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JAIA輸入二輪車試乗会でGASGAS「SM700」、BMW「R12」、ドゥカティ「スクランブラー」に乗ってみた

2025年4月10日 開催
大磯プリンスホテルで開催された輸入二輪車試乗会・展示会に参加した

 日本自動車輸入組合(JAIA)は、輸入二輪車試乗会・展示会を大磯プリンスホテルにて開催した。JAIA加盟各社の最新モデルを取り揃えた試乗会は、輸入二輪車の魅力とその走りを報道関係者などに理解してもらうために毎年行なっているもの。

 記者も試乗会場に用意されたクローズドの特設コース内で、スーパーモトモデルのGASGAS「SM700」、クルーザースタイルのBMW Motorrad「R12」、ネイキッドモデルのドゥカティ「スクランブラー フル・スロットル」に試乗してみた。

GASGASのスーパーモトモデル「SM700」

GASGASのスーパーモトモデル「SM700」

 最初の1台は、GASGASのスーパーモトモデル「SM700」。GASGASは1980年代半ばにスペインで創業、FIMトライアル世界選手権では15回ものタイトルを獲得するブランド。2019年にKTMグループとなってからはラインアップを拡充して、2022年にはストリートモデルを発売している。

 SM700の特徴は、148.5kgの軽量な車体に、2種類のマップ切替えが可能な693ccの単気筒エンジンを搭載、コーナリングABS、コーナリングトラクションコントロールなど最新の電子制御装置を採用して、シャープで痛快なライディングを提供。GASGASの活気と遊び心に満ちたキャラクターをストリートで体現したモデルという。

 シート高898mmという見た目の印象により足つき性が心配になるが、バイクに跨ってしまえばサスペンションが沈み込むので、つま先立ちになるのは仕方がないとして、車体も軽いので立ち転けの不安は感じない。

 走り出してすぐに思ったのは、“やっぱり軽いバイクは楽しい”なあというのが第一印象。特設コースの設定が、教習所にあるようなパイロンスラローム区間があって、これをひらりひらりとクリアできてうれしくなってくる。高回転までスムーズにまわるエンジンフィールや小気味よいマフラーサウンドの演出で気分が盛り上がってしまい、公道を走行するときには、かなりの自制心が求められる1台だなと感じた。

GASGASのスーパーモトモデル「SM700」
GASGASのスーパーモトモデル「SM700」
GASGASのスーパーモトモデル「SM700」

BMW Motorrad「R12」

BMW Motorrad「R12」

 R 12はクルーザーのようなシルエットを携えながら、BMW Motorrad の象徴であるボクサーエンジンを搭載、空/油冷4ストロークの水平対向2気筒 1169ccエンジンは最高出力70kW(95PS)/6500rpm、最大トルク110Nm/6000rpmを発生する。シート高(空車時)は754mm、車両重量(日本国内国土交通省届出値、燃料100%時)は230kg。

 ボクサーエンジンとクルーザースタイルの組み合わせによりシート高は754mmと低く設定されており、バイクに跨る時の乗降性のよさは抜群、これによって記者的には“なんてフレンドリーなバイクなんだ!”と感じてしまった。

 また、ボクサーエンジンによる重心位置の低さからなのか、パイロンスラロームをクリアするシーンにおいても、重量級のバイクであることを感じさせずにパイロンをクリアすることができる。それは、車体を左へ右へと忙しくバンクさせるときに「バイクを起こす」といったことにあまり意識をとられない、その軽快さが印象に残った。

BMW Motorrad「R12」
BMW Motorrad「R12」
BMW Motorrad「R12」

ドゥカティ「スクランブラー フル・スロットル」

ドゥカティ「スクランブラー フル・スロットル」

 3台目は、標準的なライディングスタイルで乗車できるドゥカティのネイキッドモデル「スクランブラー フル・スロットル」。最高出力53.6kW(73PS)/8250rpm、最大トルク65.2Nm/7000rpmを発生する空冷L型2気筒 803ccエンジンを搭載。車両重量は176kgで、シート高は795mmとある。見た目の印象は、車体中央にメカニズムがギュッと凝縮したスタイルが印象的で、シート後端が比較的フラットなので乗降性の良さもある。

 走り出して感じたのは、このモデルは重量級のバイクを操っているという適度な緊張感をライダーに与えてくれるバイクだなというのが第一印象。左へ右へと車体を傾けるパイロンスラロームを走行するときも、車両の重心位置が比較的高いところにあるのが感じ取れ、教習所で教わった基本操作を思い出しながら慎重に走行。モデル名に「フル・スロットル」とはあるが、無理をしようとは思わない。

 このモデルで感じた緊張感については、“どこからやってくるのか?”を紐解いていくと、エンジンフィールやシフトチェンジのショックなど、ライダーに伝わってくる振動やサウンドが大粒なもので揃えられていて、なにやらレーシングマシンを操っているかのような印象からくるものかもしれない。

ドゥカティ「スクランブラー フル・スロットル」
ドゥカティ「スクランブラー フル・スロットル」

 今回の試乗会では、シート高の高いスーパーモト、シート高の低いクルーザースタイル、標準的なシート高のネイキッドモデルと、3台を乗り比べてみたが、車両による特性を体感することやそのバイクで行ってみたい旅先をイメージすることができて、有意義な時間を過ごせた。

 試乗会に参加して思うのは、やはり気になるバイクがあれば、一度は試乗することをおすすめしたいと思うとともに、記者のように季節のいいツーリングシーズンなど年に数回しかバイクに乗らないライダーだったり、久しぶりに運転するリターンライダーな人は、ライディング教室などのクローズドコースを安心して走行できる機会を見つけて、バイクの基本操作を再確認する機会をもつことは、いいことなのかもしれないとも思った。