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現行「レガシィ」に比べ、ねじり剛性40%以上アップを実現した「レヴォーグ」のホワイトボディーを見る
Bピラー後部までを、新型「WRX」と共用
(2014/1/23 12:47)
ツインリンクもてぎで開催されたスバル(富士重工業)の「レヴォーグ プロトタイプ」試乗会。ツインリンクもてぎのピットでは、レヴォーグの骨格であるホワイトボディーや、1.6リッターモデルのリニアトロニックCVTが展示されていた。本記事では、主にホワイトボディーについてお届けする。
レヴォーグの車名は、「LEgacy」(大いなる伝承物)、「reVOlution」(変革)、「touRinG」から作られた造語で、「“スバルの大いなる伝承”を引き継ぎながらも、次世代に先駆けた変革により、新たなツーリングカーの時代を切り拓く」という意味が込められている。
車名 | レヴォーグ | 4代目レガシィ | 現行レガシィ(D型) | 現行インプレッサ スポーツ |
---|---|---|---|---|
車型 | ワゴン | ワゴン | ワゴン | 5ドア |
全長(mm) | 4690 | 4680 | 4790 | 4415 |
全幅(mm) | 1780 | 1730 | 1780 | 1740 |
全高(mm) | 1485 | 1470 | 1535 | 1465 |
ホイールベース(mm) | 2650 | 2670 | 2750 | 2645 |
日本にジャストフィットというそのボディーサイズは、4690×1780×1485mm(全長×全幅×全高)で、先代レガシィよりやや大きく、現行レガシィより小さい。レヴォーグが、北米市場をメインマーケットに進化するレガシィと、インプレッサの中間を担うモデルとして企画されたことが分かる。日本では、今後より大型化するレガシィを完全に置き換えるモデルとなり、初代レガシィからの「25年目のフルモデルチェンジ」というキャッチコピーが、レヴォーグを象徴している。
レヴォーグが採用するプラットフォームは、現行インプレッサを大幅に改良したもので、スポーツセダンとしてデビューする「WRX」「WRX STI」と同時開発されている。そのため、ホイールベースはWRXと同様2650mmとなっているのだろう。
しかしながら、レヴォーグのメインターゲットは、インプレッサユーザーではなくレガシィユーザーで、スバル開発陣も「現行レガシィに比べ」という言葉でレヴォーグを語る。プラットフォームはインプレッサベースのものとはいえ、レガシィユーザーを満足させるべく大幅に強化。現行レガシィに比べボディーのねじり剛性(Nm2/rad)は40%以上アップしているという。
レヴォーグのホワイトボディーについて説明していただいたのは、富士重工業 スバル技術本部 車体設計部の白昌鍋氏。白氏は、「レヴォーグのボディー設計で配慮したのは、力の伝達をいかにスムーズに行うか」だという。レヴォーグは、フロント部からBピラー直後までの骨格をWRXと共用。その上で、テールゲート開口部を大きく確保するワゴン車型となるため、リアセクションの剛性にとくに注力しているという。
また、単に剛性を向上させるだけでなく、静粛性にも配慮。さまざまな高張力鋼板を組み合わせ、板厚を調整するなどで共振点をずらし、高い静粛性の実現に貢献しているという。そのほかフロントセクションは、Aピラー周辺部の補強を行うとともに、軽量化にも配慮。スポット溶接の打点以外の個所を波形にすることで、グラム単位の軽量化を実現。アルミボンネットフードと相まって、フロントの回頭性の向上にも貢献している。
現代のクルマは、衝突時の乗員保護を実現した上で、歩行者保護も求められている。さらに高い走行性能を確保する上で、車体の剛性を上げていく必要もあるし、燃費向上のため軽量化も必要となる。レヴォーグでは、それらを力の伝わる方向を工夫することで両立しようとしている。それが端的に表れているのが、フロントストラットの支持部となる。
高張力鋼板をボックス状に組みつつ縦方向に配置することで、ストラットサスペンションの上下方向の動きを受け止める(緑の方向に力が働く)。衝突時は、ボックス状の通常鋼板がつぶれながら衝撃を吸収する(ピンクの方向に力が働く)とともに、右奥に見える横方向のボックス状の高張力鋼板(青の方向に力が働く)で乗員の生存空間を確保。ピンクの力の方向と青の力の方向はベクトルが異なっているため、衝突時のフロントセクションは下へ潜り込もうとする。スバルのエンジンは水平対向であるため、とくに下に潜り込ませやすく、いざというときの乗員の足下空間を確保していこうという意図が、斜めに組み合わさった鋼板接合部(黄色い長円)に見て取れる。
このレヴォーグが実現した走りについては、松田秀士氏のインプレッションを参考にしていただきたい。
●インプレッション スバル「レヴォーグ プロトタイプ」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20140123_632001.html