024年末には各工程で使用する主要設備の搬入を完了したという。さらに、2025年1月にはシステム統合検証施設(Advanced Systems Integrated Test Facility)内のフライトシミュレーターによる初飛行を行ない、飛行制御システムなど、主要な航空機システムの検証を開始している。

 今後は、型式認定用テスト機の初飛行および型式証明取得に向けた取り組みを加速していくとのこと。

システム統合検証施設の稼働開始セレモニー

 HondaJet Echelonは、最大離陸重量が1万2500ポンド以上、2万ポンド未満の双発エンジンを搭載する機体のライトジェット機で、ベリーライトジェットの「HondaJet Elite II(ホンダジェット・エリートII)」の1つ上のカテゴリーに属する。世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断を可能としており、2026年の初飛行を目指して開発が進められている。

 名前の「Echelon」は「梯形編隊飛行」を意味し、航空機では高効率な空力性能を実現する飛行パターンとして、燃費や二酸化炭素排出量削減などに効果があると言われており、HondaJetの特徴を表しているという。また、同時にフランス語で梯子の“段”の意味もあり、現在ではプレミアムカテゴリーを指す言葉として使われることから、HondaJetブランドの最上級モデルという意味を込めて命名された。

 ホンダは、2050年までにすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルの実現を目指しているといい、この取り組みの中でHondaJet Echelonは競合のライトジェット機より20%、上位カテゴリーの中型ジェット機に対しては40%(ニューヨーク-ロサンゼルス間のアメリカ大陸横断の飛行距離で比較した場合)以上燃費を向上させることで、航空業界のカーボンニュートラルの実現に貢献するとした。

HondaJet Echelonの仕様

航続距離(目標値/NBAA IFR Range, 1乗員+4乗客):2625ノーティカルマイル
最大定員:乗員1名+乗客10名 または 乗員2名+乗客9名
最大巡航速度(目標値):450ノット
最大運用高度(目標値):4万7000フィート