日産、2024年度の通期連結業績見通し 「ターンアラウンド」の費用等計上で7000～7500億円の赤字に

日産自動車株式会社 社長兼最高経営責任者のイヴァン・エスピノーサ氏

　日産自動車は4月24日、2024年度の通期連結業績について、2025年2月13日にアナウンスした当期純利益-800億円から-7500～-7000億円になる見通しを発表した。

　2月13日に発表した前回の見通しでは売上高が12兆5000億円、営業利益が1200億円、当期純利益が-800億円としていたが、今回の発表では売上高が12兆6000億円、営業利益が850億円、当期純利益が-7500～-7000億円に修正。当期純利益については北米、中南米、欧州、日本における資産の徹底的な見直しによる5000億円を超える減損損失および600億円を超える構造改革費用が含まれるという。

　一方で「日産は厳しい事業環境を乗り切るための十分な資金を確保しています。年度末で自動車事業の手元資金は1兆4980億円です。自動車事業のネットキャッシュは2兆2000億円を見込んでおり、販売金融会社に対する貸付金1兆2000億円と合わせて3兆4000億円の流動性を維持しています」とし、2024年度末の自動車債務残高は前年度比でほぼ横ばいの1兆9000億円になるとした。

　今回の発表について、社長兼最高経営責任者のイヴァン・エスピノーサ氏は「私たちは、自社の業績と生産に関わる資産を精査し、通期見通しを修正しました。当期は大幅な純損失を見込みますが、主な要因は資産の減損損失と、今後の事業安定化に向けたリストラ費用です。私たちは困難な状況に直面していますが、当社には潤沢な財務基盤と強力な商品ラインアップがあります。今後も強い意志を持って、日産の再建に取り組んでいきます」とコメントしている。