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日産、「エクストレイル」にハイブリッド車追加、JC08モード燃費は2WD車が20.6km/L、4WD車が20.0km/Lを達成
直4 2.0リッター直噴エンジンと独自の1モーター2クラッチ式ハイブリッドを融合
(2015/4/7 18:00)
- 2015年5月13日発売
日産自動車は4月7日、ミドルサイズSUV「エクストレイル」にハイブリッド車を追加して5月13日に発売すると発表した。
SUV市場はサイズの大きさにかかわらず好調で、2014年の新車登録台数ベスト30に5車種がランクイン。エクストレイルを含む上位5車種で2014年の新車販売台数は約27万台だった。その中でSUVの3台に1台がハイブリッド車というのが現状だ。
先代エクストレイルはクリーンディーゼル搭載車をラインアップしていたが、現行エクストレイルでは「スカイライン」や「フーガ」に搭載されている、1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステム搭載車を追加した。
まず注目なのはハイブリッドシステム。すでにFR車のスカイラインやフーガに採用されているシステムと同様だが、エクストレイルはFFベース。駆動方式は異なるもののエンジンとモーターを完全に切り離せるので、EV走行の領域が広いのが特徴だ。またハイブリッドシステムのバッテリーにはリチウムイオンを採用。ブレーキ時などに発生する回生エネルギーを効率よく回収、坂道などパワーが必要なときに素早く放出できるうえ、非常にコンパクトでラゲッジルームの積載量をスポイルしていない。このハイブリッドシステムは日産の掲げる「PURE DRIVE」の1つで、EV(電気自動車)の「リーフ」や「e-NV200」などで培った技術が生かされている。
搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴「MR20DD」エンジンは補機ベルトの廃止、低フリクションオイルシールなどエンジンの基本性能の改善を行った結果、JC08モード燃費は2WD車が20.6km/L、4WD車が20.0km/Lを実現し、全車がエコカー減税で免税となっている。
動力面ではモーターアシストによるレスポンスのよい発進加速を実現。低速域から豊かなトルクを発生し、余裕のある走りが楽しめる。また、電子制御4WDシステム「オールモード4×4i+シャシー制御」によるタフギアに相応しいエクストレイルのシーンを問わない高い走行性能は健在。さらにハイブリッド車としての高い静粛性と環境性能という新しい価値も与えられている。
また、ガソリン車のエクストレイルにも採用されている、前方の衝突を回避するエマージェンシーブレーキを標準装備。さらにクルマを真上から見下ろしているようなMOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター、わずらわしい駐車をサポートしてくれるインテリジェントパーキングアシスト、側方安全支援のBSW(後側方車両検知警報)といった日産の先進安全装備群によるセーフティシールドと呼ばれる充実した安全装備という魅力がパワートレーンに関わらずオプション設定されている。
エクストレイルが属するミドルサイズSUVはクリーンディーゼルを搭載したマツダ「CX-5」、先進運転支援システム「EyeSight」を搭載したスバル(富士重工業)「フォレスター」などがいるカテゴリー。価格や安全装備などで比較すると、エクストレイル ハイブリッドとCX-5 XDは好勝負となっていて、今後SUVを購入予定の人はさらに頭を悩ますことになるだろう。