試乗レポート

BMWの電動スクーター「CE 04」に試乗 0-50km/h加速2.6秒の新感覚を味わえるシティコミューター

2022年4月13日 開催

 ビー・エム・ダブリューが4月22日より販売を開始するBMW Motorradの電動スクーター「CE 04(シーイー・ゼロフォー)」に、JAIA(日本自動車輸入組合)が開催した輸入車試乗会で試乗することができたので、その印象をお伝えしていきたい。

 CE 04は、最高出力31kW(42PS)を発生する電気モーターと60.6Ah(8.9kWh)容量のバッテリを搭載して、航続可能距離で約130kmを実現する電動スクーター。BMWグループが2017年に発表した「C evolution」に続く電動スクーターで、そのデザインがとても印象的なモデルとなる。

 日本でのCE 04は、車両区分が軽二輪車(排気量125超~250cc以下)となり、普通自動二輪免許(AT限定)で乗ることができ、車検の必要はなし。

 これまでのC evolutionの最高速129km/h、航続距離約160kmに対して、CE 04の最高速は120km/hで、航続可能距離も約130kmとしたのは都市型二輪自動車(シティコミューター)としての割り切りといい、ロングツーリングをカバーするバッテリを搭載することによる重量増を避けるとともに、急速充電のCHAdeMO(チャデモ)にも対応していない。

 車体サイズは2285×855×1150mm(全長×全幅[ミラーを含む]×全高[空車時、ウィンドシールドを含む])、シート高は800mm(空車時)、ホイールベースは1675mm。車両にまたがってみると足つき性はよく、私有地に用意された特設コースでの試乗であったので、一般公道での印象は変わるかもしれないが、小回り性能もよさそうに感じた。

BMWの電動スクーター「CE 04」に試乗

 CE 04の最高出力は31kW(42PS)/4900rpm、最大トルクは62Nm/0-4900rpmと、ひとたびグリップをグイッとひねると立ち上がりからグイグイと車体をひっぱり、0-50km/h加速2.6秒という猛烈な加速を見せる。エンジン車ではこれまでに経験したことのない、例えるならばジェット旅客機が離陸する時かのような加速感を得られる。

 一方、Uターン時などの極低速域においてはモーターの出力が“ドン”とでることもなく、微妙なアクセル操作がしやすいように仕上げられている。CE 04のアクセル操作に慣れは必要ないなと感じ、誰が乗っても安心できるように仕上げられていると感じた。

左側のグリップには、モニターの操作ボタンとウインカーやホーンボタンなどを配置
デジタル表示のモニター
アクセル側のグリップにはスタートボタンとモード切替スイッチを配置

 また、電動スクーターということで、日産自動車のバッテリEV「リーフ」に採用されている「e-Pedal」ようにアクセルペダル(バイクなのでグリップか)の操作だけで速度調節が可能なのか? と思いながらしばらく走ってみたが、それも可能。リズムよく走れば、低速域から高速域までかなりの領域でアクセルのグリップの操作だけで速度調節が可能だなと思った。航続距離を伸ばすためには、物理的なブレーキを使わないで回生ブレーキを使って充電をしたほうがいいので、そうしたことを狙った制御かもしれない。

シート下にヘルメットも収容可能な収納ボックスが用意される
ハンドル下に小物入れと充電口が用意される

 記者は、スクータータイプのバイクは学生時代に乗っていたホンダの原付き2ストスクーター「Dio」以来、約20年ぶりの体験。CE 04に試乗してみると短い試乗タイムではあったが、小回りがきくし、“おっ”とバランスを崩して立ちごけするような不安も皆無、バイクと気軽に付き合えていた時代の感覚を思い出した。

 CE 04の価格は161万円とエンジン車なら立派なリッターバイクが買えてしまう金額。電動スクーターは初体験であったが、エンジン車にはない新感覚を味わえるバイクであることには間違いはない。「やっとモーターのコイルが温まってきたところだぜ」のセリフを聞いてニヤニヤしてしまう人なら、この新感覚の世界観に共感してしまうバイクかもしれない。

車重は231kgだがバランスを崩して立ちごけするような不安はなかった
編集部:椿山和雄